性別・年代によって、仕事や転職、キャリアに対する考え方にはどのような違いが見られるのだろうか?
スコラ・コンサルトはこのほど、全国の社員100名以上の企業に勤める一般社員・管理職2,106名を対象に、転職や働くことに関する意識についてアンケート調査を実施し、その結果を発表した。
本調査では、男女20代から50代までの8つのセグメントに分けて、転職や仕事に対する意識・実態を比較した。30代では男性と女性で対照的な傾向が見られたため、その背景を考察している。
Topic1.男性は「成長・成果志向」、女性はプライベートを大事に「割り切り志向」
仕事やキャリアの考え方について、あてはまる割合を性別に見ると、男性のほうが〈成長・成果志向〉が高い、女性のほうがやや〈貢献志向〉が高い、という傾向が見られた。
女性は「(7)プライベートを大事に」「(8)仕事は収入を得る手段」と割り切る傾向が強くなる。性別役割意識が垣間見えるが、「(9)やる気が下がった」割合、「(10)割り当てられた業務以上のことはなるべくやらない」割合に男女差はない。
Q.あなたの仕事やキャリアについての考え方について、当てはまるものを選んでください。(各単一回答)
※「よくあてはまる」「まああてはまる」の合計割合をグラフ化(その他の選択肢は、「あまりあてはまらない」「まったくあてはまらない」「分からない・答えられない」)
Topic2.男性30代は他の年代や女性よりも「やる気が低下」している
性別に年代を掛け合わせた。男性30代は「(7)プライベート」重視や「(8)仕事は収入を得る手段」の割合が他の年代や女性に比べて高くないにもかかわらず、〈貢献志向〉が低めで「(9)やる気が下がった」割合が高いという特徴がある。
男性20~30代には「(10)割り当てられた業務以上のことはなるべくやらない」傾向が比較的見られる。男性20代の結果からは「(3)会社やチーム」「(4)顧客や取引先・仕事相手」への貢献よりも自身の「(1)キャリアアップや成長」を重視していることもうかがえる。
女性では、20代で「(1)キャリアアップや成長」を重視、30~50代で〈成長・成果志向〉が低めだ。女性20~40代は〈割り切り志向〉が高めで、特に20代では「(10)割り当てられた業務以上のことはなるべくやらない」割合が高かった。
Q.あなたの仕事やキャリアについての考え方について、当てはまるものを選んでください。(各単一回答)
※「よくあてはまる」「まああてはまる」の合計割合をグラフ化(その他の選択肢は、「あまりあてはまらない」「まったくあてはまらない」「分からない・答えられない」)
Topic3.女性のほうが「やる気低下」の理由をたくさん挙げる。
やる気が下がった理由を性年代別のグラフにした。特徴的な傾向は次のとおりだ。
・女性40~50代は、「(1)評価や報酬が見合わない」「(3)昇給・昇進が期待できない」「(4)問題が改善されない」「(6)上司に不満」を挙げる割合が高い。
・女性30代もそれと似た傾向だが、「(10)プライベートな理由で余裕が無い」「(8)同じ作業の繰り返しでマンネリ化」が他の性年代に比べて高い。
・男性よりも女性のほうが高い項目が多い。やる気低下原因を明確に意識しているのかもしれない。
・男性が高めの項目は30~50代の「(2)会社の体質や企業風土」、50代の「(3)昇給・昇進が期待できない」。
・男性20代では「(8)同じ作業の繰り返しでマンネリ化」が比較的多く3番目の理由になっているが、男女ともに20代は上の年代に比べて各項目の回答が少なく特有の不満があまり表れていない。
・男女ともに30代以上で「(2)会社の体質や企業風土」「(4)問題が改善されない」「(5)業務量が多すぎ」という組織的課題が多く挙がる。
・Topic2でやる気低下傾向が比較的強かった男性30代は、「(2)会社の体質や企業風土」の割合が高く、1番の理由となっているが、他の性年代以上にやる気を低下させるような、彼ら特有の原因は見当たらない。
Q.あなたは「入社時は仕事にやる気があったが、今はやる気が下がった」について、「よくあてはまる」/「まああてはまる」と回答しましたが、それはなぜですか。(複数回答)
※全18項目のうち全体値の上位10項目を掲載、左から全体値が高い順、「やる気が下がった」人が対象、「分からない・答えられない」を選択した回答者を除く







DIME MAGAZINE
















