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30代の男性社員は女性社員や他の年代よりやる気が下がりやすくなる理由

2025.11.18

Topic4.職場の人とは「あまり関わりたくない」が54.4%という事実

職場の人とプライベートや業務外でも交流するような関係を望むのは全体の45.7%。一方、「業務上の関係だけにとどめ、できるだけ個人的な関わりは持ちたくない」と「業務上でもなるべく関わりを持ちたくない」を合わせると、職場の人とは「あまり関わりたくない」と考える人は54.4%で過半数を占める。

性年代別に見ると、男性40代は比較的交流を望む傾向があるが、それ以外の性年代は全体値と同じような傾向だ。マネジメントする側は、統率するために部下に対してコミットメントを求めるかもしれないが、全体として見ると上の年代でも「あまり関わりたくない」人が半数程度という結果となった。

Q.あなたにとって望ましい職場の人との距離感はどれですか。(単一回答)

※「分からない・答えられない」を選択した回答者を除く

Topic5.女性は男性よりも「残業の少なさ・休みのとりやすさ」や「人間関係」に満足。「人間関係」の満足度は男性50代が最も低い

所属する会社で満足していることを性年代別のグラフにした。特徴的な傾向は次のとおりだ。

・男女20代は「(1)給与・賞与・福利厚生」の満足度が相対的に低めだが、「(10)キャリアアップや成長ができる」環境に満足する傾向。女性20代は「(3)上司・同僚・部下の人間関係」の満足度も高い。

・ 男性30代の「(2)残業や休日出勤が少ない、休みがとりやすい」は男性の中では高めだが、その他には男性30~40代が他の性年代よりも際立って高い項目はない(低めの項目は「(3)上司・同僚・部下の人間関係」「(4)仕事内容が希望や興味に合う」「(7)職場の環境(立地など)」)。

・女性30代の「(2)残業や休日出勤が少ない、休みがとりやすい」が突出している。「(1)給与・賞与・福利厚生」「(3)上司・同僚・部下の人間関係」なども高い。女性40代もそれに準じる。

・男性50代は「(3)上司・同僚・部下の人間関係」の満足度が他の性年代に比べて最も低い。女性50代は「(1)給与・賞与・福利厚生」「(10)キャリアアップや成長できる」が相対的に低い。

Q.あなたは今の会社のどのようなところに満足していますか。当てはまるものを5つまで選んでください。(複数回答)

※全17項目のうち全体値の上位10項目を掲載、左から全体値が高い順、「分からない・答えられない」を選択した回答者を除く

Topic6.転職経験と転職意向 各年代では女性のほうが高い

転職を経験した割合は上の年代ほど高く、男女ともに20代から40代まではその傾向が顕著だ。反対に、今後の転職意向は若年層ほど高い。「転職経験あり」と「転職意向あり」の割合は、各年代の中では、女性の方が男性よりも高い傾向があった。

Q.あなたはこれまでに転職したことはありますか。または、転職を考えたことがありますか。(単一回答)
Q.あなたはこの先、転職することを考えていますか。(単一回答)

※転職経験は「5回以上転職」から「1回転職」までの合計、転職意向は「1年未満に転職」から「10年以上先に転職」までの合計、それぞれ「その他」「分からない・答えられない」を選択した回答者を除く

Topic7.転職理由 女性では「上司に不満」が上位

転職理由を性年代別のグラフにし、上位項目を表にまとめた。人によっては20~30年前に転職していることもあるので、現職の勤務年数が10年未満の人に限定している(最近10年以内の転職理由となる)。特徴的な傾向は次のとおりだ。

・「(1)給与・賞与・福利厚生」「(2)会社の体質や企業風土」はほとんどの性年代で3位以内に挙がる。次いで「(6)評価や人事が不透明」や「(10)自分の評価に不満」が男性各年代と女性40~50代でランクイン。

・男性20代で「(自分の)成長が不十分」、男性30代以上で「(4)将来性に不安」が上位に挙がる(男性40~50代は「(8)方向性に疑問」も上位)。男性40代の「(7)負荷が集中」「(10)自分の評価に不満」が突出。

・女性は各年代で「(3)上司に不満」が上位に挙がる(40代では1位)。その他には「(5)残業や休日出勤の多さ・休みのとりづらさ」「(9)プライベートな理由」というワークライフバランス関連も挙がる。男性でも30代で「(9)プライベートな理由」、50代で「(5)残業や休日出勤の多さ・休みのとりづらさ」がランクインする。

Q.あなたが転職した理由として、最も重要だと思うものから順番に1~5まで順位を付けて選んでください。(5つまで回答)

※全28項目のうち全体値10位タイまでの11項目を掲載、左から全体値が高い順、最近10年以内に転職した人が対象、「分からない・答えられない」を選択した回答者を除く

※内容が類似の項目は同系色にしている。なお、以下の項目はグラフでは非表示。全文は以下のとおり。
「成長が不十分」 :「キャリアアップや成長が十分にはできなかった」
「仕事量多すぎ」 :「職場全体の仕事量が多すぎた」
「能力発揮」 :「仕事で能力を発揮して価値を生み出していることを実感できなかった」

