「推縁」は他の縁とどう違う?
推縁は、従来からの血縁、知縁、社縁と比べてどのような違いがあるか。
「血縁や地縁、社縁は“生まれた場所”や“所属”でつながる関係ですが、推縁は逆で、『好き』という感情から自然に生まれたつながりです。利害関係ではなく、純粋に“同じものを推している”という共感で仲良くなるため、関係が長く続きやすく、結束度が強いのも特徴です。
SNSを通して全国、時には海外まで広がっていくのも、他の縁と異なる点です。私自身、長年、タイ俳優の推し活をしているのですが、おかげで海外にも友達ができました。つまり推縁は、物理的な制約を超えて“感情でつながる時代の新しいご縁”なんだと思います」
推縁をマーケティングや商品開発に活かすポイント
今後、血縁、知縁、社縁だけでなく、推縁もマーケティングや商品開発に活かしていくのが有効といえそうだ。活用のポイントを多田氏に聞いた。
「推縁を意識した商品をゼロから作るというよりは、血縁、社縁といった既存のつながりの中で便利に使われている商品やサービスを推縁に置き換えたときに、どのように使ってもらえる可能性があるのか、という順番で考えていくと進めやすいと思われます。推縁は“好きなもの”を起点としたコミュニケーションで広がっていきます。企業は商品やサービスを通じて、その“語り合いのきっかけ”を提供する立場になると良いのではないでしょうか」
推縁を活用するには、推縁がどのように生まれ、どのような価値を生み出しているのかをよく知ることが先決といえそうだ。ぜひ押さえておこう。
取材・文/石原亜香利







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