ChromeOS FlexでのWindows延命のデメリット
デメリットはどうか。原田氏は次の3つを挙げる。対応策も合わせて教えてもらった。
●正常に動作しない機能がある恐れ
「ChromeOS Flexは、特定のハードウェア用のドライバを持たないため、Wi-FiやWebカメラ、指紋認証などが動作しない場合があります。特に公式リスト外の機種やSIMカードスロット搭載モデルなどは、試すまで不明な点が多いです。
インストール作業は後戻りできず、元のOSに戻すのも困難なため、事前にUSBメモリから『お試し起動』を行うことが極めて重要です。この段階で主要機能が使えるかを確認することを強く推奨します」
●Androidアプリは利用できない
「ChromeOS Flexは、新品のChromebookと異なりGoogle Play ストアに非対応のため、Androidアプリは一切利用できません。また、Microsoft OfficeやAdobe製品などWindows用のインストール型ソフトも使えないため、Web版や代替のクラウドサービスへの移行が必須です。例えばOfficeはクラウドサービスの『Microsoft 365』経由で利用できます。
これは一見不便ですが、業務をクラウドに統一し、端末にデータを保存しない運用に切り替える好機でもあります。結果として、情報漏洩リスクを低減し、より安全な環境を構築できるという利点にも繋がります」
●HDDやSSD内のデータは完全に上書きされる
「ChromeOS Flexをインストールすると、HDDやSSD内のデータは完全に上書きされ、復旧できません。外部専門業者によるサルベージという特殊な方法であっても復旧は非常に困難です。作成した書類や写真はもちろん、Windowsの設定、企業利用では重要なアクセスログなどもすべて消滅します。作業前には、必要なデータが何であるかを慎重に確認し、外部ストレージやクラウドへ必ずバックアップを取ることが極めて重要です」
使えなくなった「Windows 10」搭載PCをChromeOS Flexで延命する方法は、買い替えの有効な代替策の一つであることは確かなことだ。とはいえ、デメリットもあるため、PCの利用目的に応じて選択するのが良さそうだ。
取材・文/石原亜香利
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