気になるバッテリー性能は?
■バッテリー性能は薄さとトレードオフだが
iPhone Airは、iPhone 17シリーズと比べると、最もバッテリー持続時間が短く、公称値ではビデオ再生が最大27時間、ビデオのストリーミング再生が最大22時間となっている。
筆者はiPhone Airをメイン端末とし、移動時に動画を見る、メールやSNSをチェックするのに加え、取材中にインターネット共有(テザリング)をするといった使い方が多い。体感としては、往復の電車移動、取材中と合わせ、日中はバッテリーがなんとか持つようなイメージで、フル充電で家を出ると、帰宅時にはバッテリー残量が20%前後であることが多い。
テザリングにも使っていることを考えると、バッテリーは購入前の想像よりも持ち堪えている印象で、さほど問題は感じていないが、これは筆者がスマホを使い分けているからでもある。カメラ機能などを多用する場合は、物足りなさを感じることもあるだろう。スマホは基本1台しか持たず、日中に充電できない環境にいる人、屋外にいる時間が長い人は、素直にバッテリー持続時間が長いモデルを選択するべきだろう。
また、現在はバッテリーの最大容量が100%であるため、なんとか道中に充電しなくて済んでいるが、数年間iPhone Airを使い続け、バッテリー最大容量が減っていくことで、どんどん使いにくくなっていく可能性もある。こちらも、充電環境が整っていれば大きな問題にはならないが、どれだけiPhone Airを使っていくのかも、あらかじめ念頭に置いておくべきだろう。
■バッテリーよりも気になる本体の発熱
個人的に、バッテリーよりも気になったのが本体の発熱だ。メールチェックや動画再生程度であれば問題ないが、ゲームアプリ等をプレイしていると、カメラ付近がかなり熱を持つ。
特に熱くなるのはカメラ付近であり、スマホを使っていて触る部分ではないため、使いにくくなるというものではないが、本体が熱を持つと、それだけバッテリーの消費が速くなっていく点も無視できない。最近は涼しくなってきているが、夏場の運用は、少々不安に感じている。
薄さ、軽さは正義だと思わされる本体デザイン
iPhone Airの懸念点を中心に使用感を紹介してきたが、実際に使っていて感じるそのほかのメリットについても触れておきたい。
最大の特徴は、言わずもがな本体の薄さ、軽さになる。最薄部は5.64mm、質量165gと、公称値だけでもインパクトのある数字だが、実際に持ってみると、数字以上に感動してしまった。
筆者は毎年iPhoneのProモデルを買い替えており、今年もiPhone 16 ProからiPhone 17 Proへと移行済みなのだが、レビュー用の貸出機で試しているうちに、iPhone Airの扱いやすさに感銘を受けてしまい、追加で購入に至っている。iPhoneを2台購入することを推奨するわけではないが、それだけ普段使いにおいて、圧倒的な使いやすさだと感じている。
薄いボディは、持った時の感覚だけでなく、ポケットへの収まりがいいのも魅力。スキニーパンツのポケットや、Yシャツの胸ポケットにもしまいやすい。カメラの突起があるため、結局薄くないという意見も見かけるが、操作する際に厚い部分を持つことは基本的にないため、しっかりと薄さの恩恵を享受できる。
軽さという意味では、文字入力やゲームがしやすいのはもちろん、長時間操作でも手首が疲れにくいのが大きなメリットだ。通勤時間に動画を見るといった使い方をするのであれば、軽さは大きな武器となる。
■6.5インチディスプレイの使い勝手も良好
iPhone Airのディスプレイは6.5インチ。iPhone 17とiPhone 17 Proが6.3インチ、iPhone 17 Pro Maxは6.9インチであることから、中途半端なサイズではないかという見方もできる。
個人的には、6.5インチという画面サイズは、絶妙だと感じている。やや大きめではあるが、本体が薄く軽いおかげで、操作性の悪さを感じることはほぼない。本体を握り込むために使う面積が少ないため、親指をグイッと伸ばせば、画面の端までしっかりと届く(あくまで筆者の場合だが)。これ以上大きいと、タッチしにくい場所が生まれ、逆に小さいと、搭載できるバッテリー容量はさらに小さくなるため、使い勝手が悪くなる。
iPhone 13シリーズ以降、新製品が登場していないminiシリーズのユーザーには、コンパクトで操作性のいいiPhoneを待ち焦がれている人もいるだろう。縦横幅はminiシリーズとかけ離れているものの、本体の軽さや操作性のよさを求めているのであれば、iPhone Airへの機種変更は、検討に値するだろう。
また、iPhone 17シリーズより、同時に発売された4モデル全てが、Super Retina XDRディスプレイを搭載し、最大120Hzリフレッシュレートや常時表示ディスプレイに対応したのも、大きなポイントだ。特に動画視聴などが快適になるため、無印やmini、Plusといったモデルからの買い替えも十分おすすめできる。
懸念点を中心に紹介してきたため、使用感の不満にフォーカスしてしまったが、個人的には、購入時の印象通り、細かい仕様が気にならないほど、薄くて軽いことが大きなメリットだと感じている。兎にも角にも、一度実機に触り、感動を覚えるか否かが、iPhone Airが気にいるかどうかの分かれ目なのだろう。
取材・文/佐藤文彦
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