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ネット不要!iPhoneでAIをオフライン利用する方法

2025.12.03

iPhoneで通信なしに使えるオフラインAIの仕組みや、Apple Intelligenceの特徴・設定方法、ビジネス活用例を解説する。

生成AIの進化が急速に進むなか、「通信なしで使えるAI」が注目を集めている。

クラウドに接続しなくても、スマートフォンやパソコン内部でAIが処理を行う“オフラインAI”は、プライバシー保護や通信制限下での利用といったニーズに対応する新しい技術だ。本記事では、オフラインAIの仕組みから、iPhoneに搭載された「Apple Intelligence」の特徴、さらにビジネスで役立つ活用例までをわかりやすく紹介する。

オフラインAIとは?通信がなくても動く仕組み

AIを使うたびに通信が発生する時代は終わりつつある。いま注目されているのが、ネット接続を必要としない「オフラインAI」だ。iPhoneなどのスマホやPCの内部でAIが直接処理を行うこの仕組みは、セキュリティ面でもスピード面でも次世代のスタンダードになりつつある。

■クラウドAIとの違い

従来のAIは、クラウド上のサーバーで膨大なデータ処理を行う「クラウドAI」が主流であった。高精度なデータ処理が可能な一方、通信環境への依存や情報漏れリスクが課題とされてきた。これに対し、オフラインAIは端末内部のチップやGPUがAIモデルを実行し、入力データをローカルで解析する。AIモデルをあらかじめダウンロードしておくことで、外部サーバーにデータを送信することなく結果を得られる。つまり、オンデバイスで完結する処理構造によって、通信が不安定な場所でも高速かつ安全にAIを活用できる点が最大の違いだ。

■なぜ今“オフラインAI”が注目されるのか

オフラインAIが脚光を浴びている背景には、社会的・技術的な変化がある。まず、プライバシー保護の重要性が高まり、機密情報を外部に送らず処理できる仕組みが求められている。さらに、海外出張や災害現場など、通信が不安定な状況でも利用できる利便性が評価されている。近年は、AppleのAシリーズやMシリーズ、Qualcomm Snapdragonなど、高性能チップの進化によりローカルAI処理が現実的となった。

加えて、クラウドの従量課金を避け、自社端末で長期的に運用できるコスト面の優位性も大きい。これらの要素が相まって、オフラインAIは「安心・高速・経済的」な次世代のAI基盤として注目されている。

iPhoneで使える「Apple Intelligence」とは?通信なしで動くAIの仕組み

Appleが開発した「Apple Intelligence」は、iPhoneにおけるAI活用を次の段階へ引き上げる存在だ。クラウドに頼らず、端末内部で多くの処理を完結できるのが特徴。ここでは、その技術的な中核と、実際にどんなことができるのかを解説する。

■Appleが開発した“オンデバイスAI”の中核

Apple Intelligenceは、iPhone・iPad・Macに統合されたApple独自のAI基盤であり、オンデバイスAI(端末内処理)を中心に設計されている。これまでの生成AIがクラウド上でデータを処理していたのに対し、Apple Intelligenceはユーザーのデータを外部に送信せず、端末内のNeural Engineが直接処理を行う。これにより、応答速度が速く、個人情報の安全性も高い。

必要に応じてApple独自の暗号化環境「Private Cloud Compute」を経由するが、データは保存されず、完全匿名で処理される。つまり、“安全性と快適さを両立したAI体験”を実現するのがApple Intelligenceの中核とされる。

■何ができる?オフラインで動作する代表的な機能

Apple Intelligenceは、通信がない環境でも幅広いAIタスクを実行できる。例えば、Siriの音声操作や計算、アプリ起動といった基本動作はすべて端末内で処理される。さらに、メモやメールの内容を自動で要約したり、音声をテキスト化する自然言語処理もローカルで実行可能だ。画像では、被写体を切り抜いたり不要なオブジェクトを削除する「Image Playground」などの編集機能を備える。通知やメッセージの要約もAIがオフラインで整理してくれる。

一方、長文の要約や高精度な画像生成など大規模なデータ処理を必要とする場合は、「Private Cloud Compute」による安全なクラウド連携で補完される。オフラインとオンラインを自動で使い分ける設計が、Apple Intelligenceの強みだ。

iPhoneで「Apple Intelligence」を使うには?

