心当たりのない海外からの電話や発信者不明の着信をより分ける「通話スクリーニング」。iOS 26から実装されたiPhoneの新機能の設定方法とスクリーニング中の注意点をまとめた。
目次
2025年9月16日にリリースされたiOS 26では、不明な発信者からの着信をより分ける「通話スクリーニング」機能が新たに追加された。
詐欺電話や迷惑電話に困っていた人には朗報だが、知り合いや仕事相手からの着信に気づかなくなってしまうのでは?と不安に思う人も多いはず。
そこで本記事では、通話スクリーニングの基本の設定方法と使い方、スクリーニング中の注意点、従来機能との違いについて解説する。
iOS 26の通話スクリーニング機能でiPhoneの着信をコントロール
通話スクリーニングとは、着信があった際に発信者の情報を事前に確認し、電話に出るかどうかを判断できる機能を指す。iOS 26では、iPhoneによる自動応答の仕組みが初めて追加された。
■iPhoneの通話スクリーニングの基本的な仕組み
通話スクリーニングの最大の特徴は、未登録番号からの着信があった場合にiPhoneが発信者に名前と用件を尋ねる点だ。発信者の回答はリアルタイムでテキスト化され、ユーザーはその内容を確認してから電話に出るかどうかを判断できる。詐欺電話や不要な営業電話を効率的に避けることが可能だ。
■詐欺電話対策に役立つiPhoneの通話スクリーニング機能
iPhoneの通話スクリーニングは、詐欺電話対策として有効だ。個人情報の流出やAIを使った音声合成技術の進歩により、詐欺電話や迷惑電話の件数は増加している。特に高齢者を狙った特殊詐欺は巧妙化しているため、通話スクリーニング機能を使い、あらかじめ着信が届かないよう自衛しよう。
■「通話スクリーニング」と「ライブ留守番電話」「不明な発信者を消音」の違い
iOS 26の通話スクリーニング機能以外にも、iPhoneには着信を管理する機能がある。
・通話スクリーニング(iOS 26〜)
2025年秋リリースのiOS 26で新たに追加された機能。連絡先に登録されていない電話番号からの着信にiPhoneが自動で応答し、発信者の名前と用件をたずねた上でテキスト表示する。ユーザーはテキストで発信者の情報を得た上で応答の有無を判断できる。
・ライブ留守番電話(iOS 17〜、日本語対応はiOS 18〜)
ユーザーが留守番電話ボタンをタップするか、応答しないでいると自動的に留守番電話に切り替わり、相手のメッセージをリアルタイムで文字起こしして表示する。発信者を識別しない点が、iOS 26の通話スクリーニングとは異なる。
・不明な発信者を消音(従来機能)
連絡先に登録されていない電話番号からの着信音を消音し、自動的に留守番電話に転送する機能。着信履歴には番号が残るため、後で折り返せる。発信者の情報は事前には得られない。
■通話料や追加費用はかかる?iPhoneの着信をスクリーニングする際の注意点
iPhoneの「通話スクリーニング」「ライブ留守番電話」「不明な発信者を消音」の機能は、いずれも追加料金なしで利用できる。ただし、自動応答や留守番電話の転送時にスマホの契約プランに応じた通話料やデータ通信料が適用される可能性があるため、無制限プランでない場合は注意しよう。
iPhoneの通話スクリーニング機能を設定する方法
iOS 26にアップデート済みのiPhoneでは、簡単なステップで通話スクリーニングを設定可能だ。
■iOS 26へのアップデートと通話スクリーニングの設定手順
通話スクリーニングは、iPhoneがiOS 26にアップデートされていないと利用することができない。以下の手順でアップデートと同時に設定するか、またはアップデート後に有効化しよう。
iOS 26へのアップデートと同時に通話スクリーニングを設定する場合
手順1:iPhoneをiOS 26にアップデートする(「設定」→「一般」→「ソフトウェア・アップデート」)
手順2:アップデート後に初めて「電話」アプリを開くと、通話スクリーニングの設定画面が表示される
手順3:「通話をスクリーニング」ボタンをタップして有効化する
後から通話スクリーニングを設定する場合
手順1:iPhoneの「設定」アプリを開く
手順2:下にスクロールしていき、「アプリ」をタップ

