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日本人は本当に〝きれい好き〟なのか?世界10か国のアンケート調査で見えた意外な掃除観

2025.11.15

2025年末も迫まってきたが、そろそろ気になるのは年末年始の大掃除だろう。世界的にみると日本人はきれい好きだと認識されているイメージはあるが、「お掃除」や汚れに関する意識は他国と比較して大きく違うのか。

清掃機器の世界的メーカーのドイツ・ケルヒャー社は、世界10か国の18歳から65歳までの男女1万人(日本の回答者数:1000人)を対象とした「お掃除」に関する意識と行動の実態を国際比較するアンケート調査を実施して結果を公開した。この調査でわかった世界とは異なる日本人の「お掃除」事情とは?

日本人の6割が掃除時間「週1時間以内」と回答

「家が清潔であることは個人的にどれくらい重要ですか?」という質問では、国際的には93%が「家が清潔であることは重要である(非常に・ある程度)」と回答している。

世界的には9割以上が自宅の清潔さを重視していることがわかった。ただ実際の生活では、回答者の約半数(47%)が1週間に掃除に費やせる時間が「1時間以内」と回答している。清潔が大切だと認識しつつも現状では、掃除の時間は優先度が低く、「お掃除時間」を長く確保できていないようだ。

きれい好きなイメージの日本は「ほどほど志向」

国際的に「きれい好き」のイメージがあると思われる日本人だが、自分の家が清潔か「非常に重要だ」と答えた人は、10か国中でもっとも少ない結果だった。

一方で「ある程度重要」と「どちらでもない」と答えた人は10か国中で最多だった。日本人は、パブリックな空間とパーソナルな空間の衛生基準を分けて考えており、「家は“ほどほどに”きれいであればよい」と考えている人が多いようようだ。

「ほどほど志向」については、「お掃除は週に何時間しますか?」という質問に日本人の約6割が「週に1時間以内」と回答しており、「2時間以内」という人を加えると約8割もいた。国際的に日本人の掃除時間の短さが際立つ結果だったところからも、きれい好きに関しての「ほどほど志向」がうかがえる。

掃除後の満足感は「義務を果たした達成感、満足感」が約7割

掃除についてのメンタル面の影響では、日本の回答者は「お掃除後に部屋がきれいになった時に、精神的な満足感を強く感じている」と答えた人が多かった。

「お掃除を終えて部屋がきれいになった時、どのような気持ちになりますか?」という質問に対して、日本の回答者の約7割(68.9%)が答えた「やるべきことを終えた満足感がある」が最多回答だった。ドイツ人やオーストラリア人の回答が約6割だったので、これと比較しても高い割合だ。

約半数(49.1%)の日本人は、掃除をすることで「心が落ち着く」 と回答しており、清潔な環境が精神的な安定につながっていることも推察できる。日本人にとって掃除は、単なる家事労働ではなく「義務を果たすことで心の平穏を得るための行為」としても認識されているようだ。

約4割の日本人が「お掃除後のご褒美」を用意

「お掃除のあとに自分へのご褒美として何かしますか?」という質問では、世界全体で約3割から4割の人が「ご褒美を用意する」と回答している。もっとも高い割合だったのはアメリカ人で47%だった。

ドイツ人は34%がご褒美を用意していたが、傾向としてはTODOリストのチェックや掃除の効果そのものにご褒美を感じる傾向がみられたという。

日本では、お掃除のあとに自分へのご褒美を用意する人は36%だった。ご褒美の内容は、「飲み物やおやつを食べる」が最多で、国際的に見ても日本が最多の回答だった。一定数の日本人は、掃除できれいになった部屋をリラックスして楽しめる「家カフェ」空間にしていることが推測できる。

掃除をしたあとに「散歩やスポーツをする」、「出かける」、「自分にプレゼントを買う/買い物に行く」など家の外に出かける楽しみを行う人が多いのも日本の特徴といえそうだ。最小限の労力で「義務」を果たしたあとで、その時間を使って精神的なゆとりやリフレッシュを追及する「時短・効率化」を前提とした日本特有のライフスタイルといえそうだ。

