マクラーレンは、4リッターV8ツインターボエンジン搭載の後輪駆動グランドツーリングカー「GTS」の魅力をさらに研ぎ澄ませたモデル、「GTS Signature Collection」を日本市場限定で導入することを発表した。
22台限定で作られた特別なモデル
機能性とハイパフォーマンス、そして日常での常用性が高次元で融合したGTSをベースに、22台限定で作り上げられるこの特別なモデルには、マクラーレンの本拠地である英国ウォーキングのマクラーレン・テクノロジー・センター(MTC)の建築デザインに込められた哲学、および科学と自然の調和にインスピレーションを得た、4種のテーマが用意される。
香港国際空港や東京のセンチュリータワーなどの作品で知られるノーマン・フォスター卿によって設計されたMTCは、通常の建築物とは一線を画する存在。そのデザインの本質は「バランス」と「調和」にある。上空から見ると、建物と湖は陰陽をモチーフとする完全な円を描いている。
この形はデザイン化され、すべてのマクラーレン・モデルのインフォテイメントシステムのホームボタンに採用されている。
建物とこの隣接する湖の形状はバランスと調和を表現しているだけでなく、この大量の水はヒートエクスチェンジャーを介して社屋のエアコンディショニングや風洞実験から発生する大量の熱の放出に寄与するなど、デザインと機能性をも兼ね備えている。
また内部構造もそれぞれの業務部門の自立性を保ちつつ、協調を促すように動線を計算されている。すべてのデザインは意味と機能を持つというマクラーレンの思想を色濃く反映しており、完成後20年以上が経過したいまも変わらぬモダーンさを維持している。
GTS Signature Collectionは、MTCに込められたユニークな設計概念と、マクラーレンのヒストリーから得たインスピレーションを、GTSに反映したモデル。GTSもまたパフォーマンスと日常性を調和させたモデルであり、MTCの思想を投影するには最適なベースであった。
4つのテーマはそれぞれ独自のMSOビスポーク・コンテンツを持ち、ボディカラーからユニークなインテリアに至るまで、この象徴的なマクラーレン本拠地へのオマージュを表現している。また、建物全体を貫く光と影のコントラストも、この4種のGTS Signature Collectionに共通して影響を与えている美意識となっている。
エクステリアは、4テーマを通して意図的に控え目な仕立てとされるが、ボディカラーはこの限定モデルのために開発され、それらひとつひとつに、MTCと関係するユニークなストーリーがある。2色が用意されるホイールも、GTSで採用されるのは初めてのカラーとなる。加えてミラーハウジングには、MTCをモチーフに使用した繊細なパターンがあしらわれ、ドライバーが車に近づく瞬間からこの特別なモデルのデザイン哲学を感じ取ることができる。
一方インテリアでは、MTCとのつながりをさらに深め、建物デザインから抽出した造形が随所に配される。ヘッドレストには、インフォテイメントボタンにも使用されているMTCロゴが、シート地に馴染むように刺繍されている。助手席側ダッシュボードのフェイシアプレートでは、MTCの側面シルエットがバックライトによって美しく浮かび上がる。ドア内張のフェイシアプレートに目を向けると、MTCの設計図面から俯瞰図の一部を切り取ってデザイン化したものが、同系色のトーナルスティッチとして縫い込まれている。まさにディテールに至るまでマクラーレンの“ホーム”を感じさせる仕上がりとなっている。
GTS Signature Collectionの4つのコーディネートテーマ
■Howthorn(ホーソーン)
MTC(マクラーレン・テクノロジー・センター)の豊かな自然環境から着想を得たこのテーマは、キャンパス周辺に群生するホーソーン(サンザシ)の木にちなんで名づけられた。深みのあるグリーンメタリックの「ホーソーン」は、マクラーレンの哲学を形づくる環境そのものを想起させる。このビスポーク塗装は、ディープブラックに鮮やかなグリーンのペイントエフェクトを重ね合わせた特別なものとなる。さらに、サテン仕上げのGTシルバー10スポークタービン鍛造アロイホイールとグラファイトグレーのブレーキキャリパーを組み合わせている。インテリアには、トーナルコントラストスティッチが印象的な、特注のアーモンドホワイト・セミアニリンレザーが採用されている。
■Paragon(パラゴン)
この仕様は、MTCブルバードに敷き詰められたタイルからインスピレーションを得ている。「パラゴン・ブラック」ペイントは、シルバーメタリックフレークによる煌めく仕上げが特徴で、MTC建設時のプロジェクト名「パラゴン」にちなんで命名された。サテン仕上げのGTシルバー・タービン鍛造ホイールとグラファイトグレーのキャリパーは、MTC建築に見られる金属構造の美しさが表現されている。アーモンドホワイト・セミアニリンレザーのインテリアとの対比により、外装デザインはMTCを包む光と影のコントラストを想起させる。
■Rotunda(ロトンダ)
このテーマは、建物の地下階に広がる長く白い廊下と、そこへと通じる円形のエントランス(ロトンダ)から着想を得ている。「ロトンダ・ホワイト」ペイントは、ソリッドなオフホワイトカラーで、清潔感あふれる雰囲気を表現。ダークパラジウム仕上げのタービンホイールとグラファイトグレーのキャリパーが、建物内部のグレーのタイルの完璧さを想起させる。スコリアグレー・セミアニリンレザーにトーナルスティッチを施すことで、対称性と光と影の調和を一層際立たせている。
■Reflection(リフレクション)
リフレクションは、マクラーレン・テクノロジー・センターの象徴である美しい湖が、建物のガラスファサードに映り込む情景から着想を得たテーマ。「リフレクション・グリーン」ペイントは、シルバーメタリックフレークを含む独特の下地を持ち、水面に輝く陽光がMTCのガラス建築に反射する様を再現している。ボディカラーとの対比を強調するため、ホイールにはダークパラジウム仕上げを採用。インテリアには、スコリアグレー・セミアニリンレザーのシートにトーナルスティッチを施し、上質な仕立てを加えている。
このGTS Signature Collectionのすべての仕様には、MSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)による特別なデザイン要素と、厳選されたGTSの装備が融合した高水準のスペックが採用されている。
【エクステリア】
・MSOビスポークエクステリアペイント
・グラファイトグレー・ブレーキキャリパー
・ビスポーク・ミラーハウジングデザイン
・ステルスバッジパック
・GTSサイドバッジ
・スポーツエキゾースト+ナチュラルチタン・テールパイプ
・パノラミックプライバシーティンテッドガラスルーフ
・10スポークタービン鍛造アロイホイール
・スペシャルホイールフィニッシュ
・プライバシーガラス
【インテリア】
・ビスポークインテリア
・マクラーレン・オレンジのピンストライプ入りVCFパドル
・インテリアカラーに合わせたトーンコントラスト・スティッチ
・MTC刺繍ロゴ入りヘッドレスト
・MTCの俯瞰建築設計図をモチーフにした刺繍入りドアパネル
・MTCの側面建築設計図をモチーフにした助手席フェイシアプレート
・MTCエディション記念プレート(センターコンソール)
・マクラーレン・ブランディングアームレスト
・ジェットブラック・レザーステアリングホイール
【快適装備】
・ビスポークデザインキー
・プラクティカリティパック
・プレミアムパック
・ビークルリフト
関連情報:https://cars.mclaren.com/jp-ja/gts
構成/土屋嘉久







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