脂肪肝リスクのある生活習慣チェックリスト
「肝臓は『沈黙の臓器』といわれるように、脂肪肝からかなり病気が進行しないと自覚症状が出ないことがほとんどです。つまり、問題が生じていても、自分ではわからないのが脂肪肝の怖いところです」と川本医師。
まずは自分はどのくらいリスクがあるのかを知っておくことが先決といえる。次の生活習慣チェックリストでチェックしてみよう。(どれか一つでも当てはまるとリスクあり)
・毎日お酒を飲む
・食事の過剰摂取(カロリーオーバー、高カロリー食の摂りすぎなど)
・糖質(炭水化物)の割合が多い
・塩分を摂りすぎている
・魚や野菜をあまり食べない
・夕食後、夜遅くに何か食べる習慣がある
・早食いである
・間食が多い
・甘いものが好き
・絶食などの極端なダイエットをしている
・運動をほとんどしない
・座っている時間が長い
・ストレスが多い生活が続いている
・いつも睡眠不足である
脂肪肝を放置した場合のリスク
放置した場合の具体的なリスクはぜひ押さえておきたい。
「脂肪肝はさまざまなリスクを高めます。メタボリック症候群と合併しやすく以下例に挙げるように、病気を誘発、進行させることがわかっています」
例)
脳卒中、心筋梗塞、高血圧、糖尿病、脂質異常症、痛風、動脈硬化、睡眠時無呼吸症候群、胆石症、性ホルモン異常、(肥満による)変形性膝関節症、アルツハイマー型認知症やアレルギー疾患など
脂肪肝の食事からの予防策
脂肪肝を食事から予防する方法としてポイントを3つ挙げてもらった。「良質な脂質」「魚介類」「休肝日」だ。
●「良質な脂質」
「植物性の食材を中心にしつつ、オリーブオイルやナッツ類、魚由来の脂質を取り入れることが重要です。特に魚に多く含まれるオメガ3系脂肪酸は抗炎症作用を持っており、肝臓の炎症や脂肪沈着を抑える方向に働きます。魚から毎日オメガ3脂肪酸を十分に摂るのは現実的に難しい方も多いでしょう。その場合は、植物由来のアマニ油やえごま油を上手に活用するのがおすすめです。また中鎖脂肪酸のMCTオイルは摂取後すぐにエネルギーとして使われ、体脂肪として蓄積しにくい性質があるため、脂肪肝の予防や改善に役立ちます。サラダや味噌汁に少量加えれば、無理なく続けられます」
●「魚介類」
「魚介類に含まれるタウリンはおすすめの栄養素です。まず、胆汁酸と結合して胆汁の排泄を助ける働きがあるため、コレステロールの代謝がスムーズになり、血中のコレステロールを下げる方向に働きます。
また抗酸化作用も持っており、肝臓の細胞が酸化ストレスを受けるのを防いでくれます。さらにインスリン感受性を高める作用もあるため、糖代謝にも良い影響があります。
タウリンは魚介類などから摂取するほうが、サプリで摂るよりもバランスが良いと考えています」
●アルコールは飲む量を減らすより休肝日を
「酒は毎日飲む量を減らすより、休肝日を作ったほうが回復が早いといえます。お酒はアルコールが入っている限り、少し減らしても炎症は残ってしまうからです。完全にアルコールをゼロにする日を作ると、その間に炎症が収まり、回復が進みやすくなります」
沈黙の臓器といわれる肝臓。知らず知らずのうちに悪化している可能性もある。後悔することのないよう、今のうちから自分ごととしてとらえるのが賢明といえそうだ。
取材・文/石原亜香利







DIME MAGAZINE














