シャープの主力スタンダードモデル「AQUOS sense」シリーズは、今回で10機種目となる「AQUOS sense10」を発表した。本機は「日常を、ひとつ上の体験へ」を開発コンセプトに掲げ、「ハイエンド級のスペック」「誰でも簡単に使えるAI」「個性を引き立てるデザイン」の3点を軸に大幅な進化を遂げています。
この記事では、AQUOS sense10が実現した主要な特徴と、それらがユーザー体験にどのように貢献するかを解説していく。
クラス越えの基本性能と長期の安心サポート
AQUOS sense10は、ミドルクラスでありながら、フラッグシップ級の快適さを提供する高性能な基盤を備えている。
■進化したプロセッサーとスムーズな操作性
チップセットにはクアルコム社製のミドルハイクラスSoCであるSnapdragon 7s Gen 3を搭載。これにより、前モデル(AQUOS sense9)と比較して、CPU性能が約20%、GPU性能が約40%、AI性能が約30%向上した。さらに、省電力性が12%改善している。
スタンダードモデルと位置付けられるAQUOS senseだが、チップセットの性能に加え、6GB、ないし8GBのメモリを搭載することで、操作感は非常にスムーズ。短い時間触った感触ではあるが、多くの人が満足できるスペックであると感じている。
■屋外でも見やすいPro IGZO OLEDと優れた電池持ち
ディスプレイには、6.1インチのPro IGZO OLEDを採用している。最大240Hz相当のなめらかな表示と省電力を両立。また、ピーク輝度2000ニトの高輝度設計により、明るい屋外でも日差しに負けず、高い視認性を確保している。
senseシリーズのこだわりである電池持ちも健在で、5000mAhの大容量バッテリーを搭載。省電力ディスプレイと高効率SoCの組み合わせにより、1日10時間の利用を想定しても約2日間しっかりと楽しめる電池持ちを実現している。また、大容量バッテリーながらもわずか166gという軽量ボディを実現しており、携帯性との両立が嬉しいポイントだ。
さらに、AQUOS sense10は長期利用を見据えたサポート体制を確立しており、発売時から最新のAndroid 16を搭載するほか、最大3回のOSバージョンアップと5年間のセキュリティアップデートが予定されている。
コミュニケーションを革新するAI機能
AQUOS sense10のAIは、カメラ、通話にユニークな新機能を搭載している。
■AI通話機能「Vocalist(ボーカリスト)」
最大の特徴的な進化の一つが、AI通話機能「Vocalist(ボーカリスト)」。ユーザーの声を事前に登録・分析させることで、周囲の雑音や他の人の声をリアルタイムでカットし、自分の声だけをクリアに相手に届けることができる。
従来のノイズカット機能と異なり、「自分の声だけを通す」という珍しい仕組みを採用しており、人混みや車の音といった騒音下でも会話が途切れることなく、通話に集中できる驚きの体験を提供する。この機能は標準通話だけでなく、リモート会議アプリなどでも利用できる。
通話機能というわけはないが、スピーカーには、シリーズとして初めてデュアルBOXスピーカーを上下に搭載したのも特徴だ。低音を増強し、不要な振動を抑えることで、体感音量がAQUOS sense9との比較で約1.3倍にアップし(体感音圧約25%向上)、低音域の音圧は約2倍(音楽再生時約85%向上)になった。聴き比べると、確かに音の厚みが増しているように感じられる。
■写真に映り込む影や反射の悩みをAIが解決
写真撮影時に利用できるAI機能としては、料理やテキストを撮影する際、照明の影が写り込むのをAIが自動で除去できる。これにより、照明の位置を気にせず、好きな構図で撮影することが可能となる。
影の除去機能は、AQUOS R10にも搭載されているため、AQUOSシリーズとして初めてではないが、新たに書類の台形補正機能も追加されている。そのため、影や角度を気にせずに書類の写真を撮影しても、影が除去され、角度の補正されたデータとして保存できる。
ガラスの反射軽減(ショーケースモード)も便利な新機能。水族館やショーケース越しの撮影時に、ガラスへの映り込みや反射を軽減する機能で、編集作業なしでクリアな写真に仕上がる。
カメラスペックとしては、約5030万画素の標準カメラは、AQUOS R10譲りの1/1.55インチ大型センサーと光学式手ブレ補正(OIS)を搭載している。新画質エンジン「ProPix」が大幅に進化し、夜景やHDR撮影時の合成処理情報量が従来比2倍以上となり、夜景でもノイズを抑えた明るい写真を、ディテール感をしっかり残して撮影できる。
さらに、プロフォトグラファー監修の8種類のPHOTO STYLEフィルター(夕映え、モノクローム、平成POPなど)が搭載され、何気ない瞬間をお手軽に本格的な写真表現で彩ることができる。
インカメラも約3200万画素と高性能で、カメラに手のひらを向けるだけで自撮りができる「手のひら撮影」にも対応した。
■個性を引き立てるデザインと耐久性
デザイン面では、「個性を引き立てるデザイン」を軸に、ファッションとリンクするカラーバリエーションが展開されている。
「miyake design」監修による高品位なデザインは、頑丈かつ上質なアルミ筐体を採用。ファッションに着想を得た6色のカラーバリエーションを展開しており、「Casual(デニムネイビー、カーキグリーン)」「Kireime(ペールピンク、ペールミント)」「Basic(フルブラック、ライトシルバー)」の3つのスタイルに分けられている。プロモーションカラーはデニムネイビーとなる。
また、本体カラーに合わせた純正ケースに加え、日本のクラフトブランド(SPINGLE、BLUE SAKURA、児島ジーンズなど)とコラボレーションした特別ケースも登場。本体サイズが変わらないため、前モデルのAQUOS sense9とケースを使い回すことも可能だ。
機能面では、MIL規格準拠の耐久性とIPX5/8の防水・IP6Xの防塵に対応しています。泡ハンドソープやアルコール除菌シート(エタノール70%)で拭くことが可能なため、衛生的に安心して利用できる点も日常使いにおけるメリットだろう。
スマホに大画面やゲームをさくさくこなせる超高性能を求める人には合わないだろうが、コンパクトで持ちやすいサイズ感、優秀なバッテリー性能、ユニークなAI機能など、多くの人が満足いく性能を過不足なく揃えられているのが、AQUOS sense10の大きな魅力だ。
取材・文/佐藤文彦
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