今の時代、SNS情報を前にしたときに必要となるのは「どのように見極める力を持つか」という情報リテラシーだ。では、人々はどのような理由でSNSの投資情報を信じてしまうのだろうか。
そこで今回、『ウェルネス総合投資アカデミー』は、過去1年以内にSNSで投資関連の投稿を見た経験がある20~40代の男女を対象に、「SNS投資詐欺に関する意識と対策」に関する調査を実施した。
約9割が怪しいSNSの投資を目にしたことがあると回答!どう見分ける?
はじめに、「SNSで『怪しい』『詐欺かも』と感じる投資に関する投稿を見たことがあるか」について尋ねたところ、約9割の人が『はい(86.5%)』と回答した。
SNS上には投資関連の情報が溢れており、その中で多くの人が詐欺の危険性を感じていることが明らかに。
投資詐欺の発信源が一般投稿や広告の形式を取ることも多く、日常的に目にする情報の中にリスクが潜んでいることを示唆している。
前問で『はい』と回答した人に「その投稿を怪しいと思った理由」について尋ねたところ、『「絶対儲かる」など断定的な表現があった(64.1%)』が最も多く、『有名人やインフルエンサーの名前を利用していた(50.3%)』『利益の数字が不自然に大きかった(44.8%)』と続いた。
確実性を強調する表現や、著名人の名前を借りた投稿が特に不信感を招いているようだ。強い誘導や誇張的なアピールは、投資経験に関係なく警戒の対象となっていることがうかがえる。
「SNS上の投資情報が正しいかどうかを見極める自信があるか」について尋ねたところ、約半数が『あまり自信がない(40.3%)』『全く自信がない(8.6%)』と回答した。
SNSの特性上、情報の真偽を確認する前に判断を下してしまうケースが起こりやすく、情報を精査する力の必要性が改めて示されたといえる。
約5人に1人が詐欺被害の経験あり。被害額や見分けるためのポイントはあるのか
「SNSの情報をきっかけに投資して詐欺被害にあった、または信じて損をした経験があるか」について尋ねたところ、2割以上の人が『はい(21.3%)』と回答した。
5人に1人の割合で被害経験者が存在することは、SNSを通じた投資行動が決して一部の例外ではないことを示している。特に短期間で成果を強調する投稿が被害につながりやすい傾向も考えられる。
前問で『はい』と回答した人に「被害経験者の損失額」について尋ねたところ、『5万円以上~10万円未満(22.8%)』が最も多く、『1万円以上~5万円未満(22.3%)』『1万円未満(19.1%)』が続いた。
金額に差はあるものの、被害に遭った人の中には精神的なショックや人間関係の損失を伴うケースも考えられる。金銭的損失だけでなく、情報を鵜呑みにするリスクへの注意も必要といえるだろう。
前問で『はい』と回答した人に「何を見極めておけばよかったか」について尋ねたところ、『利益の根拠や仕組み(45.1%)』『投稿者や紹介者の信頼性(43.7%)』『企業や運営者の実態(34.4%)』が上位に挙げられた。
投稿内容だけでなく、情報発信者や運営者の信頼性を見極める重要性が意識されているようだ。特に匿名性の高いSNSでは、誰が発信しているのかを確認する姿勢が被害防止の第一歩といえるだろう。
SNS発の投資情報をどう見抜く?身を守るカギは投資・金融リテラシー
「投資詐欺的なSNS投稿を信じてしまう要因」について尋ねたところ、『投資や金融に関する知識が不足していたから(57.4%)』が最も多く、『投稿やサイトの見た目が本物らしく感じられたから(45.0%)』『利益や実績の数字が提示され、信頼できると思ったから(34.7%)』と続いた。
知識不足や表面的な信頼性に惑わされる心理が働いていることがうかがえる。特にデザインや言葉の巧妙さが信頼の錯覚を生むケースもあり、知識不足と視覚的印象の掛け合わせが詐欺の成功要因になっていると考えられる。
「SNSの投資情報を『怪しい』と判断する決め手」について尋ねたところ、『「必ず儲かる」「絶対損しない」といった断定的な言い回しがある(54.6%)』『「今だけ」「限定」など過度に急かす雰囲気がある(48.6%)』『利益の根拠が不明確(42.2%)』が上位に挙げられた。
断定的な表現や過度な急かしが警戒要因として多く挙げられたことから、考える余地を奪う情報に本能的な不信を抱く傾向があると考えられる。
他にも利益の根拠が不明確である点も、内容より雰囲気から危険を察知していることを示している。
これは、詐欺的投稿が心理的圧力や時間的制限によって判断力を鈍らせる構造を持っているためといえるだろう。
逆に言えば、落ち着いて検証できる情報環境を整えることが、被害防止の第一歩となる可能性がある。
「投資や金融の知識を身につけることで詐欺にあう可能性を下げられると思うか」について尋ねたところ、約9割の方が『とてもそう思う(34.0%)』『そう思う(54.2%)』と回答した。
知識が備わることで、投資話の根拠を自分で検証できるようになるため、情報を鵜呑みにしにくくなると考えられる。投資教育の普及が被害防止の鍵を握るといえるだろう。
最後に、前問で『とてもそう思う』『ややそう思う』と回答した人に「正しい情報の見極め方を学べるコンテンツへの関心」を尋ねたところ、7割以上の人が『はい(72.4%)』と回答した。
SNS時代においては、個人が自ら学び、情報を選び取る力を養うことが求められている。教育的なアプローチや実践的なリテラシー講座への需要が高まっていることがうかがえた。
まとめ:SNS投資詐欺の拡大に警鐘。求められるのは「情報を見抜く力」
今回の調査で、SNSを通じた投資詐欺や誤情報の広がりが深刻化している実態が明らかになった。
約9割が投資関連の「怪しい投稿」を目にした経験があり、そのうち2割以上が実際に被害や損失を経験している。
特に「絶対儲かる」「今だけ」など断定的・煽動的な表現に対して警戒の声が集まったが、同時にそうした言葉に引き込まれてしまう心理的要因も浮かび上がった。
被害の背景には、投資や金融に関する知識不足や、投稿の見た目・構成から「本物らしさ」を感じてしまう認知の錯覚が関係していると考えられる。
詐欺的投稿は、時間的な焦りや希望を刺激することで判断を鈍らせる構造を持つため、冷静に考える余地を奪われやすい状況に陥りやすいといえるだろう。
一方で、多くの人が「金融知識を学ぶことで詐欺に遭う可能性を下げられる」と回答しており、正しい知識を得たいという意欲も高いことが示された。
知識を身につけることは、情報の真偽を自ら判断する力を高めるだけでなく、詐欺的な誘いを早い段階で見抜く防御策として機能する。
SNS上の情報は手軽で便利である反面、発信者の真偽や意図が見えにくいというリスクを常に伴う。したがって、投資に関する情報を受け取る際には「誰が」「どんな根拠で」発信しているのかを確認する姿勢が欠かせない。
今後は、より個人が主体的に学び、情報を選び取る力を養うことがより重要になると考えられる。
調査概要
「SNS投資詐欺に関する意識と対策」に関する調査
調査期間:2025年10月22日(水)~2025年10月23日(木)
調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
調査人数:1,008人
調査対象:調査回答時に20~40代の男女と回答したモニター
調査元:ウェルネス総合投資アカデミー
モニター提供元:PRIZMAリサーチ
関連情報
https://wellness-toushi.jp/
構成/Ara







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