Apple Intelligenceを利用するには、対応機種とOSの条件を満たした上で設定を有効にする必要がある。ここでは、対応端末の確認方法と、実際に機能をオンにする手順を紹介する。

■対応端末と利用条件

Apple Intelligenceを利用できるのは、一定のハードウェア性能を備えた最新世代のデバイスに限られている。

対応機種はiPhone 15 Pro/Pro Max以降のA17 Proチップ搭載モデル、およびM1以降のチップを搭載したiPad・Macシリーズ。これらのチップにはAI処理専用のNeural Engineが搭載されており、オンデバイスでの生成や要約といった高度なデータ処理をリアルタイムに実行できる。対応OSはiOS 18、iPadOS 18、macOS Sequoia以降で、Apple Intelligenceが標準統合されている。

また、iPhone 16シリーズはApple Intelligenceを前提に設計された最初のモデルで、機能の安定性や処理速度がもっとも高い。オフラインAIを最大限活用したいユーザーには、最新世代の端末が推奨される。

■Apple Intelligenceを有効にする手順

Apple IntelligenceをiPhoneで利用するには、まずiPhoneを最新のiOS 18にアップデートしておく必要がある。

その後、「設定」アプリを開き、「Apple IntelligenceとSiri」内で「Apple Intelligence」の機能をオンにする。

要約、文章の書き換え、通知整理などの機能を有効化しておけば、オフライン環境でも自然にAIが動作する。

同じ設定画面から言語を日本語に変更でき、利用環境に合わせたカスタマイズも可能だ。

通信なしでもここまでできる!仕事に役立つオフラインAI活用例

オフラインAIは、通信環境が限られる状況でも業務を止めない頼れる存在だ。Apple Intelligence以外にも、iPhoneではオフラインで動作するAIアプリが提供されている。出張先や機内、セキュリティが厳しい社内会議などでも、AIが資料作成や翻訳をサポートしてくれる。ここでは、実際のビジネスシーンにおける活用例と、安全性の強みについて解説する。

■出張・機内・会議中に使えるAI機能

オフラインAIの最大の利点は、通信が不安定な環境でも生産性を維持できる点にある。出張前には、AIがメール内容を要約し、予定や移動情報を整理。機内モードでも、次の訪問先の要点をまとめてブリーフィング資料を生成できる。

会議中には、音声認識AIが発言を自動で文字起こしし、重要な結論や課題を抽出。オフライン環境でも議事録や報告書が即座に作成できる。また、「Draw Things」などの無料アプリを使えば、資料に使う画像やグラフも現地で生成可能だ。翻訳AIを使えば通信不要で現地スタッフとの会話もスムーズに行える。ネットが途切れても業務が止まらないことがオフラインAIの大きなメリットともいえる。

■プライバシーとセキュリティの観点から見る強み

オフラインAIは、データをクラウドに送信せず端末内で処理する設計のため、セキュリティ面でも優れている。音声・画像・テキストなどの情報が外部サーバーに送られないため、第三者による傍受や情報漏えいのリスクを大幅に軽減できる。

また、個人情報の扱いに関する法律や国際的なルールにも配慮しており、安心して使える仕組みになっている。さらに、社内ネットワークのような閉じた環境でも動作できるため、社外秘文書や顧客データを安全に扱える。クラウドに頼らず高精度な処理を行えるこの仕組みは、企業のコンプライアンス対応と信頼性を支える新しいAI運用モデルといえる。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

文/Ema

Author
30代。都内の大学を卒業後、新卒でホテル業界に就職し、接客・観光業務に従事。現在は観光関連の記事の企画・執筆・取材を中心に活動し、インバウンド向け観光ガイドも行う。ヨガRYT200やローフードマイスターの資格を持ち、心身の健康に配慮したライフスタイルを大切にしている。観光からビジネス、時事、ライフスタイルまで幅広く執筆し、読者に寄り添った実用的で分かりやすい記事を心がけている。最近は愛犬と自然の中で過ごす時間がお気に入り。

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