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ガチすぎると話題のJAL「本気のパイロット訓練体験10days」受講者に聞いた10日間250万円の価値

2025.11.18

2025年春、JAL(日本航空)は、旅客機のパイロットになる夢を叶えられなかった人に向けた「〝本気〟のパイロット訓練体験10days」をJALパックで販売。

パイロット候補生が行なうようなガチな訓練を体験できるもの。10日間の講座で税込み250万円! という高額な受講料も話題となっていたが、2名限定の枠に対して「たくさんの応募があった」(JAL・広報担当)という。

今回、見事に当選した受講者が5日間かけて行なわれたフライトシミュレーターを使った訓練の様子を取材した。

ボーイング767型機の機長自らがテキスト&ビデオ教材を作成

10日間全ての講座で講師を務めたのは、発案者でもあり日本航空のボーイング767型機の機長・大橋 篤さん。

今回取材したのは7日目の講座で、5回あるフライトシミュレーター訓練の3回目。訓練に入る前に丸2日間の座学があったという。その際、使われるテキスト教材はすべてオリジナル。

さらに、大橋機長自身が作成・撮影した11本のビデオ教材も用意されていたという。参加者は「大橋さんの凄い熱意を感じました」と話す。

課題を出すことで、回を増すごとに成長する受講者

フライトシミュレーター訓練は、シミュレーター操縦前後のブリーフィングを含めて1回当たり4時間のプログラム。受講者はコックピット左側の機長席に、右側に副操縦士役となる教官が座る。

各セッションを通じてフライトするのは羽田~伊丹線。飛行機の地上移動、簡易的な管制官との交信、離陸から上昇降下、さらには自分の技術で着陸する訓練を体験できる。

事前にテキストやビデオ教材で学習してはいるが、「フライトシミュレーターでは最初は悪戦苦闘だった」と参加者。

教官役の大橋機長は、「1回目は、人間でいうと『走りたい』のに、『どうやって歩けばいいのか』が分からないような状態。教官からの援助がなければ動けなかったのですが、2回目では、受講者は自力で飛行機を動かせるようになり、『大きな進歩』を実感しましたね」と話す。

そして今回取材した3回目の訓練で大橋機長は「今日はこれをやってみましょう」という課題を受講者に出したという。

「離陸時にスラストレバー(飛行機を上昇させる為の大きなレバー)を操作する際、どうしても出力の上昇を一度に見てしまいがちなんです。『この操作は手だけ動かしましょうね』『センターラインだけキープしてください』とアドバイスしたところ、受講者のおふたりは見事にやってくれました」ともうひとりの教官はうれしそうに話す。

筆者も過去にフライトシミュレーター体験をしたことがあるが、実は難しいのがセンターラインを維持すること。旅客機はクルマのように簡単にセンターラインを維持できず、機体が左右に曲がってしまうことが多い。

受講者もそうだったが、この日の課題として「上がった後もナビゲーションをしっかりしてください」と伝えたところ、センターラインの維持ができるようになったそうだ。

パイロットになれるのなら一度はやってみたい機内アナウンスも体験。
飛行だけではなく、出発時の地上での航空管制との交信やプッシュバックなどのやり取りも体験。

受講者の成長について大橋さんは「最初は歩けなかったのが歩き出した」と表現し、3回目の時点で「少しずつ、少しずつ歩き出して今ちょっとジョギング程度になっている」と話す。

最終的には「伊丹まで走ってもらう」というストーリーを描いているという。

伝えるのは、技術だけではない! 〝お客様を乗せている民間機のパイロットとして心構え〟も同時に受講生に伝えていた。大橋さんは「民間機のパイロットは、『飛ぶのではなく運ぶ』という感覚が大事。

単に飛行機を操縦するだけでなく〝人が乗っている〟という意識が重要なんです。熟練パイロットはフライト中、頭の中の9割以上をお客様のことを考えながら仕事をしていると思いますね。〝お客様の命を預かり、人々や思いを繋ぐ〟という民間航空パイロットの深い心構えも受講者に伝えています」と大橋さん。

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