Topic8.転職して「今の会社の方が良い」割合は20~30代が高い

転職者が前職と現在所属する会社について各種項目を比較し、「今の(会社の)ほうが良い」と回答した割合を性別、性年代別にグラフにした(Topic7と同じく最近10年以内に転職した人が対象)。

性別に見ると、「(8)人間関係」について「今のほうが良い」割合は女性のほうが5.6%高い。その他の項目には大きな差はない。

性年代別の特徴的な傾向は次のとおり。

・男性20代の「(2)残業時間・休日出勤・柔軟な働き方」、女性20代の「(1)給与や福利厚生」は、「今のほうが良い」が5割前後と低いが、男女20代のその他の項目は比較的高い。

・男女30代は、転職先の〈勤務条件〉〈成長できる環境・仕事のやりがい〉を評価。女性30代はそれに加えて「(8)人間関係」「(9)会社の体質や企業風土」の評価も高い。

・男女40代では、〈成長できる環境・仕事のやりがい〉が若年層に比べて低い。女性40代はそれに加えて「(9)会社の体質や企業風土」の評価も低い。

・男女50代では、〈成長できる環境・仕事のやりがい〉のほか、「(8)人間関係」「(9)会社の体質や企業風土」の評価も低い。特に男性50代の「(8)人間関係」は30%台にとどまる。

・「(10)総合的な評価」について「今の(会社の)ほうが良い」と回答した割合は、男女50代が低く、40代以下と開きがある。

Q.前職と今の会社を比べると、それぞれの項目についてあなたはどちらが良いと思いますか。(各単一回答)

※「今のほうが良い」「どちらかと言えば今のほうが良い」の合計割合をグラフ化(その他の選択肢は、「どちらもあまり変わらない」「どちらかと言えば前職の方が良い」「前職の方が良い」「答えられない」)、最近10年に転職した人が対象

スコラ・コンサルト解説

~性別・年代別の分析結果を相互理解の入り口に~

従業員意識調査では、課長・課長代理クラスや30代の満足度が低いという結果がしばしば見られる。その背景を深掘りするために今回行なったのが、転職や働くことに関する意識の性年代別分析だ。結果からは次の傾向が明らかになった。

● 20代男女
不満があってもアンケートで(おそらく職場でも)積極的に表明するのではなく、自分のキャリアアップや希望条件に合う転職に意識が向かっているのではないかと推察される。

● 30代以上の女性
プライベートな理由による余裕のなさや人事評価、職場や上司への不満を抱えているが、転職の機会を柔軟に活かしつつ、休みのとりやすさや人間関係にはある程度満足しているようだ。特に30代はプライベートを大事にし、収入のためと割り切って仕事をしながらも、職場で満足できるポイントを見いだしている様子がうかがえる。

● 30代男性
やる気が低下している背景は、一見わかりづらいが、転職理由には「自分に仕事の負荷が集中」や「経営や将来性に不信・不安を感じた」「プライベートな理由」が挙がる。転職経験者に関しては、それらの不具合を解消する転職ができているのかもしれないことが転職前後の比較分析から読み取れる。

● 40代男性
仕事で成果を出すことを重視し、企業風土や職場の人との交流にも関心を払っているが、人間関係には満足できておらず、仕事の負荷も集中しているなど、孤軍奮闘している印象がある。

● 50代男性
仕事の成果や職場での貢献を重視しつつも、人事評価が今以上に高まることはあまり期待できずに、そろそろワークライフバランスをとろうと考え始めているかもしれない。一方、50代男性全体においても転職経験者においても、人間関係の満足度が高くない点が気にかかる。

今回の分析では、性別2種×年代4種の8つのセグメントを分析した。「男性はこういう傾向である」「若者にはこういう特徴がある」と分かったことをもとに男女各年代の活躍を促すことも分析結果の使い道の一つだ。ただし、実際の人々にはもっと多くの属性情報がある。

仮にもう一種類、男女のような2値のデータを掛け合わせると16セグメントに、さらにもう一種類加えると32セグメントに増える。何回か繰り返すだけで100以上になるので、分析して対策をとることが難しくなる。

人は多様である、という複雑な現実に対応するためには、扱いやすい数に分解してマクロな傾向を把握しつつ、ミクロな現場では一人ひとりが個別に抱える背景にも目を向けていくことが大切だ。この分析結果が、職場の人を型にはめて見るためではなく、違う事情もあるかもしれないと想像しながら相互理解を深めるための入口になることを期待している。

<調査概要>
調査主体:株式会社スコラ・コンサルト
調査方法:調査会社のインターネットアンケートモニターによる回答
調査期間:2025年5月23日~2025年5月26日
有効回答数:2,106人
 ・性別・年齢内訳:右表のとおり
 ・役職内訳:一般社員・係長1,868人
       管理職(課長・部長)238人

出典元:スコラ・コンサルト

構成/こじへい

Author
1986年、神奈川県生まれ。ライター歴は15年目で、現在は主にPR、芸能、YouTube関連の記事を執筆しています。

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