■連載/阿部純子のトレンド探検隊
サンスターの「健康道場」ブランドから10月23日より新発売された「すらなS」は、脂肪や糖を消費する代謝スイッチを活性化し内臓脂肪を減らす機能のある「HMPA」を配合した機能性表示食品。BMI が高めの人、内臓脂肪、コレステロール、食後血糖値が気になる人に向けた朝の新習慣として提案する。
年齢とともに徐々に低下する代謝が痩せにくくなる一因
40代以降は「太りやすく、痩せにくい」と感じる人が増える傾向にあると言われているが、その一因となるのが、年齢とともに徐々に低下する代謝。代謝が落ちると、脂肪が蓄積しやすくなるだけでなく、コレステロール値や血糖値にも影響を及ぼすことがある。
代謝の仕組みや、「すらなS」に含まれるHMPAについて、サンスターグループ ヘルス&ビューティー研究開発部 ヘルスケア研究室 主任研究員 曽野陽子氏に解説をしてもらった。
代謝とは、食事から摂取した栄養素が体内でエネルギーに変換され、生命活動に使われる一連の過程のことで、物質代謝とエネルギー代謝に大別される。
物質代謝には、体に必要な成分を合成する「同化」と、体内の糖や脂肪を分解してエネルギーを生成する「異化」の2つの過程がある。
栄養素を分解することで作られたエネルギーを利用するエネルギー代謝(=消費エネルギー)は、安静にしていても消費される生命維持に必要な「基礎代謝」、身体活動に伴う「活動代謝」、食事の消化吸収で発生する「食事誘発性熱産生」の3種類がある。エネルギー代謝の中で6~7割を占めるのは基礎代謝だ。
「摂取エネルギーが消費エネルギーよりも大きくなると、余分なエネルギー源である、糖や脂肪がどんどん体の中にたまってしまい、太りやすい状態となってしまいます。
若い時と同じ食事だったり、他の人と同じような食事をしているにも関わらず、昔と違ってとか、自分だけが太ってしまうような経験をされたことがあるかもしれません。それは消費エネルギーが年齢とともに低下してしまっていることが一因と考えられます。
消費エネルギーの中で、最も大きな割合を占める基礎代謝量は、日本人の食事摂取基準2025年度版の報告書から、日本人において男女とともに年齢と共に低下することが報告されています。
また、基礎代謝は年齢に限らず、筋肉が少ない方でも基礎代謝が低いという報告もありますので、基礎代謝の低さが消費エネルギーを低くしている原因の一つであると考えられています」(以下「」内、曽野氏)
身長155cm、体重55kgの女性を例に、新人時代(22歳)とベテラン時代(55歳)の1日の消費エネルギーの比較が下記の図。
22歳の時は平均並みから少し重めの体型だが、基礎代謝量に合わせた活動代謝量を考えると1日に必要なエネルギー量は2127kcalに。ベテラン時代の55歳になると、基礎代謝量が落ち、活動代謝活動量も減ってきていると想定され、1日に必要なエネルギー量は1708kcalになり、ベテラン時代の方が、消費エネルギーがダウンしてしまっている。
ちなみに、2000kcal程度の食事例は以下の通りで、それほど多く食べている意識が無くても気づけば超えてしまっているというほどの食事量だ。
「新人時代であれば問題がなかった摂取エネルギー量でも、ベテラン時代においては消費エネルギーが年齢とともに減ってしまって摂取エネルギーが過剰となり、糖や脂肪が過剰に体内に蓄積されやすい、つまりエネルギー代謝が落ちている状態となっているのです」
代謝スイッチをONにする注目成分「HMPA」
代謝を高めて余分な糖や脂肪が体に溜まりにくくするには、消費エネルギーを上げる必要がある。食事量を調整し摂取エネルギーそのものを減らしていく、筋肉をつけることで基礎代謝量を上げる、運動などの活動量を多くして活動代謝を上げる方法が考えられるが、食べたいものを我慢する、ハードな筋トレやスポーツは継続が難しいという人も多い。
「食品の生物の力で糖や脂肪の代謝を助ける方法が、酵素を活性化させる成分『AMPK(代謝スイッチ)』です。代謝スイッチがオンになると糖や脂肪からエネルギーへの変換効率が上がり、エネルギー代謝を促進します。
代謝スイッチをオンにすることにより、体の中での代謝が活性化されるため、結果的には、お腹の脂肪が減ったりコレステロールが作られにくくなったり、食後に上がった血糖値が元に戻りやすくなったりします。しかし、運動不足や加齢で代謝スイッチはオンになりにくくなることが報告されています。
我々が着目したのは、代謝スイッチと、最近研究が急速に進んでいるポストバイオティクスという考え方です。ポストバイオティクスとは、腸内細菌が作り出す代謝物を摂取することで健康効果を直接調整できる方法です。
