2019年にソニーグループで設立され、IoTやDXプラットフォーム、MVNEサービス事業を行うミークは、2025年8月にミークモバイルを設立。新たにパッケージ型のMVNEサービス「MVNO as a Service」の提供開始を発表した。
パッケージ型MVNE「MVNO as a Service」とは
消費者にとって聞き馴染みがあるのは、MVNEではなく、MVNOだろう。まずは、MVNEとはどのようなサービスかについても簡単に触れながら、ミークモバイルの新サービスについて咀嚼していこう。
■MVNOとMVNEの違い
我々にも馴染み深くなってきたMVNOは、いわゆる「格安SIM」とも呼ばれるサービスを運営する事業者を指す。通信キャリア(MNO)から回線網を借り受け、通信サービスを提供している。
通信キャリアの回線網を使用していることから、MVNOは自社で設備のメンテナンスを行う必要がない。そのため、通信キャリアの料金プランと比較すると、基本料が安価であることが多いことが、格安SIMと呼ばれる所以だ。
一方MVNEは、上述したMVNO事業者をサポートするような立ち位置となる。MVNOの代わりに、通信キャリアからまとめて回線を借り受け、MVNOに分配する形で提供している。MVNO事業者に対し、技術やノウハウを提供できるのが1つのメリットだ。
【参照】ミーク コラム MVNEをわかりやすく解説!MVNOとの違いやMVNEの選び方も紹介
■「MVNO as a Service」の特徴
ミークモバイルが新たに提供する「MVNO as a Service」は、MVNEのサービスをパッケージ化しているのが大きな特徴となる。ミークが従来提供しているMVNEサービスでは、総務省への届出や顧客管理のシステム開発などを、MVNO事業者が行う必要があるため、ある程度の知見が求められることが1つのハードルになっている。MVNO事業者が、料金プランの内容を柔軟に設定できるメリットはあるが、サービスの提供開始までに半年ほどの時間を有するのも課題とされている。
「MVNO as a Service」では、消費者からの申し込みやSIMの配送など、通信サービスに関するサポートをワンストップで担当することで、新たにMVNO事業に参入する企業の負担を大きく減らし、構想から3ヶ月までサービス提供開始時期を短縮できるという。MVNOに新規参入する事業者は、ポイントやクーポン等の付与や、販売促進に注力できる。
代わりに、月額料金や事務手数料などは、ミークモバイルが設定した金額となるため、柔軟性は損なわれるが、通信関連のノウハウを持たない企業も、新たにMVNO事業に参入しやすくなる。システムの保守、運用に加え、課金やサービス管理といった人員も、MVNO事業者が自社で抱える必要がなくなる。
すでにサービス開始当初の料金プランは決まっており、4GB/980円の小容量プランから、57GB/3980円の大容量プランまで、計5つを用意。MVNO事業者によっては、5つのうちからいくつかをピックアップして提供される可能性もある。事務手数料は具体的に公表されていないが、一般的なMVNOと同程度になるとのことだ。







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