空気が乾燥して気温が下がりインフルエンザの季節がやってきた。そこでクリニックフォアは、全国的に流行期に入ったインフルエンザについて、2025年の傾向と予防・受診のポイントを発表したので、詳細をお伝えしよう。
インフルエンザ感染のリスクがあるNG行動は?家族や職場の人が感染した時に気をつけたいこと
近年にない大流行となっているインフルエンザ。昨年12月23日から29日の1医療機関当たりの患者数が64.39人と、1999年に統計を始めてから最多となったという…
インフルエンザ最新流行予測 ”早く、広く、長く”がキーワード
今年のインフルエンザは、例年より流行の立ち上がりが早く、すでに一部地域では定点報告数が流行の目安を上回っている。
インフルエンザは、毎年南半球の流行のあとに北半球で広がるという流れがあるが、今年の南半球では、A型インフルエンザ(H1N1亜型)が中心に流行し、高熱や体のだるさ、筋肉痛などの全身症状が出やすい傾向があった。※
流行期に入り、クリニックフォアをインフルエンザ疑いで受診する人も、主流はA型インフルエンザ(H1N1亜型)で、高熱や筋肉痛などの全身症状を伴いやすい傾向がある。年明け以降にはA型(H3N2・香港型)やB型の流行も見込まれる。
いまのところ、特別な新しい変異株の報告はないが※、インフルエンザウイルスは毎年少しずつ姿を変えるため、「去年とは違う流行の波になる」ことは珍しくない。
このように、今年のインフルエンザは流行期に入るのは「早く」、感染状況も全国的に「広く」流行し、年明け2月ごろまで流行期が「長く」続く、“早く・広く・長く”の傾向が予想されるため、3つの「そなえ」が重要だ。
※出典:世界保健機関[WHO]「2025年南半球インフルエンザワクチン株推奨」より
そなえ その1: 早めに打つ ― ワクチンで守る
例年より早い流行に備え、11月中までの接種が理想的。今年のワクチンはA型2株・B型1株を含む3価ワクチンで、流行株との相性も良好とされている。接種によって重症化や感染拡大を防ぐ効果が期待される。
クリニックフォアでは、10月1日よりワクチン接種の開始をはじめ、現時点で昨年の2倍ほどの接種希望者が増加しており、クリニックフォアではそれに応じたワクチンの在庫を確保した。直近の感染者数増加の傾向も踏まえると、なるべく早い段階での接種を検討するといいだろう。
そなえ その2:もしもに備える ― 予防内服薬で防ぐ
インフルエンザの感染防止には、ワクチン接種と日頃からの対策が重要。それでも例年11月~年末年始にかけて徐々に感染者は増え、感染予防ができるか不安との声も多く聞く。
そこで、クリニックフォアでは、実際の治療としても処方される抗インフルエンザ薬を事前に服用することで一定期間感染を防ぐ「予防内服薬」を医師の診察のもと、必要な人には処方している。
発症前に服用することで、かなり高い確率で感染を防ぐことが可能だ。受験生や介護従事者、家族に高齢者や乳幼児がいる人や、年末年始の帰省タイミングなど、インフルエンザに「かかれない理由がある人」の選択肢として広がりつつある。
効果は10日間ほど。ただし、あくまで「かかれない理由がある」場合の選択肢であり、長期服用または不適切な使用により、ウイルスが薬剤に耐性を持つ変異株が生まれることもあるため注意が必要だ。もしもに備えよう。
インフルエンザ予防内服の効果
・ポイント1:ウイルスの型に左右されない効果
・ポイント2:ウイルスの増殖を抑える
・ポイント3:ワクチンと併用して、より感染を防ぐ
※インフルエンザ予防内服薬は自由診療での処方となる。医師の診察により処方できない場合も。
そなえ その3: かかったかもに迷わない、一次診察としてのオンライン診療でスピードを優先
季節の変わり目は風邪や新型コロナとの症状の違いが分かりにくく、発熱や喉の痛み、体のだるさがある際は早めの受診が大切。クリニックフォアでは、オンラインでの診察から薬の配送まで自宅で完結でき、外出を控えたい体調不良時でも安心して受診できる。
初期症状で、風邪かインフルエンザかわからないが、仕事が忙しくて対面受診が難しい人の「スキマ診療」としての活用や、家族や職場などでインフル陽性者と接触があり疑いがあるが熱が高く、対面受診が辛い場合の一次診察としてオンライン診療を活用する人も増えている。※
※インフルエンザの診断および抗インフルエンザ薬の処方は、オンライン診療においても最終的には医師の判断によって行われる。症状や状況に応じて、対面での検査や診察を案内する場合も。
医師コメント
「今年は例年よりも早くインフルエンザの流行が始まっており、ピークが長引く可能性もあります。早めのワクチン接種と、オンライン診療や予防薬といった手段をうまく組み合わせることで、“感染しない・広げない”冬を迎えられると考えています」
— クリニックフォア監修医 渥美義大
■インフルエンザQ&A
Q.インフルエンザは普通の風邪と何が違うの?
A.38℃以上の高熱や全身の痛みを伴った症状が特徴です。インフルエンザは、インフルエンザウイルスの感染により発症します。
普通の風邪と同じく、喉の痛み、鼻水、咳などの局所症状に加え、38℃以上の発熱や関節痛、体のだるさなどの全身症状が比較的急速に現れます。

■インフルエンザの特徴
・38度以上の発熱
・全身症状(頭痛、関節痛、筋肉痛など)
・急激に発症する
・例年12月下旬~翌年2月がピーク
■インフルエンザを予防するポイント
・ワクチン接種
・マスクの着用
・外出後の手洗い/うがいの励行
・適度な湿度の維持
・人混みや繁華街への外出を控える
Q.発症後、病院を受診するタイミングは?
A.初期症状が現れてから、12~48時間以内の受診がおすすめです。
1. 検査の精度を上げるため
発症直後だとウイルス量が少なく、検査で陰性になることがあります。発症から12時間以上経過することで、より正確に検出されやすくなります。
2. 薬の効果を高めるため
抗インフルエンザ薬(タミフル、ゾフルーザなど)は、発症から48時間以内の使用が最も効果的とされています。
Q.インフルエンザワクチンは打った方がいいのでしょうか?
A.インフルエンザワクチンは、感染予防や、高熱・肺炎など重症化の予防に関して、一定の効果があるとされています。ワクチンを接種しても感染を100%防ぐことはできませんが、重症化や合併症を防ぐ上で重要な役割を果たします。ワクチンは効力を発揮するまでに2週間ほどかかるため、早めの接種をおすすめします。
Q.市販の風邪薬ではダメでしょうか?
A.市販の風邪薬でも、発熱・喉の痛み・鼻水などの症状を一時的に和らげることはできます。ただし、インフルエンザはウイルス感染症のため、市販の風邪薬ではウイルスを抑えることができません。
抗インフルエンザ薬を使用するには医師の診断と処方が必要になるため、医療機関を受診してください。
関連情報
https://www.clinicfor.life/
構成/Ara







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