
雪印メグミルクは骨の健康を通じて人々の挑戦を応援する『骨太な未来プロジェクト』を推進している。その活動の一環として「骨折に関する実態調査」を実施。骨折がもたらす精神的および経済的な負担を明らかにした。
本稿では同社リリースを元に、その概要をお伝えするとともに、専門家の解説コメントも紹介する。
骨折した約4人に1人が「骨粗しょう症または骨密度の低下」と診断

骨折した際に「骨粗しょう症と診断された」、または「骨密度が低下していると指摘された」と回答した人が合計で26%存在することがわかった。
さらに「骨折する前にしておけばよかったこと」を自由回答で聞いたところ、「骨密度」に関する言葉が最も頻出しており、多くの人が事前の骨密度検査の重要性を感じていることが示唆された。
■骨折経験者で骨折後に生活の中で何らかのサポートを受けた人は9割を超える


■骨折によってサポートする側、される側の双方に「精神面のつらさ」


骨折後に介護施設へ入所すると、高額な経済的負担が生じる場合も
骨折により、やむを得ず介護施設に入所するケースがある。今回の調査において、介護施設に入所した人の平均入所期間は51ヵ月(4年3か月)であることが判明した。この期間における月額費用と入所一時金を合計すると、入所期間中の総費用は2025万円に達する。
骨折時の介護費用の試算は次のとおり。
入所一時金(※1)+(月額介護費用(※1)×平均入所期間(※2))
※1 出典元:株式会社LIFULL seniorによる「2025年10月時点のLIFULL介護費用相場データ」
※2 出典元:雪印メグミルク:骨折による費用や損失に関する実態調査

この曜日骨折は医療費だけでなく、介護費用として家計に大きな影響を及ぼすことが明らかになった。また、平均入所期間について、3年未満で退所する人が多い一方で、10年以上の長期入所となるケースも少数ながら存在することもわかった。
■調査概要
調査名/骨折に関する意識・実態調査
調査期間/2025年9月12日~9月18日
調査方法/インターネット調査
調査対象/
<予備調査> 調査人数:1267人
(1)過去に骨折経験がある人(50代~80代男女):652人
(2)過去に親または配偶者・パートナーが骨折したことがある人(30代~70代男女):615人
<本調査> 調査人数:1000人
(3)過去に骨折経験があり、親または配偶者・パートナーにサポートされた人(50代~80代男女):500人
(4)過去に親または配偶者・パートナーが骨折してサポートした経験がある人(30代~70代男女):500人
専門家による調査結果の分析と提言
■将来の家計を守るために、元気なうちから始めたい「骨投資」
<ファイナンシャル・プランナー 飯田 道子氏>
人生100年時代を迎え、多くの方が「老後2000万円問題」に代表される将来の資金計画に不安を抱えています。今回の調査では、骨折後の介護に掛かる経済的負担リスクの可能性についても明らかになりました。
骨折がもたらす影響は、介護費用という直接的な支出だけでなく、ご家族が介護のために仕事を制限せざるを得ない状況になれば、世帯収入の減少にも繋がります。
そこで、ファイナンシャル・プランナーとして強く提唱したいのが、将来の家計を守るために、元気なうちから始める「骨投資」という考え方です。「骨投資」とは日々のバランスの取れた食事の摂取や、定期的な運動を行うことが含まれます。
日々の小さな積み重ねが、将来の経済的損失を防ぐ最も効果的で賢明な先行投資となります。ご自身と大切なご家族の未来を守るため、今日から始められる「骨投資」で安心して過ごせる未来を築いていただきたいと思います。

飯田 道子氏
Financial Planning Office Paradise Wave(パラダイスウエーブ)代表
ファイナンシャル・プランナー(CFP認定者)
金融機関勤務を経てFP資格を取得。現在は各種相談業務やセミナー講師、執筆を中心に活動中。
■骨の弱化に備えて骨密度をチェックして、日常生活を見直すことが重要
<ゆりクリニック 院長 矢吹 有里 先生>
今回の調査で注目すべきは、骨折が単なる身体の負傷にとどまらず、サポートする側とされる側の双方に影響を与えている点です。「精神的につらい」と回答する人が多く、介護される側は自立した生活が一時的に難しくなる一方、介護する側は送迎や病院付き添いによって自身の時間が拘束され、精神的負担が生じています。そのため、骨折は単に骨の回復を目指すだけでなく、心のケアも不可欠です。
また、骨折した方の約1/4は骨が弱っていることがわかりました。この背景には骨粗しょう症があり、わずかな衝撃でも骨折し、寝たきりや介護の原因となります。さらに骨密度が低下すると、顔の骨が委縮して「骨やせ」が起こります。頭蓋骨は30代から骨密度が低下し、顔の筋肉を支えるじん帯が緩み、皮膚のしわやたるみの原因にもなります。
自覚症状がなくても、経済的・精神的負担につながる骨の弱化に備えて骨密度をチェックし、日常生活を見直すことが重要です。
矢吹 有里 先生
ゆりクリニック 院長 「骨太な未来プロジェクト」アドバイザー
東京女子医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科学会入室。
国立病院機構東京医療センターなどに勤務後、2017年「ゆりクリニック」(東京・田町)を開院。骨粗しょう症予防を美容医療の視点から考える「骨美容」を提唱。
関連情報
https://honemirai.meg-snow.com
構成/清水眞希