Adobe Acrobat 2020(永続版)は、2025年11月30日にサポート終了。本記事では、サポートが終了する製品の種類やサポート期限の詳細、その後の対応策を解説します。
目次
一般企業、教育機関、官公庁など幅広いビジネスシーンで活躍してきたAdobe Acrobat 2020(永続版)ですが、Adobe公式より2025年11月30日をもってサポートを終了することが発表されました。
サポートが終了した製品はセキュリティアップデートが受けられないため、継続利用にはおすすめできません。
本記事では、Adobe Acrobat 2020(以下、Acrobat 2020)のサポート終了の詳細や、サポート終了後の対応策を解説。ビジネスの場でAcrobat 2020を使用している方はぜひ参考にしてください。
Adobe Acrobat 2020 サポート終了の概要
はじめに理解しておきたいのは、やはりAcrobat 2020のサポート終了日や、サポートが終了する対象製品です。ここでは、Acrobat 2020 製品のサポート終了の概要を解説します。
■サポート終了対象製品とサポート終了日
2025年11月30日にサポートが終了するのは、以下の製品です。
- Acrobat Pro 2020 (永続版)
- Acrobat Standard 2020(永続版)
- Acrobat Reader 2020
また、サポート終了対象のプログラムは、一般企業向け、官公庁向け、教育機関向けに提供されている「TLPライセンス」および「CLPライセンス」となります。
■使用しているAcrobatのバージョンを確認する方法
お手持ちのAcrobat製品のバージョンは、次の手順で簡単に確認できます。表記されている先頭の4桁の数字がリリース年となります。
【Windows】
- Acrobatを起動し[メニュー]>「ヘルプ」>「Acrobat〇〇について」の順にクリック
- 画面上部の「バージョン ~~」の表記を確認
【Mac】
- Acrobatを起動し「Acrobat」>「Acrobat〇〇について」の順にクリック
- 画面上部の「バージョン ~~」の表記を確認
Acrobat 2020をサポート終了後も使い続けるリスク
永続版は毎月の支払いが不要なため大変便利ですが、主にセキュリティの観点からサポート終了後の継続利用はおすすめはできません。ここではサポート終了後もAcrobat 2020を使い続けるリスクを3つ解説します。
■セキュリティアップデートが受けられない
大きなリスクとなるのは、やはりセキュリティアップデートが受けられないことです。
一般企業、官公庁、教育機関といった場では、サイバー攻撃などによる情報漏洩は絶対に避けなければなりません。しかし、Acrobat 2020は2025年11月30日をもってセキュリティアップデートが受けられなくなります。
サイバー攻撃の手口はいたちごっこの要領で日々変化していますので、常に最新のセキュリティを搭載したソフトウェアを利用するのが望ましいでしょう。
■最新のOSとの互換性が保証されなくなる可能性
2025年11月30日以降は、新しいOSやデバイスへ対応するようなアップデートもありません。そのため、最新のデバイスや、定期的にアップデートされるOSとの互換性がなくなり、ある日突然使えなくなる可能性があります。
特にビジネスシーンではこのような突発的なトラブルが発生すると、業務に支障をきたす可能性が高いため、早めにソフトウェアの移行など対策を取る必要があるでしょう。
■最新のAcrobatの機能が使えない
今後も、現行のAcrobat製品はアップデートを繰り返し、より便利な機能の追加や、使いやすくするための改修が行われることが予想されます。
しかしサポートが終了した製品には最新機能は搭載されません。これにより業務効率が悪化してしまう可能性もあります。
Acrobat 2020 サポート終了後の対応策

日々使用しているAcrobat 2020のサポートが終了したら、どのように対応すれば良いのでしょうか。ここでは、サポート終了後の主な対応策を2つご提案します。
①Acrobatのサブスクリプション版を契約する
最もおすすめしたいのはAcrobatサブスクリプション版へ移行することです。使い慣れた製品のほうが良いという方はこの方法をご利用ください。
特にAdobe AcrobatはISO32000という電子文書の国際規格に準拠していますので、ビジネスシーンには最適です。
サブスクリプション版の料金
Acrobat 2020のサブスクリプション版の料金は、個人向け、法人向け、学生・教職員向けに分かれます。個人および法人向けプランでは、利用できる機能が限られる代わりに安価な価格設定の「Acrobat Standard」と、すべての機能が利用できる「Acrobat Pro」から選択が可能です。
学生・教職員向けプランではAcrobat Proに加え、Creative Cloud Proが選択できます。詳細は後述しているので、ぜひチェックしてみてください。
なお、掲載している情報は2025年10月25日時点のものであり、内容が変更される可能性があるためご注意ください。
【個人向け】
| Acrobat Standard | Acrobat Pro |
| 年間プラン(月々払い):1,518円/月 年間プラン(一括払い):18,216円/年 月々払い:2,728円/月 | 年間プラン(月々払い):1,980円/月 年間プラン(一括払い):23,760円/年 月々払い:3,380円/月 |
家庭用や、個人事業主の方に向けたプラン。年間プランのほか、1ヶ月ごとに更新する月々払いでの支払いも可能です。
【法人向け】
| Acrobat Standard グループ版 | Acrobat Pro グループ版 | Acrobat Pro グループ版 3ライセンスパック |
| 年間プラン(月々払い):1,848円/月 1ライセンスごと 年間プラン(一括払い):22,176円/年 1ライセンスごと | 年間プラン(月々払い):2,380円/月 1ライセンスごと 年間プラン(一括払い):28,564円/年 1ライセンスごと | 年間プラン(月々払い):2,200円/月 1ライセンスあたり 年間プラン(一括払い):26,400円/年 1ライセンスあたり |
必要なライセンスの数が多い企業では3ライセンスパックがおすすめです。3ライセンスパックごとに7.5%オフの割引価格が適用されます。
【学生・教職員向け】
| Acrobat Pro | Creative Cloud Pro |
| 年間プラン(月々払い):1,980円/月 年間プラン(一括払い):23,760円/年 | 年間プラン(月々払い):2,780円/月 年間プラン(一括払い):33,369円/年 |
個人向けプランと同価格のAcrobat Proに加え、Creative Cloud Proが選択できます。Creative Cloud Pro は、Acrobat Proをはじめ、画像・ビデオ・オーディオ用のクリエイティブAIなど20種類以上のアプリを特別価格で利用できるプランです。
永続版とサブスクリプション版の違い
Acrobat 永続版では得られない、サブスクリプション版ならではのメリットは以下の通りです。
- 複数ライセンスの一元管理が容易
- 常に最新バージョンのAcrobatが利用できる
- バージョンアップ時の追加料金が不要
- 電子サインに対応している
- クラウドストレージと連携できる
- 1つのライセンスで2台のデバイスまで使用できる(同時使用は不可)
一方で、サブスクリプション型のため、定期的な支出が発生する点はデメリットと言えます。
②他社のPDFソフトへ移行する
この機会に他社のPDFソフトへ移行することも1つの手段です。
例えば、有名なPDFソフトとしては以下のような製品が挙げられます。
- PDF Element(買い切り版有/最安プランは年間4,980円~)
- Cube PDF(無料)
- Foxit PDF Editor(買い切り版有/最安プランは年間11,220円~)
など
自社の予算などにあわせて、最適な製品を見つけてみてください。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/まじめさん







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