明治時代から続いてきたNTTの「104」電話番号案内サービスが終了する。終わりの時期や終了する理由、今後の電話番号の調べ方についてまとめた。
目次
NTT東日本・西日本は、長年親しまれてきた「104」番号案内サービスを2026年3月末で終了すると発表した(※)。
電話番号を調べる手段として、インターネット登場以前の1890(明治23)年から多くの人に利用されてきたサービスが幕を閉じることになるが、「なぜ終了するのか」「終了後はどうやって電話番号を調べればいいのか」と疑問に思う人も多いだろう。
本記事では、104番号案内サービスの概要と終了後の対応策について解説する。
※電話帳(タウンページ等)および番号案内(104番)の終了について | お知らせ・報道発表 | 企業情報 | NTT東日本
そもそも104とは?明治から続いてきた電話番号案内サービスを解説
インターネットとスマートフォンが生活に浸透した現在、104の電話番号案内サービスについて知らない人も多いだろう。終了する104番号案内について、どのようなサービスかの概要を解説する。
■NTTの104電話番号案内サービスの概要
104番号案内サービスとは、NTT東日本・西日本が提供してきた電話による番号案内サービスを指す。
企業や店舗、個人宅(本人の掲載承諾がある場合に限る)などの電話番号を調べることができ、固定電話や携帯電話から「104」とダイヤルすると、オペレーターが電話番号を案内してくれた。
インターネットが普及する以前は、知らない電話番号を調べる方法として、多くの人々の生活を支えてきたサービスと言える。
■104の利用料金はいくら?
104の番号案内サービスには、通話料金とは別に案内料が発生する。料金は、NTT東日本・西日本ともに、1案内につき66円(税込)。月に2案内以上の場合は2案内目から99円(税込)、深夜・早朝時間帯は1案内につき165円(税込)だ。
携帯電話から利用する場合は、各キャリアの通話料に案内料が上乗せされるため、固定電話からの利用よりも割高になる(例:ドコモの場合:1案内あたり440円(税込))。
■どんな時に104が利用されてきたか
104番号案内サービスは、特にインターネットが普及する前の時代において、電話番号を調べる主要な手段となっていた。外出先で電話番号がわからないとき、緊急時に連絡先を知りたいとき、手元に電話帳がないときなど、様々なシーンで活躍し、ピーク時の1989年度には、約12億8,000万件もの利用があった。
104番号案内サービスはいつ終了する?

固定電話が主流だった時代、有効な調査手段だった104番号案内サービスだが、NTT東日本・西日本は2024年7月19日に、同サービスの終了を正式発表した。
■104番号案内サービスの終了時期は2026年3月末
104番号案内サービスの終了時期は、2026年3月31日23時59分となっている。発表から終了まで約1年8か月の猶予期間を設けた理由は、利用者への十分な周知期間を確保し、代替手段への移行をスムーズに進めるためだ。
特に高齢者など、デジタルサービスへの移行が難しい利用者層に対して、準備期間を設けることで混乱を最小限に抑える狙いがある。
■NTTの電話番号関連サービスの終了と継続の全体像
104番号案内サービスの終了に伴って企業や店舗の電話番号を掲載していた紙のタウンページ(冊子版)も発行・提供を終了する。これは両サービスが同一のデータベース、すなわち電話帳掲載情報を共有して運営されてきためだ。デジタル化とペーパーレス化の流れの一つであり、104の終了によって紙の電話帳文化も終わりを告げることとなる。
104が終了する理由は?時代の変化とサービスの現状
104番号案内サービスが終了する理由について、もう少し詳しく見ていこう。
■104終了の理由1:インターネットと携帯電話の発達により利用者数が大幅な減少
104番号案内サービス終了の最大の理由は、利用者数の劇的な減少だ。スマートフォンとインターネット検索の普及により、電話番号を調べる方法は大きく変化している。
具体的な数字を見ると、ピーク時の1989年度には約12億8,000万件あった利用が、2022年度には約2,000万件と90%以上も減少している。
デジタルネイティブと呼ばれる若い世代の中には、104番号案内サービスの存在自体を知らない人も少なくない。
■104終了の理由2:タウンページ掲載件数減少との相関関係
104サービスの利用減少には、情報源そのものの変化も大きく影響している。
インターネット検索が主流となったことで、多くの企業や店舗は、自社ホームページやSNS、口コミサイト、Googleマップ(Googleビジネスプロフィール)などを利用した集客・情報発信にシフトしており、電話帳掲載のメリットが相対的に低下した。
■104終了の理由3:オペレーター対応コストと事業継続の判断
104番号案内サービスは、オペレーターによる人的対応を必要とする。利用件数がピーク時の10分の1以下まで減少する中、サービスを維持するためのコストが相対的に高くなったことも104のサービス終了を決定づける理由となった。
104終了後、電話番号はどうやって調べる?

利用者が減少していた104の電話番号案内だが、終了後はどうすれば良いのか気になる人も多いだろう。ここでは104の代替手段を解説する。
■104終了後の電話番号の調べ方1:インターネット検索
104サービス終了後、最も一般的な代替手段はインターネット検索だ。多くの企業や店舗は公式サイトやSNSアカウントを持っているため、Google検索を利用することで、企業や店舗の電話番号を無料かつ即座に調べられる。「○○(店舗名) 電話番号」「企業名 連絡先」「地域名 業種 電話番号」などの検索ワードを入力するとヒットしやすい。
Googleマップ上に表示される店舗情報(Googleビジネスプロフィール)も便利だ。地図アプリで店舗名を検索すると、電話番号だけでなく営業時間や口コミ情報も同時に確認できる。
■104終了後の電話番号の調べ方2:iタウンページ
104番号案内サービスの後継として、オンラインの電話帳サービス「iタウンページ」が提供されている。紙のタウンページに掲載されていた情報をインターネット上で検索できるサービスで、2026年4月以降も継続して利用可能だ。
検索エンジンを利用したインターネット検索に慣れていない場合は、電話帳機能に特化したこちらのサービスを利用しても良いだろう。
※参考:iタウンページ | 電話帳でおススメのお店・企業・学校・観光情報を無料検索
■サポートが必要な人・デジタルに不慣れな人への配慮と今後の対応
104サービスの終了で影響を受けるのは、インターネットやデジタル機器の操作が難しい高齢者や障害者だろう。
視覚障害者向けの点字電話帳や、障害者向けの番号案内サービス「ふれあい案内」は、2026年4月以降も継続される。
また、スマートフォンの音声アシスタント(SiriやGoogleアシスタント)を利用することで、文字入力が苦手でも電話番号を調べることが可能だ。
自治体の相談窓口や福祉サービスでも、デジタル機器の使い方をサポートする取り組みが広がっている。
大切なのは、104終了までの期間に代替手段を知って実際に使ってみること。家族や行政のサポートも活用しつつ、デジタルデバイド(情報格差)を縮小し、デジタルツールの活用を進めていくことが重要と言えるだろう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/長尾尚子







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