手順3:「電話」をタップ

手順4:「不明な発信者をスクリーニング」の項目を探し、以下の3つの選択肢から選ぶ
・しない……通話のスクリーニングはオフとなり、保存されていない番号からの通話を受けたときにiPhoneの着信音が鳴る。
・通話の理由を尋ねる……未知の番号からの着信は、iPhoneが発信者に名前と用件を尋ね、内容をテキスト表示する。
・消音……保存されていない番号からの通話は消音にして留守番電話に送られ、履歴リストに表示される。
通話スクリーニング機能は、iOS 26リリース当初から日本語を含む9つの言語に対応している。iPhone 11以降のモデルは、デバイスに十分な空き容量(10GB程度)があればiOS 26にアップデート可能だ。アップルのAI「Apple Intelligence」非対応モデルでも通話スクリーニング機能は利用できる。
■iPhoneの通話スクリーニングの例外と連絡先の管理
通話スクリーニング機能を設定しても、以下の番号からの着信は通常通り着信音が鳴る。これにより、知人や職場・取引先からの大切な電話を見逃すリスクを最小限に抑えられる。
【通話スクリーニングの対象外となる番号】
・連絡先アプリに登録されている電話番号
・最近発信した履歴がある番号
・メッセージアプリでやり取りしたことがある番号
・メールでやり取りしたことがある番号
・FaceTimeで通話したことがある番号
・Siriからの提案に含まれる番号
iPhoneは連絡先を自動で学習し、ユーザーがよく連絡を取る番号を識別できる。そのため、新しく知り合った人と一度でもメッセージを交換しておけば、その後の電話は通常通り受け取れる可能性が高いだろう。
また、連絡先の管理も重要だ。家族や友人はもちろん、知人・職場関係で定期的に連絡を取る相手の番号は、必ず連絡先に登録しておきたい。宅配業者や病院など、やり取りがありそうな番号も事前に登録しておくと安心だ。
iPhoneの着信をスクリーニングしている場合の注意点とデメリット

不要な着信に悩まされずにすむ通話スクリーニング機能だが、知り合いからの電話や緊急連絡を見逃す恐れはないのだろうか。注意点と回避策をチェックしよう。
■知り合いからの着信を見逃すリスクを回避するには
通話スクリーニングをオンに設定していると、連絡先に登録していない知人からの電話を見逃す可能性がある。新しく知り合った相手や、知り合いが別の電話番号から連絡してきた場合、同じ会社の別部署などはスクリーニング対象となりやすいので注意したい。
見逃しを回避するには、ライブ留守番電話機能と併用するのがおすすめだ。発信者が名前と用件を伝えた場合は留守番電話で確認できる。
不明な発信者リストに分類された着信は、電話アプリの履歴画面でフィルタボタンをタップすると確認可能だ。1日の終わりにまとめてチェックする習慣をつけると、重要な連絡を見逃しにくいだろう。
■ビジネス・重要な電話で通話スクリーニングが問題になるケースもある
ビジネスシーンでは、通話スクリーニングが逆効果になる場合がある。取引先からの初回連絡、面接の日程調整、商談の電話などは、連絡先未登録の番号からかかってくることが多い。
宅配業者・病院などからの通知や連絡もスクリーニング対象となる可能性がある。
対策としては、仕事用のiPhoneを使っている場合、または就職活動中など重要な電話が増える時期は、通話スクリーニング機能をオフにしておく方法がある。
連絡が来ることが予定されている場合は、相手の電話番号を聞いて連絡先に登録しておくのも一つの方法だ。
■緊急連絡・公共機関からの連絡について
学校や保育園からの緊急連絡、公共機関からの通知、災害時の安否確認など、緊急性の高い連絡がスクリーニングされる可能性もある。
対策としては、子どもの学校や保育園、かかりつけの病院、地域の公共機関(役所など)の電話番号は、事前に連絡先に登録しておくのがおすすめだ。
また、重要なイベントがある期間(子どもの遠足や修学旅行、入院中など)は、念のため通話スクリーニング機能を一時的にオフにしても良いだろう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/長尾尚子







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