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藤井聡太王座が選んだ「マンゴーサゴ」って何?タピオカとの違いを確かめてみた

2025.11.03

将棋のタイトル戦が開催されると、度々、その「おやつ」に注目が集まる。将棋では対局が長丁場になるため体力維持のためにおやつを食べるという慣習がある。

特に藤井聡太王座が対局で食べたおやつは、売り切れになるほど話題になることも少なくない。

そんな藤井王座が今年9月にシンガポールで行われた将棋の対局で選んだおやつは「マンゴーサゴ」。「サゴ」とは…?やはり聞き慣れない方も多いようで、SNSなどで反響を呼んでいた。

映像で見た限りでは、オレンジ色のマンゴーのソースに小さなタピオカのようなものが乗っていた。サゴとはタピオカのようなものだろうか?気になるので調べることにした。

サゴを提供をしている『シンガポール・シーフード・リパブリック』

『シンガポール・シーフード・リパブリック東京』

都内で「サゴ」を提供している店を探してみたが、ほとんどない。まだまだ日本ではレアな存在のようだ。

そんな中、夏にはサゴフェアーなども開催している『シンガポール・シーフード・リパブリック東京』のパティシエである山﨑隆光氏に話を聞くことができた。

『シンガポール・シーフード・リパブリック』とは、シンガポールで人気の4店(ジャンボ シーフードレストラン、トンロック レストラン、パームビーチ レストラン、シーフードインターナショナルマーケット&レストランの4店舗)が集まったレストランであり、1番の人気メニューは「チリクラブ」だ。

「チリクラブ」は幻の高級ガニと呼ばれるマッドクラブを贅沢に使い、スパイシーで濃厚なチリソースと炒め合わせたものである。来店客のほとんどが注文する看板メニューだという。

シンガポールの定番デザート「マンゴーポメロサゴ」

現在はサゴフェアーは販売終了となっており、『シンガポール・シーフード・リパブリック』の銀座店でのみ「マンゴーサゴ」がデザートとして提供されている。

「ほぼ赤道直下といえるシンガポールは一年を通して暑い常夏の国に比べ、日本は四季を大事にする文化ですのでサゴフェアーは夏のみ開催しております」(山崎氏)

サゴフェアーでは“アイスカチャン”という、シンガポールでのかき氷にあたるデザートのトッピングとして、サゴを提供しているという。

「サゴ」とはどんなものか山崎氏に尋ねると、食べた方が早いということで「マンゴーポメロサゴ」を特別に提供してくださった。

「マンゴーのソースにサゴという柑橘系のフルーツとサゴが乗ったものを『マンゴーポメロサゴ』もしくは『マンゴーサゴ』と呼び、シンガポールでは定番のスイーツです」(山崎氏)

水っぽくなく、ねっとりとして濃厚なマンゴーのソースに美しくたくさんのサゴが乗っている。日本ではポメロという果物は手に入りにくいため、似ているグレープフルーツをトッピングしているとのこと。

『マンゴーサゴ』のソースは液体に近いソースで提供する場合も多いが、『シンガポール・シーフード・リパブリック』では味わいを追求した結果、あえて濃厚なシェイクのような形で提供しているんだとか。

プリンやクリームのような食感とクリーミーな味わいのマンゴーソースに、グレープフルーツの酸味とサゴのつぶつぶした食感がマッチしてとても美味しい。しかし、食べてみてもほとんどタピオカとの違いがわからない…。

サゴとタピオカの違いは…?

そこで山崎氏にサゴとタピオカの違いを聞くと「食べた感じはほとんど同じ」とのこと。

「サゴは原材料がサゴ椰子で、タピオカはキャッサバが原材料です。大きな違いはそれくらいで、食感も見た目もほぼ変わりません」

サゴがどんなものか分かって注文する方もほとんどおらず、出てきたものを見て「タピオカが乗っている」という反応をする場合も多いんだとか。

香港では『楊枝甘露』

サゴについて調べていると、どうやら香港でもスイーツに使われるメジャーな素材であることが分かった。

そこでサゴを提供している香港系中華料理店の『168点心飲茶&薬膳鍋 渋谷ヒカリエ店』のスタッフである黄 聖雅氏に話を聞いた。ここではデザートにサゴを使ったスイーツを提供している。

『168点心飲茶&薬膳鍋 渋谷ヒカリエ店』

「『楊枝甘露』(ヨンジーガムロ)と呼ばれる香港の定番スイーツを提供しています」(以下「」内、黄氏)

楊枝甘露とはどのようなスイーツなのだろうか?

「楊枝甘露は英語ではMango Pomelo Sagoと言います。香港発祥の人気デザートで、マンゴーを主役にした冷たいスイーツです。南国の果物の香りと、ココナッツミルクのまろやかさが特徴で、特に夏に人気があります」

なんと『楊枝甘露』もマンゴーサゴのことだったのだ。香港ではレッドグレープフルーツをトッピングして提供するものだという。

「当店ではレッドグレープフルーツの代わりに、マンゴーソースにレモン汁を入れています」

『楊枝甘露』(左)右はご厚意で用意してくれた比較用のサゴ

『168点心飲茶&薬膳鍋 渋谷ヒカリエ店』のマンゴーサゴである『楊枝甘露』は、ココナッツミルクとマンゴーの風味のする液状のソースにサゴが入っていた。

ちなみに『楊枝甘露』という名前は仏教の用語から来ており、「楊枝」は観音菩薩が手にする枝、「甘露」は天上の霊水を意味するという。「心を潤す甘い露(水)」のようなイメージの美しい名前だ。確かに、マンゴーサゴを食べるとそのおいしさに心が潤う。

香港でも人気のマンゴーサゴ

「香港の定番デザートとして多数のデザート店やレストランで提供されています。」

マンゴーサゴは、もともと香港系ミシュラン獲得レストラン「レイガーデン(Lei Garden)」が考案したものとして知られているという。「レイガーデン」は香港をはじめ、シンガポール、中国に店舗があり、シンガポールで流行った理由も納得だ。

マンゴーサゴはドリンクとして飲んでもおいしそうだ。実際に香港やシンガポールではドリンクとして販売されているところもあるという。

日本でもタピオカ入りミルクティーがあんなに流行ったのだから、マンゴーサゴも日本で爆発的に流行るポテンシャルは持っていると感じるが…。注文する人は多いのだろうか?

「当店ではマンゴーサゴを注文する人は過半数が海外の方です。日本の方はどんなものか知らないようです」

どんなものか聞かれた時に「タピオカのようなものです」と説明することもあるという。

マンゴーサゴが流行る日も近い?

藤井王座が注文したことで注目が集まったマンゴーサゴ。日本でも流行るポテンシャルは十分だと感じるのだが…どうだろうか?気になる方はぜひ食べてみてほしい。

取材協力:
シンガポール・シーフード・リパブリック東京
168点心飲茶&薬膳鍋 渋谷ヒカリエ店

取材・文/まなたろう

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高校卒業後から30代前半までのほとんどをドイツ、アメリカで過ごし英語が堪能。たまに通訳としても働く。 3度の飯よりコーヒーを好む。自家焙煎のコーヒーを飲み、カフェでの勤務経験あり。コーヒーソムリエ資格取得。

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