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いつから始める?「デジタル終活」の進め方と便利なサービス

2025.11.23

デジタル終活とは、デジタル資産を生前に整理する取り組みです。もしものときは、これらの資産もデジタル遺品となるため、ご家族が困らないよう事前の準備が必要です。本記事では、デジタル終活の必要性や放置によるトラブル、具体的な始め方について解説します。

デジタル終活とは、SNSや金融口座などのデジタル資産を生前に整理し、家族の負担を軽減する取り組みです。本記事では、デジタル終活の必要性や放置によるトラブルについて解説します。

具体的な始め方を4つの手順で紹介するほか、管理アプリや相談できる団体についてもまとめました。安心の準備に、ぜひお役立てください。

デジタル終活とは?基本の定義と注目される背景

スマートフォンやパソコンに残る写真、SNSアカウント、ネット銀行の情報など、私たちの生活には多くの「デジタル資産」が存在します。こうしたデジタル資産を整理し、死後の扱いを考えておく取り組みが「デジタル終活」です。

これまでの終活は、不動産や預金の整理、葬儀やお墓の準備が中心でしたが、デジタル終活ではスマートフォンやインターネット上のデータなど「デジタル資産」の整理に重点を置くのが大きな特徴です。

デジタル終活への関心が高まっている背景には、デジタル機器の急速な普及があります。総務省の「令和6年通信利用動向調査」によれば、60代のモバイル端末の保有率は93.3%、70代は81.3%、80代でも54.3%に達しており、シニア層にもデジタル社会が浸透していることがわかります。

デジタル終活の目的は大きく分けて、次の2つです。

1.財産の所在を明確にすること

ネット銀行やネット証券は通帳が発行されないため、相続人が存在を把握しづらく、相続税の申告漏れや財産の未発見につながるおそれがあります。生前に記録を残しておくことは、家族にとって重要な手がかりとなります。

2.データの整理・処分を行うこと

残したいデータと削除すべきデータを分ける「データの断捨離」により、不要な情報が死後に家族の目に触れることを防げます。見られたくない写真や動画を整理することは、家族への思いやりの表れともいえるでしょう。

遺品は、通帳や印鑑といったアナログなものと、オンラインアカウントや端末内データといったデジタル遺品に分けられます。デジタル遺品が原因で予期せぬ相続トラブルが発生することもあるため、適切なデジタル終活がますます重要になっています。

参考:総務省「令和6年通信利用動向調査の結果」

デジタル資産の種類と放置によるトラブル

デジタル資産は種類ごとに管理方法が異なるため、適切な管理を怠ると契約情報やID・パスワードが不明になり、本人や家族が手続きに困る可能性があります。

国民生活センターは、整理されていないデジタル資産が原因で遺族が困るケースが増えているとして注意を呼びかけています。

こうした放置は、相続手続きの遅れや金銭的損失、個人情報の流出などのリスクを引き起こすため、生前からの備えが重要です。

ここでは、「写真・動画・連絡先」「SNS・メールアカウント」「金融口座・サブスク契約」といった代表的なデジタル資産について、それぞれの特徴や注意点を解説します。

参考:国民生活センター「今から考えておきたい「デジタル終活」-スマホの中の“見えない契約”で遺された家族が困らないために-」

■写真・動画・連絡先

デジタル端末やパソコンには、写真や動画、文書、知人の連絡先など多くの情報が保存されています。しかし、パスワードが分からなければこうした情報にアクセスできません。

そのため、葬儀で使用する遺影を準備できなかったり、関係者に連絡できなかったりする可能性があります。

誤ったパスワードを繰り返し入力するとデータが初期化される機種もあり、大切な情報を失うリスクも考えられるでしょう。また、個人情報や金融情報が残ったまま機器を廃棄すると、第三者に流出するおそれもあります。

■SNS・メールアカウント

LINEやX、FacebookなどのSNSやメール、クラウドサービスもデジタル資産です。放置すれば、写真の悪用やなりすまし、不正アクセスのリスクが高まります。

主要サービスには閉鎖申請の仕組みがありますが、利用できる手続きはサービスごとに異なるため事前の確認が必要です。また、クラウドなどの課金サービスは解約しない限り料金が継続するため、不要な契約は整理しておくようにしましょう。

■金融口座・サブスク契約

ネット銀行や証券口座、仮想通貨は相続時に重要な資産となりますが、情報を把握していないと手続きができず、相続上での漏れから税務上のトラブルにつながるおそれがあります。

サブスクリプション(サブスク)契約は、自動更新されることが多いため放置すると料金が発生し、場合によっては遅延損害金がかかることもあります。家族が安心して対応できるよう、契約内容や解約方法をあらかじめ記録しておくことが大切です。

