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世界で最もクールな街・神保町で食べたいトラディショナルなお菓子4選

2025.11.16

古書店街に点在するトラディショナルなお菓子屋

イギリス発のシティガイドメディア「Time Out」。同メディアが例年発表している「世界で最もクールな街」ランキングの1位に東京・神保町が選ばれた。

実は私、普段は神保町に勤務している。特に街づくりに貢献しているわけではないのだが、このニュースを聞いたとき、どこか誇らしさすら覚えた。

Time Outの記事では、神保町の古書店、カレー、カフェなどがフィーチャされている。

…いや待ってほしい。神保町は、それにとどまらない魅力にあふれた街なのだ。本記事では、これまたその一端であるが、神保町がほこるトラディショナルなお菓子屋の一品を紹介していく。

実際に買い回ってきたので、妻に点ててもらったお抹茶とともに楽しもう。

(1)御菓子処 さゝま/「松葉最中」(160円)

御菓子処 さゝまは、昭和4年(1928年)開業の「ササマパン店」にルーツを持つ和菓子屋だ。駿河台下交差点からすぐの場所に位置する。神保町よしもと漫才劇場や、ラーメン二郎 神田神保町店というとピンと来る人は多いだろうか。

歴史を感じる店の雰囲気。といっても接客等はカジュアルで気張らずに入れる。

御菓子処 さゝまの逸品として紹介したいのは「松葉最中」。毎月ラインアップが変わる生菓子、干菓子もとっても美味しいのだが、今回は通年販売されている「松葉最中」の魅力を伝えたい。

こちらが松葉最中。見るからに品のいい佇まいだ。

松葉最中の魅力は、薄く滑らかな最中と、たっぷり詰められたあんこ。一般に、「しける」という欠点を抱えた最中だが、御菓子処 さゝまの松葉最中にそれはない。購入後時間が経ってしまっても、歯触りがよく、スッとほぐれ、口の中でねっちりとしたあんこと溶け混じり合う。

こし餡が詰まった美しい断面。

1度食べると「最中」の概念が変わる。時折店先で松葉最中を食べている人を見かけるが、「その気持ち、わかるぞ~」と声をかけたくなるくらいだ。

(2)亀澤堂/「神田のかの字」(220円)

こちらも創業は1905年と、長い歴史を持つ和菓子屋。大正から昭和初期にかけては、全国にのれん分けした亀澤堂が数十軒もあったとか。

神保町交差点という抜群の立地。旅行客でもすぐにたどり着けると思う。

ちなみに、今回紹介するのは「神田のかの字」だが、ほかに不動の人気商品としてどらやきと豆大福がある。それらも絶品なので、是非ご賞味いただきたい(どらやきは特に、夕方には売り切れてしまうことも多い)。季節ごとに登場する、抹茶、レモン、カボチャ、栗、焼き芋、ゆず、いちごといった変わり種の餡にも注目だ。

さて神田かの字は、大納言と栗餡の2種類をラインアップするお菓子。一見、パリッとした焼き菓子に餡が挟まれているタイプのお菓子に見えるが、実は皮はしっとり。どら焼きの皮を薄ーくしたものがイメージ近いと思う。

小ぶりなサイズだが、しっかり食べ応えがある。

白玉粉が入った餡は、ねっちりとしていて意外と個性派。栗餡も、栗をあえてペースト状にしないことで、粒々とした食感がいいアクセントになっている。お茶請けにいただくのにすごくいい。肩肘張りすぎない手土産に最適だ。

粒の残った栗餡。これがうまい。

(3)大丸やき茶房/「大丸やき」(180円)

神保町駅から徒歩1分。具体的な年数はわからなかったが、千代田区観光協会のWebサイトによると、明治にはすでに開業していたようだ。

そして、その当時からの名物が「大丸やき」。茶房というだけあって、大丸やき以外にもあんみつ、ぜんざい、かき氷、お抹茶などをイートインで楽しむこともできる。

趣のある外観。コンパクトな入り口だが、店内は奥行きがありテーブル席も用意されている。

大丸やきは、今川焼き(大判焼き/回転焼き)と似たビジュアル。しかし、かじるとその違いは明確だ。ふかふかとした今川焼きとは異なり、ずっしりみっちりとした生地で、人形焼のニュアンスに近い。

一つひとつパウチされている。そのおかげで1週間は日持ちするとか。

テイクアウトする場合、レンジで軽く温めると焼きたての状態を楽しめる。ただ筆者個人的には、冷めた状態のみっちりとした歯触りがとても好きだ。

中身は粒の存在感が強めのつぶあんで、これがまたいい。厚みのある生地としっとりかつ粒感のあるあんこ。幸福感のあるビジュアルだ。

見た目がそれを語っているが、当然のように味もすこぶるいい。

(4)橘昌 文銭堂/「神田もち」(700円)

神保町のすずらん通りに、立派な店舗を構える橘昌 文銭堂。公式インスタグラム(https://www.instagram.com/kanda.bunsendo/)のプロフィールを見ると、創業76年を迎えたようだ。

歩いていると思わず足が止まってしまう。ショーケースに美味しそうなお菓子がたくさん!

ここまで紹介してきた3店舗と比べると店内も広く、商品のラインアップも多い。その中でももっともキャッチーなのは「銭形平次最中」。銭形平次の投げ銭をモチーフにしたお菓子で、お土産にも映える。

そのほか、アニメ「邪神ちゃんドロップキック」で主人公の大好物として登場した「フレッシュムーン・フレッシュロマン」も販売している。これもまた注目だろう。

しかし今回推したいのは、神田もち。なぜかというと、ただ単純に美味しいからだ。

これが神田もち。きなこのかかった求肥に黒蜜をかけて食べる。

求肥に黒蜜。これを読んで「あー武田のあれね」と思う人は多いと思う。しかしそれは早計だ。一口食べればわかるが、神田もちの特徴は胡桃。求肥に黒糖と胡桃が練り込まれており、魅力的な香りと食感を生んでいる。

箱を開けて黒蜜をトロリと垂らし…食べる。うまい。1箱にしっかり量が入っているため、シェア前提で買うのがいいだろう。もちろん、独り占めするのもありだ。

パッケージには「冷やすとより一層おいしく~」のシールが。筆者的にも冷やしが推しだった。

文/関口大起(https://x.com/t_sekiguchi_

副業ライター。本業は某専門誌の副編集長。商社→制作会社→出版社と渡り歩いてきたキャリアと趣味の知識を活かし、多様なジャンルの記事を執筆。メインは、デジタルガジェットのレビュー、クリエイター(主に漫画家)/著名人へのインタビュー。そのほか、基幹システムの会報誌で取材・執筆を担当するなど、“お固め”の仕事も多数。夢は「このマンガがすごい!」の選者になること。コミックスは紙原理主義で、3000冊以上所有。日々収納場所の確保に格闘中。

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