内閣府の「令和7年版高齢社会白書」によると、2024年の65歳以上の人口は、3,624万人。総人口に占める65歳以上人口の割合(高齢化率)は29.3%で、今後も高齢化率の上昇が予想されている。
「老後も健康的に暮らしたい」。そんな想いを持つ人が増える今の世の中で、個人の健康維持のために注目されているのが「サプリメント」だ。
なかでも2025年4月に発売したファンケルの「ウェルエイジ プレミアム」は発売直後に話題となり、販売停止の末、2025年9月より一部店舗やオンラインで再販となっている。
「ウェルエイジ プレミアム」がなぜ売れたのか――その背景を、株式会社ファンケル マーケティング戦略統括オフィス 健康食品事業本部のウェルエイジ プレミアム担当である鈴木里佳子さんに伺った。
加齢により増える、やっかいな細胞を除去。ファンケル「ウェルエイジ プレミアム」

ファンケルの「ウェルエイジ プレミアム」は、機能性関与成分「キンミズヒキ由来アグリモール類」が加齢により増えるやっかいな細胞を除去し、疲れを感じやすい中高年の一時的な疲労感を軽減して活気・活力を維持する、機能性表示食品。
キンミズヒキは古くから日本を含む東アジアなどに生育する多年草で、古くから日本や中国でも生薬として使われてきたものだ。
加齢により増えるやっかいな細胞とは、細胞機能が低下し、増殖しなくなった細胞のこと。細胞機能が低下するだけでなく、周りの正常細胞の機能をも低下させると言われている。
ファンケルは2015年頃からキンミズヒキ由来アグリモール類の摂取による老化細胞に対する効果を検証し、2020年頃より商品化に向けてコンセプト作りや機能性表示食品の届出を実施。研究開始からは、約10年で販売に至った。
現在、キンミズヒキ由来アグリモール類配合の機能性表示食品は、ファンケルの「ウェルエイジ プレミアム」のみとなっている。

約10年と聞くと、長い年月に聞こえる。しかし薬ではなく「サプリメント」だからこそ、この早さで商品化できたと、鈴木さんは話す。
鈴木さん「老化細胞を除去するメカニズムは世界的にも研究がはじまっていましたが、今NMNが話題になっているように、年齢対策に注目が集まっているため、いち早くお客様に必要なものを研究してお届けすることを目指し、発売に至りました。もちろん安全性は最優先し、機能性表示食品の届出に必要なすべての試験を実施し、クリアしています」
購入者はターゲットと一致する50~60代で、最も多いのは50代。効果への期待から手に取る人が増え、4月の売り上げが計画比約400%を記録し、販売停止となった。
鈴木さん「さまざまな調査をする中で、年齢に伴う変化は『仕方ない』と受け入れる人が多い印象でした。その気持ちに対して『ウェルエイジ プレミアムなら、対策できるかもしれない』と期待を持っていただき、お客様の気持ちを動かすことができたと思います」
ファンケル全体のサプリメントの購入者のコア層は40~50代の女性。一方、「ウェルエイジ プレミアム」は発売当初の新規購入者の男女比は約56%:44%と、男性が多かったという。ウェルエイジ プレミアムの機能は幅広い人が関心を寄せるものだからこそ、ファンケルとしても顧客層を広げられる結果となったようだ。
鈴木さん「男性の新規購入者が多かったのは、ファンケルとしてはかなり珍しいことでした。また、中高年の購入者だけではなく、20?30代の購入者がいたことにも驚きました。健康意識の高まりは、幅広い世代に広がっていると実感しています」
継続して摂取するサプリメントは、安全性や品質が何より大切。アグリモール類を抽出するキンミズヒキの選定からこだわるなど、安全性には特に注力している。国内で抽出したキンミズヒキエキスの安全性については、ヒトでの安全性試験も実施しているそうだ。
ファンケルはサプリメント事業を30年以上継続しており、購入者のファンケルへの信頼も、今回販売停止するほど人気を集めた理由の一つだろう。
鈴木さん「機能性関与成分であるアグリモール類の量を一定にするためには、栽培からの管理が重要です。キンミズヒキの乾燥葉そのものは市場にも、一般的に流通されていますが、流通しているキンミズヒキ乾燥葉を分析してみると、含量がまばらであるなどの課題があり、一定の品質を保つのが難しい状況でした。
そのため、栽培農家を選定し、当社の基準に合うキンミズヒキのみを使用しております。収穫されたものは残留農薬の分析を実施。成分の含有量・成分のバランス・DNA検査を行い、キンミズヒキであることの確認も行っています。私も実際に現地に行って、栽培地や加工地を確認しています」
再販を求める声が続出。2025年11月から本格販売体制へ

購入できた人からは「疲れを感じにくくなった」や「翌日に持ち越さなくなった」などといった声が寄せられた。さらに継続したいのに「買えなくて残念」という口コミも目立っている。
サプリメントは継続が大切で、それを多くの人に届ける在庫を確保することが、目下の課題だ。2025年9月からは再販を開始したが一部チャネルのみで、2025年11月からは本格的な展開を予定している。
鈴木さん「弊社オンラインサイトでは定期便のみの販売でしたが、11月より1回のみの購入も再販できる予定となっています。
年齢を重ねると、やる気が出なかったり、制限を感じたりすることもあるかと思いますが、『ウェルエイジ プレミアム』を通して健康という土台を作り、お客様の人生を充実させたものにする、一助になれたらと思いますね」
高齢化社会において、はつらつと生きる上でのサポートに期待が寄せられているファンケルの「ウェルエイジ プレミアム」。
30日分(30粒)5,870円(税込)と、サプリメントとしてはややお高めだが、それが販売停止するほど人気というのは、「健康」に価値を感じる人が多いという表れだろう。高齢者割合の上昇は不可避だからこそ、最新の研究技術力を結集させた商品は、明るい日本の未来を照らす光になるのではないだろうか。
・ファンケル「ウェルエイジ プレミアム」
HP:https://www.fancl.co.jp/healthy/item/5523a/
取材・文/小浜みゆ
脚の疲れを翌日に残さない!男性用メディキュットが売れまくっている理由
最近「体力がもたない」、「パフォーマンスが良くない」ーーその原因は、もしかしたら「脚」かもしれない。 今、脚の不快感を解消するために、トレンドに敏感な男性が取り…
「770円で映える」〝ミニ化〟が加速する韓国コスメの売上が伸び続ける理由
日本とは違った発想で、ユニークな商品が次々と新登場する「韓国コスメ」。その人気は継続中で、ロフトでは現在、健康雑貨領域の売上シェアのうち、約26%が韓国コスメブ…







DIME MAGAZINE














