大阪万博も大きな注目を集めたが、大阪府の住宅事情はどうなっているのか。
リクルートが運営するニュースサイト『SUUMO ジャーナル(スーモジャーナル)』は、住まいや暮らしに関するさまざまなテーマについて調査をしているが、「梅田駅まで30分圏内(近接駅から梅田駅に徒歩で行くルートも含める)」にある駅のうち、中古マンション(専有面積50平米以上~80平米未満)の価格相場が安い駅についてのランキングを公開した。
梅田駅は、大阪メトロ御堂筋線が通っているほか、JR大阪駅、阪急電鉄と阪神電鉄の大阪梅田駅、大阪メトロの谷町線・東梅田駅と四つ橋線・西梅田駅、JR東西線の北新地駅が密集している大阪の路線の中心といえる場所だ。
1位は寝屋川駅! 梅田駅の30分圏内でも価格相場が4分の1以下!
梅田駅の中古マンションの価格相場は8985万円だが、今回の調査で価格相場がもっとも安い京阪本線・寝屋川市駅は、梅田駅の4分の1以下の1900万円だった。
今回の調査の1位になった寝屋川市駅は、大阪府寝屋川市に位置し、京阪本線の通勤快急で淀屋橋駅に出て大阪メトロ御堂筋線に乗り換えると梅田駅までは約25分で到着できる。
人口22万人以上の寝屋川市を代表する駅で、2025年5月には駅前に新市庁舎がオープンしている。以前は駅から徒歩10分ほど離れた本庁舎で受け付けていた住民票などの証明書発行、戸籍や健康保険の手続き、乳幼児健診など子ども関連窓口といった機能が駅前に集約されて利用しやすくなった。
駅の南口1階にはパスポートセンターがあり、駅東口のペデストリアンデッキと直結するショッピングモールには市立中央図書館が併設されている。駅周辺で行政サービスが受けられる環境は住みやすそうだ。
東口前には市内でもっとも古い商店街、西口側には総延長約250mに80店舗が軒を連ねる商店街が広がっており、買い物をする環境も整っているといえる。
2位は、兵庫県尼崎市の阪神本線・尼崎センタープール前駅が価格相場1998万円でランクイン。
阪神本線の普通列車で尼崎駅に出てから、区間急行に乗り換えて大阪梅田駅へ行き、そこから徒歩で梅田駅に向かうと所要時間は約22分だ。尼崎センタープール前駅北側は、競艇場の敷地をはさんで住宅街や小・中学校があり、南側は住宅街の先に阪神高速の高架道、その向こうには家電量販店やホームセンター、子ども用品店や飲食店が集まったショッピングモールがある。
南側の物流倉庫や工場が並ぶ臨海部を抜ければ大阪湾が広がっている。湾岸には、大型遊具で遊べる広場、波のプールやスライダーを備えた夏季オープンのウォーターパーク、冬季限定のアイススケート場などの施設があるので家族でも楽しみやすい。
3位は、兵庫県伊丹市にあるJR福知山線・北伊丹駅で価格相場は2105万円。
4駅先の尼崎駅からJR東海道本線を利用し、大阪駅から歩けば梅田駅まで約26分で到着できる。駅前には展望広場や水遊びエリアを備えた公園はあるが、主に工場地帯で住宅街はその周囲に広がっている。
工場地帯と住宅街の間にはホームセンターや家電量販店があり、スーパーは住宅が多いエリアに点在している。電車で1駅、車なら5分ほどの伊丹駅周辺に行けば映画館を備えたショッピングモールもある。北伊丹駅から車で約10分で「大阪国際空港」に行くことができ、駅周辺でも空港に離着陸する旅客機がよく見える。
5位以下では価格相場2000万円台の「穴場の街」もトップ20入り

5位以降にも価格相場2000万円台の駅が並んだ。注目は、5位の阪神本線・千船駅と20位の阪神本線・尼崎駅。どちらも梅田駅までの所要時間がトップ20では最短となる約12分で乗り換えせずに行くことができる。
5位の千船駅は、大阪市西淀川区に位置し、価格相場は2180万円。
梅田駅までは阪神本線の区間急行で大阪梅田駅に出て、そこから歩くと約12分で到着できる。駅周辺は、スーパーやドラッグストアや100円ショップなどを備えた駅高架下の商業施設が利用でき、コンビニや飲食店、小・中学校や幼稚園などもあるのでコンパクトな暮らしができそうだ。
左門殿川と神崎川を渡ってすぐの場所には、スーパーとホームセンターがあり、どちらも千船駅から歩いて15分ほどで行くことが可能だ。
千船駅から大阪梅田駅とは逆方面に向かって3駅目にあるのが、兵庫県尼崎市に位置する20位の阪神本線・尼崎駅。
阪神本線の直通特急に乗ると大阪梅田駅まで1駅・約8分、そこから梅田駅まで歩くと所要時間は約12分だ。
阪神本線のほかにJR東海道本線にも同名の「尼崎駅」もあるが、このふたつの駅は歩くと35分ほど離れている。価格相場は阪神本線・尼崎駅が2785万円に対して、JR東海道本線の尼崎駅は3885万円なので、物件を探す時はふたつの駅を混同しないようにしよう。
阪神本線・尼崎駅は「SUUMO 住みたい街ランキング2025 関西版」の「交通利便性や生活利便性が高いのに家賃や物件価格が割安なイメージがある駅」を選ぶ「穴場な街(駅)ランキング」部門でも6位にランクインしている。
駅の西改札は商業施設に直結し、スーパーやフード&グルメ店や書店などにすぐアクセスできるので便利に買い物ができる。駅の北側には2025年3月にリニューアルした中央公園が広がり、その東側のバスターミナル上部の2階部分は空中広場になっている。
空中広場から続く立体歩道を進むとショッピングモールやコンサートホールを備えた市の文化センターがあり、中央公園の西側は約1kmも続く名物のアーケード商店街もある。さまざまな施設がある暮らしやすい街並みで、梅田エリアまで電車で10分少々という立地ながら中古マンションの価格相場は梅田駅(8985万円)の3分の1以下。まさに「穴場な街」といえるエリアだ。
「梅田駅まで30分以内・中古マンションの価格相場の安い駅ランキング2025年」概要
調査対象駅:『SUUMO』に掲載されている梅田駅まで電車で30分圏内の駅(掲載物件が20件以上ある駅に限る)
調査対象物件:駅徒歩15分圏内、物件価格相場3億円以下、築年数40年未満、敷地権利は所有権のみ、専有面積50平米以上80平米未満
データ抽出期間:2025年1月~2025年6月
物件相場の算出方法:上記期間で『SUUMO』に掲載された中古マンション価格から中央値を算出
所要時間の算出方法:駅探の「駅探」サービスを使用し、朝7時30分~9時の検索結果から算出(2025年6月23日時点)。
所要時間は該当時間帯で一番早いものを表示(乗換時間を含む)
※記載の分数は、駅内および駅間の徒歩移動分数を含む。駅名および沿線名は、『SUUMO』物件検索サイトで使用する名称を記載。ダイヤ改正などにより結果が変動する場合がある。乗換回数が2回までの駅を掲載。
https://suumo.jp/journal/2025/10/23/212530
構成/KUMU







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