日本人の約半数が譲れない汚れはトイレとホコリ

「あなたにとって譲れない汚れとは?」という質問では、国際的に「トイレの汚れ」が最多だったが、詳細をみると各国の国民性もうかがえた。ドイツ人は、「シャワーや排水口の水あか・カビ」が譲れないと答えた人が国際平均(37%)を大きく上回る48%だった。

アメリカ人の約半数は、「ソファや床に落ちている食べ物のカス」を譲れない汚れと回答しており、国際平均(37%)を大きく超えていた。日本の回答者では「トイレの汚れ」と答えた人の割合が、国際平均よりも高かった。

日本人が他国よりも「ホコリ」に対する意識が非常に高いことも示唆されており、日本人は人目につきやすい「トイレ」の完璧さと繊細な「ホコリ」という目に見えにくい清潔さの両方を追及する独自の衛生観念を持っていると推察できる。

掃除が健康に与える影響では「アレルギー症状の緩和」が日本人1位

目に見える「視覚的な汚れ」だけでなく「健康への影響」も掃除をする大切な動機になっている。「お掃除が健康に与える影響は?」という質問では、63%の日本人が「アレルギー症状の緩和」を1位に挙げており、アメリカ人(64%)と同水準の高い割合だった。オーストラリア人などは「睡眠の質が向上する(よく眠れる)」と回答し、ポーランド人などは「掃除は運動の一部」と捉えるなど世界的に見て掃除が心身の健康に大きな影響を与えていることが分かる結果になった。

掃除が健康に与える良い影響では、日本人は国際平均と比較しても「アレルギー症状の緩和」への影響が大きいと回答した人が最多だった。「どんな清潔さが、心身の健康に大きなメリットをもたらしますか?」という質問でも「清潔でホコリのない床」という答えが多数を占めたことからも推測できる。「譲れない汚れ」に対する質問でも「ホコリまみれの床や表面」と回答した人の割合が高いことも合わせて日本人が「ハウスダストアレルギー」に対して高い意識を持っていることの裏付けにもなっている。

日本耳鼻咽喉科学会が2019年に行った「鼻アレルギーの全国疫学調査」では、ハウスダストによるアレルギー性鼻炎を持つ日本人は約4人にひとりで、温暖で湿気の多い日本の気候はダニの影響を受けやすく、「ホコリ・アレルギー対策」は美観維持だけではなく切実な健康に結びついていることも浮き彫りになった形だ。

日本人は「お掃除」という義務を果たすことで心の満足感を得ているが、その時間を「ササっと効率よく済ませたい」という強い時短志向も併せ持っている。「トイレの汚れ」と「ホコリ・ハウスダスト」といった衛生観念や健康に直結する汚れに高い意識を持っていることも浮き彫りになった。きれい好きのイメージがある日本人だが、調査していくと他国と違う独特な汚れに対する感覚やお掃除観があるようだ。

「ケルヒャー世界のお掃除アンケート」概要

調査対象:ドイツ、オランダ、オーストリア、フランス、ベルギー、イギリス、ポーランド、オーストラリア、アメリカ、日本の10カ国の18歳~65歳の男女。合計1万25人(日本の回答者数:1000人)
調査方法:インターネット調査
調査時期:2024年6月~2024年7月
調査機関:Dynata社(オンラインリサーチ会社)

https://www.kaercher.com/jp/newsroom/kaercher-stories/int-cleaning-2025.html

構成/KUMU

30年以上暮らした東京から実家に戻った地方在住フリーライター。得意分野は、ゲーム、アニメ、マンガやIT&デジタル関連など。自宅でリモート取材や自宅作業が増えたので、20年以上ぶりにフル自作PCを作成して活用中。最近の取り組みは、実家で発掘したセガマークⅢ以降の昭和から平成のゲーム機が動くか点検すること。

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