「僕は1か所にとどまれない人間なんです」という高聖の進む道は?
ここまでカフェビジネスを拡大してきたのだから、今後はもっと店の数を増やしたり、集客を伸ばしていくというのが通常の考え方だろう。が、酒井高聖という人はそういう普通の生き方を好まない。「数年後には他の人に店を任せているか、もしくはつぶしてるかもしれないですね」と笑うのだ。
「家族は分かっていると思いますけど、僕は1か所にとどまれない人間。高徳はサッカーから離れられないでしょうけど、自分は全然違うタイプなんです。母がドイツ人ということもあり、僕は二重国籍になっているので、近い将来、またドイツへ行って暮らしたいなという気持ちもあります。そこで新たなビジネスを構築していくのもありだし、大学に生き直してもいい。今は29歳なんですけど、30代からの自分がどうなっていくのか楽しみです」
まさに自由人の酒井高聖。ただ、現在の2店舗をオープンし、軌道に乗せたという事実もあり、彼はこの先、何をやっても成果を残せるに違いない。つねに兄・高徳も力強い援軍としてサポートしてくれるだろう。
先々のことは分からないが、今はとにかく「Alster&Garten」と「ecke」の営業に邁進するのが彼のタスク。11月30日の神戸対FC東京戦の際には、ノエビアスタジアム神戸の芝生広場に出店。来年2月には大阪・高島屋の催事にも出るという。こうした場所で彼が淹れてくれるコーヒーを飲むのもまた一興。ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。(本文中敬称略)
取材・文/元川悦子
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。
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