代謝スイッチと新しい栄養学の考え方に基づき、機能性関与成分となる原料を探した結果、『HMPA』という成分にたどり着きました。HMPAとは植物由来成分が乳酸菌によって代謝されたポリフェノールのことです」
ポリフェノールには様々な健康効果が知られているが効果には個人差がある。近年の研究から、ポリフェノールは腸内細菌の代謝によって効果が発揮されやすい状態に変換されることがわかってきた。腸内細菌がポリフェノールを代謝する過程で生まれる成分のひとつがHMPA。ただし、腸内フローラの状態によっては、HMPAにうまく変換できない人もいる。
「発酵の技術によってHMPAを生成し、直接HMPAを摂取できるようにした原料を発見しました。HMPAは継続摂取することにより代謝スイッチをオンにすることを通じてBMIが高めな方の内臓脂肪を減らす機能、LDLコレステロールが高めな方のLDLコレステロールを下げる機能、食後血糖値が高めな方の食後に上昇した血糖値を下げる機能が報告されています。
我々が着目してきたHMPAですが、最近では他社さんでも注目をしており、HMPAを配合した機能性表示食品の需要が増えてきています」
社員向け福利厚生施設「サンスター心身健康道場」の理念をもとに生まれた健康食品シリーズ「健康道場」から新発売されたのが「すらなS」。2022年10月に着手し、約3年をかけて開発された機能性表示食品だ。
機能性関与成分「HMPA」を1本に23mg配合し、機能性表示食品として、脂肪と糖の代謝を上げて、お腹の脂肪、コレステロール、食後血糖値を下げる機能を有している。原材料はリンゴ、日向夏、生姜、レモンの4種類。砂糖、食塩、保存料は不使用で、フルーティーなジンジャーレモン味で飲みやすい設計になっている。
「機能性関与成分であるHMPA を配合した『すらなS』は、1日1本、12週間の継続でお腹の脂肪とコレステロールが、4週間の継続で血糖値が下がることがデータで明らかになっています。100mlの飲み切りサイズですが、1本にバナナ約6.5本分もの食物繊維が含まれており、不足しがちな食物繊維をたっぷり補給することができます。
飲用シーンとしましては、脂肪の消費効率が上がる朝の飲用を推奨しています。忙しい朝でもさっと飲めるよう、使い勝手の良い紙パックを使用し、飲み切りサイズの100mlとなっています。
健康対策していることを実感していただきながら、毎日継続して摂取できる味を目指した結果、生姜の辛味を生かした味の設計になりました。生姜は、香りの良い生姜と辛味の強い生姜の2種類を使用、常温で飲用されるとより生姜の風味を感じられると思います」(サンスターグループ マーケティング戦略部 健康道場ブランドマネージャー 冨井夕子氏)
価格は100mL×30本入りで7,452円。販売チャネルはサンスターオンラインショップ、ポップアップストア、11月上旬からAmazon、楽天市場で販売開始予定。
【AJの読み】ストイックな対策が苦手な人に向けた機能性表示食品
先日もサントリーから「HMPA」を使った機能性表示食品の水「特水」が発売された。HMPAが注目されている背景には、生活習慣病関連の市場は7,000億円、うち約8割が脂肪関連の市場であり、今後も成長を見込まれるということがある。
「すらなS」のターゲットは、食事で脂肪を減らしたい、マイペースな運動と食事で脂肪を減らしたいという、食事で対策したいけれど、ストイックな方法は苦手と感じている中高年層。
筆者もまさにこのターゲットに当てはまり、加齢により代謝が落ちて脂肪が落ちにくくなり、これまでの対策では効果が出にくくなっていることを実感している。足に障害を負いウォーキングやジムでのトレーニングができなくなり、栄養指導を受け医師から言われた1日1400カロリー以下の食事しか摂っていないが、体重は全く減らない。
「すらなS」を常温で試飲してみた。甘い飲料が苦手なので、甘すぎると厳しいかな?と思いつつ一口飲んでびっくり。生姜の風味、辛さがガツンと前面に来る味。砂糖、食塩も不使用で、ほんのりとリンゴの甘みと柑橘類の酸味に生姜の風味が加わり、毎日飲んでも飽きない絶妙な味の設計。100mlという飲みきりの量も朝の時間帯でもさっと飲めて、継続するにはありがたい。
サンスターの通信販売では15%オフの30本入り6,334円になる定期便コースがあるので、まずは3か月間継続してみて腹囲に変化が出るか試してみたいと思う。
取材・文/阿部純子







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