2026年3月31日、日本のケータイ文化に大きな影響を与えたiモードが終了します。本記事では、その経緯や終了に伴ってできなくなること、よくある質問を元ショップ店員が解説します。
目次
2026年3月31日、NTTドコモの提供していたiモードが終了します。30代以上の方は「ついに終わってしまうのか…」と、少し寂しさを感じるのではないでしょうか。
一方で若い世代は「iモード?何?」って感じかもしれませんね。ネットとメールに始まり、着メロやゲーム…携帯電話の普及と進化は、iモードなしでは語れません。
この記事では、高校時代からiモードにお世話になり、デコメールにハマる大学生活を過ごし、ドコモショップ店員まで経験したSUGI-SUGUが、iモード終了の経緯やこれまでの歴史、終了によりできなくなることなどを思い出と共に解説します。
iモード終了はいつから?これまでの経緯を振り返る
日本のモバイルインターネットの歴史を変えたiモード2026年3月31日でサービス終了を迎えます。まずは、iモード終了までの道のりについて、簡単に整理しましょう。
■2019年9月iモードの新規受付終了
終わりへの始まり…。iモード終了への大きな一歩となったのが、2019年9月30日をもっての新規受付終了です。既存のユーザーはこれまで通り使えますが、受付は終了になり、将来的なサービス終了に向けてユーザーの縮小が始まりました。
その頃には、若い世代はほぼスマホ、上の世代の方もスマホに移りつつありました。当時60歳頃だった私の母もスマホに変えた頃で、周りでガラケーユーザーは80歳超えの祖母だけでしたねー。ショップで見かけるガラケーはらくらくホン、キッズケータイが多かった印象です。
■2022年3月「iモード卒業公演」動画公開
新規受付終了から約2年半後の2022年3月、NTTドコモから、iモードとFOMAに別れを告げる動画「iモード卒業公演」が公開されました。今まで販売されてきたさまざまな機種が並び、当時のメールの文面や写真、アンテナを伸ばしたりセンター問い合わせをしたりする様子など、あらゆるシーンが詰まった動画です。SNSでは「エモい」「懐かしすぎて泣ける」「○○使ってた!」など、ドコモユーザーが当時の思い出を語って盛り上がりました。
iモードやメールができるようになった頃からケータイを持ち始めた私にとっても、懐かしいの嵐!電池パックのフタの裏にプリクラ貼ってた~!と共感しまくりでした。ストラップも大好きで、MAX20個くらい着けてました。昔、そのケータイをショッピングモールのイスに置き忘れまして。総合案内に届けられていたんですが、取りに行って受け取りの書類を見たら「落とし物の特徴」の欄にめちゃくちゃ小さな字で20個分のストラップの特徴が書かれていて、申し訳ない気持ちになりました(苦笑)あのとき届けてくれた方、遺失物管理の方、ありがとうございました。今はストラップ着けてませんが、たまにセルフレジとかにスマホ置き忘れてます。笑
■2026年3月31日iモード終了
そして、いよいよ迎えるのが2026年3月31日のiモード完全終了です。これは、iモードが利用している第3世代移動通信方式(3G)FOMAも同時に終了することを意味します。つまり、この日以降はiモードのメールやウェブサイト閲覧はもちろん、3G回線を使った音声通話やデータ通信もすべて利用できなくなります。
対象の方にはドコモからのお知らせが届いていると思いますが、期限間近になるとショップは激コミ&在庫切れする可能性もあるので機種変更はお早めに。もう20年近く前ですが、FOMAの前の世代、movaが終了するときもショップはてんやわんやでした。iモード終了期限の3月はちょうど卒業&入学シーズンなので、ただでさえショップは混みます。余裕をもって機種変更することをおすすめします。
iモードとは何だったの?「ケータイでネット」の原点を振り返る
30代以上には、とても思い入れのあるiモード。改めて「iモードとは何だったのか?」を振り返ると、今のスマホで当たり前になっていることの多くは、iモードがその原点を作ったといっても過言ではありません。
ここからは、iモードは何たるか、そこから生まれたサービスやその影響についても掘り下げていきましょう。
■1999年から始まったwebサービスとメール
iモードが始まったのは、世間が「ノストラダムスの大予言」や翌年の「2000年問題」で騒いでいた1999年。当時の携帯電話は通話と電話番号宛てに送れる短文のショートメールくらいしか機能がなく、インターネットは自宅のパソコンでするのが一般的でした。そこに突如として現れたiモード。iモードとは簡単にいえば携帯電話用のインターネットサービスで、今まで自宅で大きなパソコンに向かっていたものが、どこでも、しかも片手で操作できるようになりました。
