借金が返せなくなった、隣人との間でトラブルが発生した、詐欺に騙された……このような場合には、弁護士に依頼して解決を図ることが望ましいです。
弁護士に依頼する際には、弁護士費用を支払わなければなりません。手元にお金がないために、弁護士への依頼を諦めてしまう人もいます。
しかし、すぐに弁護士費用を支払うことが難しくても、弁護士に依頼する方法はあります。本記事で紹介する3つの方法を試してみてください。
1. お金がなくても弁護士に依頼する方法(1)|法テラスを利用する
お金がない人が弁護士に依頼する方法の1つ目は、法テラスを利用することです。
1-1. 法テラスとは
「法テラス(日本司法支援センター)」とは、市民と法専門家の距離を近づけるために設立された公的機関です。全国各地に法テラスの地方事務所が設置されています。
1-2. 法テラスのサービス|3回の無料法律相談と弁護士費用の立替払い
法テラスは、経済的に豊かでない人でも弁護士や司法書士に依頼できるように「民事法律扶助」というサービスを提供しています。
法テラスの民事法律扶助の内容は、以下の2つです。
(1)無料法律相談
1回当たり30分の無料法律相談を、1つの案件につき3回まで利用できます。
(2)依頼費用の立替払い
弁護士費用や司法書士費用を、法テラスに立て替えてもらえます。
立替金は原則として、月5000円~1万円程度のペースで返済します。ただし、生活保護受給者は返済免除の対象となります。
特に依頼費用の立替払いは、お金がないけれど弁護士に依頼したい人にとって役立ちます。手元にお金がなくても、弁護士に依頼することができます。
1-3. 法テラスを利用できる人
法テラスを利用するためには、以下の要件をすべて満たさなければなりません。
・収入と資産がいずれも一定基準以下である
・勝訴の見込みがないとは言えない
・民事法律扶助の趣旨に適している
特に重要なのは、収入と資産の要件です。
たとえば東京に3人家族(本人・配偶者・子)で住んでいる場合、収入は月29万9200円以下、資産は270万円以下が基準となります。
依頼費用の立替払いを申請する際には、収入と資産に関する証明書類を提出しなければなりません。
2. お金がなくても弁護士に依頼する方法(2)|弁護士に分割払いの相談をする
お金がない人が弁護士に依頼する方法の2つ目は、弁護士に分割払いの相談をすることです。法テラスを利用できない人は、こちらの方法を検討しましょう。
分割払いを認めてもらいやすいのは、近い将来に収入を得られる見込みがある場合です。
たとえば、借金の返済に苦しんでいるものの、会社勤めで安定した収入がある場合などが挙げられます。
弁護士が消費者金融などの債権者に受任通知を送付すれば、一時的に返済を止められます。それまで返済に充てていた分のお金を弁護士費用に回せるようになるので、分割払いを認めてもらいやすいでしょう。
ただし弁護士費用の分割払いには、すべての弁護士が対応しているわけではありません。断られてしまった場合は、別の弁護士を探してください。
3. お金がなくても弁護士に依頼する方法(3)|完全成功報酬制の弁護士に依頼する
お金がない人が弁護士に依頼する方法の3つ目は、完全成功報酬制の弁護士に依頼することです。
一部の弁護士は、特定の種類の案件について完全成功報酬制を採用しています。相続・過払い金請求・残業代請求など、確実にお金を得られると思われる案件を対象としていることが多いです。
インターネット検索などを活用し、完全成功報酬制の弁護士を探して相談を申し込んでみましょう。
取材・文/阿部由羅(弁護士)
ゆら総合法律事務所・代表弁護士。西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。ベンチャー企業のサポート・不動産・金融法務・相続などを得意とする。その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。東京大学法学部卒業・東京大学法科大学院修了。趣味はオセロ(全国大会優勝経験あり)、囲碁、将棋。
https://abeyura.com/
https://twitter.com/abeyuralaw
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