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日経平均が5万円を突破!それでも2026年は〝波乱の年〟になるといわれる理由

2025.11.13

2026年、投資家が直面する3つの想定シナリオ

シナリオ①:(楽観的)AIブームが継続し、米経済はソフトランディングに

AI関連投資が継続して企業業績を牽引し、インフレは順調に鈍化。FRBが利下げを継続し、景気後退を回避する最も理想的な展開である。この場合、株式市場は、ハイテク株を中心に力強い上昇を維持する「リスクオン相場」が続く、理想的な株高基調のシナリオとなる。

このシナリオでは、金利低下の恩恵を受けやすいAI関連のハイテク株が、引き続き市場全体を牽引し、S&P500やNASDAQといった主要株価指数が、史上最高値の更新を続ける算段である。ただし、この熱狂が続けば、先に見た米国の信用取引残高はさらに積み上がり、将来的なバブル崩壊の火種をより大きくすることにもなりかねない。

シナリオ②:(悲観的)地政学リスクが顕在化し、スタグフレーションも起こる

インフレが再燃し、経済は成長しないのに物価だけが上がる「スタグフレーション」に陥る最悪の展開である。さらに米中対立の激化など地政学リスクが顕在化し、市場は一気に「リスクオフ」ムードに転換。株式・債券ともに下落する厳しい投資環境へと一変する。

例えば、中東情勢の悪化で原油価格が再び1バレル100ドルを超える水準まで高騰したり、米中対立の激化によって関税合戦が始まり、輸入品の価格が上昇したりするケースだ。止まらないインフレを抑え込むため、FRBは高金利を維持せざるを得ない、あるいは市場の予想に反して「追加利上げ」に踏み切る。この高金利が、企業の業績を圧迫し、個人消費を冷え込ませ、経済を本格的なリセッション(景気後退)へと突き落とすのである。

こうした場合、危険水域まで高騰した米国の信用取引残高は一気に巻き戻され(解消され)、レバレッジをかけていた投資家の投げ売りが連鎖的な株価暴落を引き起こすだろう。さらに、サブプライム自動車ローンの破綻が金融セクター全体へと波及すれば、2008年の悪夢が再来するシナリオも現実味を帯びてくる。

シナリオ③:(現実的)インフレの継続と、投資資金のセクターローテーションが顕著に

インフレ率(物価上昇率)は緩やかに低下していくものの、FRBが目標とする水準にはなかなか届かない状態である。深刻な経済悪化(リセッション)は回避されつつも、市場全体としては大きな上昇も下落も起きない、いわゆる「横ばい(レンジ相場)」となるシナリオだ。

この場合、AIブームで過熱したハイテク株から、高金利に強い金融セクターや、景気の影響を受けにくいヘルスケア、生活必需品といったディフェンシブなセクターへと資金が移動する「セクターローテーション」が活発化していくであろう。

このシナリオでは、自動車サブプライムローンの問題などが金融セクターの重石となりつつも、システム全体を揺るがすまでには至らない。また、信用取引残高も高止まりしたまま市場のエネルギーを奪い、大きな上昇を抑制する一因となるだろう。 市場全体を大きく押し上げる力に欠けるため、日経平均やS&P500などは年間を通じて大きな上昇も下落もない展開が想定される。

2026年は「攻め」の年ではなく、「備え」の年であるという投資マインドを持ちたい

AIブームという強い追い風と、世界経済の構造的な不確実性が綱引きを続ける2026年は、特に、市場を揺さぶるニュースが頻発する可能性が高く、その都度、過度な悲観や楽観で売買を繰り返すのではなく、長期的な資産形成を目指しての投資を継続したい。

むしろ積立投資で毎月買い付けできる数量が多くできる「時間分散」の考え方を見失わないことが重要である。米国の信用取引残高のデータなどを定期的にチェックし、暴落の兆候をつかむようにしておくと、いざという時に慌てない。

2026年は、投資家の真価ひいてはビジネスパーソンがもつべき資質である「冷静に戦略と規律を守る力」がより問われているともいえる。

文/久我吉史

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金融・IT・ビジネス系の記者歴20年超で、現役のビジネスパーソンでもある”複業”記者です。最近のキャリアでは、持株会社での子会社リスク管理や投資M&A関連のリスク管理を行なうリスマネ部長を務めてます。  過去の金融機関や事業会社でのIT企画・経営企画の経験も活かし、”現役”品質と”部下に読んでほしい視点”を大切にした記事制作を心がけています。もちろん最近注目しているのはAI関連のリスクです。

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