家電やスマートフォンなどのデジタルガジェットは、生活必需品でありながらも時代を反映する。
今年は猛暑や米不足といった社会環境やライフスタイルの変化から大きく影響を受けたヒット商品が相次いだ。
本当に必要な機能を求めるメリハリ消費が進む
今年のヒット商品には、これまでと違った傾向があると、家電ライターの小口さんは分析する。
「デフレ時代の〝とにかくコスパ重視〟でもなく、コロナ給付金で発生した高級家電ブームでもなく、本当に必要な機能を見極めて選択する人が増え、それが売れ筋の商品にも表われています」
その傾向が顕著に見られるのが炊飯器だ。銘柄米をおいしく食べたいという以前からの欲求に加えて、備蓄米の放出などのニュースも、ハイエンドモデルの売れ行きにつながった。
「ドラム式洗濯乾燥機や、オーブンレンジなども、機能の〝全部入り〟ではなく、自分の使い方やライフスタイルに合ったモデルを選ぶ、いわゆるメリハリ消費が強まっています」
エアコンなどの猛暑対策製品、防犯カメラといった生命に関わるアイテムが売れているのも、メリハリ消費の表われだろう。家電の価格も原材料価格などの高騰から上昇傾向にあるため、このトレンドはしらばく続きそうだ。

家電ライター
小口 覺さん
SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名するなど、常に最新の家電トレンドを分析。年に1回おもしろ家電を表彰する「イグ家電大賞」も主宰する。
ヤマダホールディングスに聞くジャンル別ヒット商品BEST5
※価格はヤマダweb 2025年9月29日現在のものです

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取材・文/小口 覺 協力/ヤマダホールディングス 編集/寺田剛治
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