デジタル終活を始める3つのメリット

パソコンやスマートフォンに保存されたデータ、各種オンラインアカウントは、日常生活のデジタル化が進むなかで重要性を増しています。しかし、デジタル情報の整理には手間がかかるため、つい後回しにしている人も多いのではないでしょうか。

デジタル終活に取り組むことで、次の3つのメリットが得られます。

  • 個人情報やプライバシーを守れる
  • パスワードやログインIDなどを整理できる
  • 家族の負担や金銭トラブルを防げる

それぞれについて見ていきましょう。

■メリット1:個人情報やプライバシーを守れる

デジタル終活を行うことで、SNSやショッピングサイトに登録された個人情報やクレジットカード情報、住所などを整理できます。

放置による不正利用や乗っ取りのリスクを減らし、見られたくない写真や文書も整理できるため、家族に不必要な心配をかけずに済むでしょう。さらに、趣味や日記などのプライベートな記録も事前に整理することで、自分らしさを残しつつプライバシーも守れます。

■メリット2:パスワードやログインIDなどを整理しやすい

オンラインサービスのIDやパスワードは、本人しか把握していないことが多く、死後に手続きをする家族が困るケースも少なくありません。

デジタル終活で情報を整理し、エンディングノートなどに記録して伝えておくことで、サービス解約やデータ整理がスムーズになり、手続き漏れやトラブルを防げます。急な手続きや想定外のトラブルにも対応できるため、安心感も得られるでしょう。

■メリット3:家族の負担や金銭トラブルを防げる

ネット銀行や証券、株式、FX、サブスク契約などは紙の書類が残らないことが多く、整理していない場合には遺族が財産や契約状況を把握できず、故人名義で契約や請求が続く場合もあります。

デジタル終活で財産や契約情報を整理・共有しておくことで、相続漏れや税務上の問題も回避でき、家族の心理的負担を大幅に軽減できます。

デジタル終活の始め方【4つの手順】

デジタル終活を始める際にまず意識したいのは、開始のタイミングです。従来の終活のように晩年を待つ必要はなく、思い立ったときに始めるのが望ましいでしょう。

デジタル資産を把握することは、不要なアプリやデータに気づくきっかけにもなり、以降の整理作業にもつながります。デジタル終活は一度きりで終わるものではないため、早めに行動を始めることが肝心です。

デジタル終活を進める際は、次の4つの手順を意識しましょう。

1.デジタル資産をリスト化する
2.残すものと処分するものに仕分ける
3.エンディングノートやアプリに記録する
4.家族と共有する

ここからは、それぞれの手順を解説します。

■手順1:デジタル資産をリスト化する

まずは、自身が保有するデジタル資産を棚卸し(リスト化)しましょう。パソコンやスマートフォンといった機器内だけでなく、クラウドサービス上のデータも対象です。

写真・動画・連絡先・メールに加え、各種アカウント情報も整理します。漏れを防ぐためには、受信メールや利用履歴を見返すのも有効です。手元の機器を確認し、メモを取りながらリストを作成することで全体像を明確にできます。

■手順2:残すものと処分するものに仕分ける

洗い出したデータは「残すもの」と「処分するもの」に分けましょう。判断の目安は、家族に伝えたい内容かどうか、利用頻度が高いかどうか、金融関連のように重要な情報かどうかです。

残すデータは専用フォルダを作り、分かりやすい名前を付けて整理します。特に重要な情報や他人に見られたくない個人的な内容は、パスワード付きフォルダで保護するなど、適切なセキュリティ対策を施しましょう。

処分するデータについては、仕分けを完全に終えてから削除や解約の手続きを進めることをおすすめします。

■手順3:エンディングノートやアプリに記録する

残すと決めた情報は、誰でも理解できる形でエンディングノートや専用アプリに記録します。

ただし、重要なログイン情報をそのまま書くのはリスクがあるため「家族の誕生日」などのヒント形式にしたり、信頼できるパスワードマネージャーを活用したりすることでセキュリティを保つようにしましょう。

また、名刺大のカードにパスワードを記入し、その上から修正テープを重ねて隠す方法もおすすめです。

こうした記録媒体は、金庫などの施錠可能な場所に保管することで、紛失や第三者による不正アクセスのリスクをさらに軽減できます。

■手順4:家族と共有する

最後に、作成したエンディングノートや保管場所を家族と共有しましょう。丹念に準備したとしても、家族が存在を知らなければ意味がありません。

共有する際はインターネットに不慣れな家族も想定し、ログイン方法を誰でも分かるように丁寧に記載するようにしましょう。大文字・小文字や数字を判別しやすく書くなど、細かな配慮をすると、家族の負担を減らせます。

また、エンディングノートの保管場所や、緊急時の連絡先なども併せて伝えておくと安心です。

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