2025年10月16日に発売されたDIMEの『攻殻機動隊』特集では、1問1答形式による原作者のコメントをはじめ、歴代映像作品の主な監督の証言、クリエイターなどが抱く作品愛などについて紹介している。中でも、バトー役の大塚明夫さんとトグサ役の山寺宏一さんは〝『攻殻』ファン〟必読の内容。その一部を特別に紹介しよう。
バトー役/大塚明夫さん
1959年生まれ、東京都出身。『攻殻機動隊』シリーズ以外にも『ブラック・ジャック』シリーズのブラック・ジャック役、『ルパン三世』シリーズの次元大介役、『ONEPIECE』のマーシャル・D・ティーチ役など、出演したアニメの代表作は多数。洋画の吹き替えでは、スティーブン・セガール、ニコラス・ケイジなどを担当してきた。
トグサ役/山寺宏一さん
1961年生まれ、宮城県出身。『攻殻機動隊』シリーズをはじめ、『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズの加持リョウジ役や『ルパン三世』シリーズの銭形警部役など、実に多くの代表作がある。洋画の吹き替えでは、ジム・キャリーやウィル・スミスといった俳優を担当してきた。NHK朝ドラ『あんぱん』をはじめ、実写ドラマでも活躍中。
バトーとトグサの関係性は自分たちの間柄そのものだった
大塚 『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』への出演が決まった時、俺と山ちゃん(山寺宏一さん)、そしてあっちゃん(田中敦子さん)が呼ばれて、作品の世界観などについて解説してもらったよね?
山寺 「枝がつく(電脳や通信回線をハッキングされること)」の意味とかね。当時はまだ家庭にネットが普及していない時代だから。
大塚 「ネット」という言葉は、どういうイントネーションなのかすら、誰もわからなかったし(笑)。劇中で描かれる先進的なテクノロジーを理解するのは大変だったけど、バトーというキャラクターを演じることに関しては、頭を抱えるほどではなかったなぁ。もともと俺は、大柄の武闘派を任されることが多い声優だったし。
山寺 トグサについては、所帯持ちで生身の人間というバックボーンを含め、人物像がちゃんとセリフに落とし込まれていることを、台本からすごく感じ取りました。自信満々ではないけど、信念を持っていて正義感が強い。それを理解して声に出せばいいと。だから、そのことだけを心掛けましたね。
大塚 トグサは山ちゃんと同じように実直な男。泥くさいアプローチで事件の手掛かりを掴むこともあって、その行動の根底にある情熱や使命感に、公安9課の仲間も共鳴している。だからピンチの時は命がけで守るんだよ。
山寺 TVシリーズ『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX』( 以下『S.A.C.』)の第21話でトグサが負傷して入院した時、バトーだけ(敵を討とうと)ムキになるのがすごく印象に残っていますよ。
大塚 捜査から外されたことに腹を立てて「ふざけんなよ! 俺も麻取りの捜査だろうが!」というセリフね。俺自身、すごく怒った声を出したのを覚えているよ。
山寺 バトーが抱くトグサへの強い思いを感じるシーンですよね。「バトーが本気になるのは少佐かトグサなんだな」って。
大塚 ほぼ全身義体のバトーとしては、生身のトグサを「ステキだな」と、心のどこかで思っていたんじゃないかな。だからこそ信頼関係を築いていけた気がします。
山寺 トグサはバトーに何度も窮地を救ってもらいましたが、振り回されることも多かった(笑)。
大塚 『イノセンス』で一緒に暴力団の事務所へ聞き込みに行くんだけど、力技でねじ伏せるバトーに対してトグサが「撃たないって言ったじゃん!」って言うんだよね。あのシーンはすごく楽しみながら収録した記憶がありますね。
山寺 助けてもらったエピソードでは『S.A.C.』の最終話が印象に残っていますよ。追い詰められて自暴自棄になったトグサが、拳銃を握りしめてスタンドプレーをしそうになるんだけど、バトーが先回りして止めてくれる。
大塚 「バカだね、お前は」というセリフで諭すんだよね。
山寺 そのシーンの直前までトグサの長いモノローグがあって「~自分たちが信じる正義には一点の曇りなく殉じてきたつもりだ」というセリフが、僕は大好き。トグサのいろんな思いも相まって忘れられないです。同じモノローグで語られる「我々の間にチームプレーなどという都合のいい言い訳は存在しない~」というセリフもそう。『S.A.C.』のテーマであり、課長が話した言葉でもありますけど、それを言えたのは嬉しかった。
記事の内容を公開するのはここまで! このあとには、大塚さんと山寺さんの親しい間柄ならではのやりとりや、2024年に亡くなられた草薙素子役の田中敦子さんに関する話にも及んだ。『攻殻機動隊』シリーズの魅力についても熱く語ってくれている。続きはぜひ『DIME』最新号(2025年12月号/2025年10月16日発売)にて!
取材・文/浅原 聡 撮影/干川 修 編集/田尻健二郎
DIME最新号は豪華付録つき「攻殻機動隊」映像化30周年大特集!原作者・士郎正宗への一問一答、歴代監督&声優陣が集結
今月のDIMEは映像化30周年を記念した『攻殻機動隊』を大特集! 原作者・士郎正宗氏への一問一答をはじめ、歴代監督、バトー役・大塚明夫氏とトグサ役・山寺宏一氏のスペシャル対談など、作品のキーパーソンたちが集結。AI時代の行方からリーダーシップ、組織運営まで、未来を先取りしてきた『攻殻機動隊』から、現代のビジネスパーソンが学ぶべきヒントを探ります。
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