暗号資産で、私も一発あてて「不労所得」を得てみたい!と、魅力を感じる人は少なくないだろう。しかし、始めるには専門的な知識が必要だし、価格が大きく上下するのを見て一喜一憂するメンタルがもたないので、一歩踏み出せないという気持ちも頷ける。
かつては、専門家が巨大なデータセンターで行うのが主流だった「暗号資産マイニング」が、今、個人や中小企業の手に届く存在になった。「コンセントに挿すだけの超小型マイニングマシン」や、Webで契約するだけの「クラウドマイニング」など、手軽さをうたうサービスが浸透してきているのだ。マイニングによって利息収入を得るかのように、暗号資産を少しずつ獲得できるのは、まさに不労所得だ。
しかし、「本当に儲かるのだろうか。」「そもそも怪しい仕組みではないのか?」といった疑問が尽きない。そこで本記事では、基本原理から収益性のリアル、そしてビジネスパーソンとして知っておくべきリスクを解説しよう。
暗号資産マイニングとは、そもそも何か?
マイニングマシンやクラウドマイニングによって、なぜ稼げるのか?を理解するためには、暗号資産を形作る仕組みでるブロックチェーンのネットワークを支える役割を担っている点がポイントである。
1. まず、マイニングとは「取引の承認作業」である
暗号資産の取引は、銀行のような中央管理者が存在しない。
マイニングとは、取引台帳(ブロックチェーン)に新しい取引記録を追記する際、「その取引が正しいかどうか」を膨大な計算によって検証・承認する作業のことである。この計算競争に一番乗りで成功した者(マイナー)は、報酬として新しい暗号資産がもらえる仕組みである。
2.なぜ今、新しいマシンが登場したのか?従来のマイニングが抱える3つの課題
この重要な役割を担うマイニングを、ビジネスとして成立させるには大きな障壁があった。
課題(1):高額すぎる専用マシン(初期投資): ビットコインのマイニング専用の電子部品(ASIC)などは1台数百万円することも珍しくない。
課題(2):莫大な電気代と熱(ランニングコスト): マシンは膨大な電力を消費し、電気代の高い日本では採算が合わなくなることも
課題(3):専門知識が必要な設定と運用(参入障壁): マシンの設定や運用には高度な専門知識が必要
手軽に暗号資産を増やせる4つの選択肢
前パートで紹介した課題を克服でき、初心者でも始めやすい4つの方法を解説しよう。
○暗号資産マイニングなどの選択肢
1. 超小型ハードウェアマイニング(例:Web3 Maker)
スマホ充電器ほどのサイズのマイニング専用マシンを購入し、コンセントに挿すだけでマイニングを行なう。1台税込99,000円で購入できる。電気代がほぼかからず、法人・個人事業主は10万円未満であれば経費計上(即時償却)できる点が特長。物理的な「モノ」を所有することになるが、同サービスのようにデータセンターに預入できる場合もある。また、マイニングサービスを手掛ける業者が倒産した場合は報酬の受け取りやマイニング継続ができないリスクがある。
出典:Web3 Maker
2.クラウドマイニング(例:Genesis Mining)
自分でマイニングマシンを所有せず、企業などが手掛ける巨大なマイニングファームの計算能力の一部を、期間契約で「レンタル」する。約100米ドルほどあれば始められる。Webで契約するだけで始められるが、どのマシンが自分のために動いているか不透明で、過去には詐欺的なプロジェクトが横行した歴史もあり、また、(1)と同じく運営企業の倒産リスクもある。
3. 分散型物理インフラ(DePIN)への貢献(例:Helium)

無線ネットワークやデータストレージといった、特定の物理的なインフラを構築・提供するための専用ハードウェアを設置し、そのネットワークへの貢献度に応じて報酬(暗号資産)を得る。マイニングとは異なる形で、現実世界のインフラ構築に参加できる。一方、ハードウェアの調達が必要なので、4つの選択肢の中では一番ハードルが高い。
4.ステーキング

ハードウェアを一切使わず、保有している暗号資産をブロックチェーンのネットワークに預け入れ(ステーク)することで、銀行の利息のように報酬を得る。最も手軽だが、元手となる暗号資産を先に購入する必要があり、その元手から年あたり数%程度の報酬が得られる。「ゼロから資産を生み出す」マイニングとは性質が異なる。







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