中でもiモードメールは爆発的に普及しました。私も高校時代、初めてのケータイはメールが使えるもので、今振り返ると電話での連絡がメールになったり年賀状が年賀メールになったり…と、コミュニケーションの方法が変わっていったなーと思います。iモードの誕生は、現在のLINEやSNSなど、モバイル中心のコミュニケーションの原点になりました。
■iモードから生まれた多くの文化
iモードは技術だけでなく、多くの新しいモバイル文化を生み出しました。着メロや着うた、デコメール、iアプリなど。着メロ・着うたは個別設定やグループ設定ができるので、友達やバイト先、恋人で着信音を分けている人も多かったんじゃないでしょうか。私は着信音と通知ランプの色も分けるくらいこだわって、機能フル活用してました!デコメール、デコメ絵文字も大好きで、課金してサイトからダウンロードしたり、1つのメール作成に何分もかけたりと、ケータイにお金も時間もかけてた覚えがあります。
これは私だけじゃなく皆さん共通だと思いますが、iモードで楽しみが増えていくに伴って、ケータイは単なる連絡手段を超え、“日常生活を支える、なくてはならないもの”になっていきました。iアプリの登場も現在のスマホに通じるものの一つであり、電車内や街中で多くの人がケータイを開いている光景が定着化していきました。
■日本のケータイ「ガラパゴス化」に大きな影響
iモードの発展は、日本のケータイを独自に進化させました。サイトの月額料金やコンテンツ課金をキャリアの通信料と合算で支払えるシステムは革新的で、手軽に有料コンテンツを楽しめるこの方法が着メロやデコメ、iアプリなどの市場の爆発につながりました。世界でスタンダードだったスマホへの移行は進まず、日本では長らくフィーチャーフォンが主役を張ることになります。この、世界とはかけ離れた進化が「ガラパゴス化」と称され、フィーチャーフォンが「ガラケー」と呼ばれる所以です。
iモード終了でできなくなること
サービス終了が近づく中で最も気になるのは、何ができなくなるのか?ということ。ガラケーユーザーや古い料金プランを契約されている方は、そのままでは利用できなくなる可能性もあるため、確認と変更が必要です。
■iモードが終了すると使えなくなるサービスは?
iモードが終了すると、iモードありきの機能やサービスはすべて使えなくなります。最も影響が大きいのが、@docomo.ne.jpのアドレスで提供されていたiモードメールです。iモードメールのアドレスを継続して利用したい場合は、今後も使える機種に変更し「ドコモメール持ち運び」サービスに申し込みましょう。その他、iモードサイトの閲覧やiチャネルも利用できなくなります。
■影響のある機種や料金プラン
iモード、FOMA終了に伴って利用できなくなる機種は、約400機種以上。料金プランはFOMA旧料金プランやバリュープラン、キッズケータイプラン、2in1などが終了します。詳しくはドコモのホームページでお知らせされていますので、ご確認ください。
iモード終了に関してよくある質問
iモード終了にあたり、現在も利用している方にとっては、気になること不安なことも多いと思います。よくある質問について、サクッとお答えしていきます!
■機種変更しないままだとどうなる?
2026年3月31日までに機種変更をせずにいると、翌日から通話・通信が出来なくなります。電波が止まり対象の料金プランもなくなるので、自動解約になる見込みです。解約されてしまうと同じ番号での契約はできなくなるので要注意!早めに機種変更しておきましょう。
■ケータイの修理はしてもらえる?
ケータイの修理受付は状況によって異なりますが、その機種の発売開始から6年前後です。電池や部品などの製造・保管可能期間の関係で期限があるので、いずれ修理はできなくなります。ショップ店員時代、お気に入りのケータイをまだ修理して使いたいお客様にお伝えして修理をお断りするのは心苦しかったですね…。iモード対応端末は2015年に発売されたP-01Hが最後なので、修理受付はすべて終了しています。
■iモードとspモードの違いは?
iモードとspモードは通信方式が異なり、対応機種も違います。簡単にまとめるとiモードは3G回線でiモードケータイ用、spモードは4G回線以降でスマホ用のサービスと思ってもらってOKです。現在使っているiモードアドレスを使いたい方は、iモード終了前にspモードに切り替えましょう。
さようならiモード…元ドコモ店員の思い出

スマホユーザーになって久しい私ですが、ショップ店員時代はワンセグなどが出始めたガラケー全盛期だったし、デザインやカラーが豊富なガラケーには特別な愛着があります。Dシリーズのスライド、くるくる回せるスピードセレクター大好きでした。今でも結構キレイな状態で家にあります。
iモードの終了は寂しいですが、改めて振り返った今、その功績には驚かされましたし、自分の青春に欠かせない存在だったんだなぁ…と思いました。さようなら、iモード。思い出をありがとう!
文/SUGI-SUGU







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