いよいよ本格的な冬を迎えるが、物価高で頭を悩ますのが寒さ対策だ。楽天グループが運営するインターネット・ショッピングモール『楽天市場』は、ユーザーの購買行動分析データや一般消費者へのアンケート調査をもとに今冬に注目を集めそうな消費行動や商品をまとめた「楽天市場 2025年冬のトレンド予測」を発表した。それによればライフスタイルに合わせた「パーソナル寒さ対策」、年末に家と自分に行う「家チャージ・自分チャージ」、 トレンドグルメを手軽に楽しむ「おうち行列飯」という3つのテーマが注目だという。ここでは『楽天市場』の商品例と合わせて紹介していこう。
パーソナル寒さ対策で快適に冬を乗り切る
楽天が実施したアンケート調査では、今年の物価高について「気になる」と回答した人は約9割で「今年の冬は節約したい」と回答した人は約8割という高い数字だった。物価高以外に不安に感じる点としては、「電気代・ガス代など光熱費の高騰」がもっとも多く、「気象(寒さ・積雪など)」、「感染症の流行(インフルエンザ・新型コロナなど)」が上位だった。この結果からも冬の生活に経済的な負担面で不安を抱えている消費者が多いことがうかがえる。
光熱費を含む物価高が家計を圧迫していることもあり、今冬は寒さ対策グッズを購入する時に省エネがより求められることが予測される。『楽天市場』では、光熱費を抑えながら自分が過ごす空間だけを局所的に温められる寒さ対策や日常生活に効率的に温活を取り入れる「ながら温活」の商品に注目が集まっている。個人に合わせて最適化された「パーソナル寒さ対策」は、快適な冬を過ごすためのトレンドになりそうだ。
『楽天市場』では、光熱費を抑える効果が期待できる「省エネ防寒グッズ」の流通総額が伸長しており、窓や壁からの冷気を防いで住宅の断熱性を高める「断熱フィルム」や「冷気ガード」などは2024年の流通総額が前年比で約1.3倍に伸長している。
身の回りの行動範囲に限定して温められる「パーソナル暖房」もコスパと快適性が両立できるので注目を集めている。
足元専用の「ホットマット」は、2024年の流通総額が前年比約1.3倍、就寝時から日中の着用タイプまで幅広く使われている「電気毛布」は約1.2倍と需要が拡大している。
暑さ対策としても利用できる二刀流の防寒も注目で、冷温両用で使える「充電式カイロ」や「ランドセル用メッシュパッド」など通年利用できる多機能な防寒グッズも登場している。
今回の調査でも体を温める「温活」をしたいという回答は約7割で関心が高かったという。
日常生活に温活を取り入れる「ながら温活」にも約半数が「興味ある」と回答しており、温活をしたいシーンでは「仕事中」、「家事中」、「就寝中」がトップスリーに挙がった。
『楽天市場』では、仕事中に手や足を温めるヒーター機能付きの「デスクマット」や「マウスパッド」、キッチンで足元を温める「ホットキッチンマット」、就寝時に利用できる「着圧ソックス」や「腹巻」など・・・個人のライフスタイルにあった「ながら温活」を取り入れられる商品もそろっている。
ちなみに2024年の「ながら温活」関連商品の流通総額は前年比で約1.2倍と伸長しており、特に冬は前年比で約1.8 倍と拡大している。今年もさらに注目が高まると予測できる。
物価高の中でも「自分チャージ」を約4割が予定
今回の調査では、約6割が「今年は大容量パックやまとめ買いの購入が増えた」と回答しており、今冬に大容量パックやまとめ買いの購入を検討しているものでは日用消耗品や食品が上位だった。
その理由は「節約のため」だけでなく、「ストックがないと不安だから」や「買い物頻度が減り、効率的なため」など日常的に使用するものを意識的に補充して安心感を得るニーズと効率性を重視する傾向がみえる。
『楽天市場』でも日用消耗品の大容量パックやまとめ買い需要(家チャージ)が拡大しており、特に大容量タイプの「トイレットペーパー」は2024年12月から2025年2月の流通総額が前年同期比で約2倍、「ティッシュペーパー」は約1.5倍、「歯ブラシ」のまとめ買いは約1.4倍に伸長しているという。
大容量やまとめ買いによる日用消耗品の計画的な補充は、ブラックフライデーや年末商戦などでも関心が高いことが予測される。
節約志向が続く傾向は強いが、『楽天市場』では年末に自分へのご褒美である「自分チャージ」として嗜好品の需要が高まっており、自分へのご褒美を約4割が購入予定と回答している。
『楽天市場』では、2024年12月から2025年2月にパジャマの流通総額が前年同期比で約1.3倍に伸長しており、特に肌触りの良いものや機能性の高い高価格帯のパジャマの人気が高い。
楽天が運営するファッション通販サイト『Rakuten Fashion』では2万円から5万円のバッグを中心に需要が高まるなど生活の質を高める商品への購買行動も今冬の特徴といえそうだ。
人気のグルメは並ばずに「おうち行列飯」で堪能
今年の冬は「食費の節約を心掛けている(外食を控え自炊をするなど)」という回答が半数以上だったが、今冬に自宅での食事を「より充実させたい」、「より楽しみたい」と回答した人も約7割だった。
「行列に並ばずに人気グルメを自宅で楽しみたい」と半数以上が回答しており、自宅で楽しみたい行列グルメとして「生ドーナツ」、「韓国料理」、「麻辣湯」、「タコス」などが挙がっている。外食を控える中でも、自宅で手軽に行列グルメを楽しみたいというニーズは高そうだ。
『楽天市場』では、街でも行列ができるなどトレンドとなっている「生ドーナツ」やハワイ発祥の揚げドーナツ「マラサダ」の売れ行きが好調だ。「生ドーナツ」は2024年の年間流通総額が前年比約1.2倍、「マラサダ」は約2倍に伸長。
今年は、「麻辣湯」の2025年1月~8月の流通総額が前年同期比で約13倍、「韓国パン」が約3倍、「タコス」が約1.2倍と伸長しており、年末年始の自宅での集まりや寒い時期に温かい食事を楽しむニーズなどから需要がさらに伸びることが予測される。
今冬は、物価高で節約志向が高まり、まとめ買いや効率良く生活するための寒さ対策が人気を集めているようだ。その一方でQOLのために自分へのご褒美を検討している人も一定数いることもわかった。
節約するところと贅沢するところのメリハリは、今冬を快適に過ごすためのポイントになりそうだ。
構成/KUMU







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