2011年に藤井風の「きらり」の楽曲、TVCMソングとともに鮮烈なデビューを飾った2代目ホンダ・ヴェゼル。何しろ発売から約1か月の受注台数は月間販売計画の6倍以上なる約3万2000台に達したヒット作であった。2024年3月には内外装をリフレッシュし、走行面での改良、Honda SENSINGの性能向上が行われた初のマイナーチェンジが実施されている。
そして2025年10月24日にコンパクトSUVのヴェゼルに新グレードとなる、待望のe:HEV RSグレードが追加されることになった。初代にも存在し、ヴェゼル人気の一端を担っていた、ホンダならではの走りを追求したのがRSグレードだったのである。
ターゲット層を30~40代としたヴェゼルe:HEV RSは「アーバンスポーツヴェゼル」をグランドコンセプトとし、デザインと走りを磨くとともに、スポーティさを追求したモデルなのだが、見逃せないポイントが全高だ。つまり、e:HEV Z・PLaYパッケージの1590mmから1545mmとすることで、ロー&ワイドなプロポーションを強調し、より低重心な走りを実現するとともに、全高1550mm制限の立体駐車場への入庫容易性を高めているのだ。
エクステリアではRS専用のフロントグリル、フロントバンパーロアーグリル、フロント&リヤバンパーモールディング、ドアロアガーニッシュ、RSエンブレム、ブラックドアミラー、18インチベルリナブラック+ダーク切削アルミホイールなどが採用されている。
インテリアも一目でRSと識別できるスポーティなあしらいが満載だ。黒を基調に赤のアクセントが随所に盛り込まれ、具体的には本革巻ステアリング、アームレストなどにレッドステッチが施され、インパネガーニッシュやドアライニングガーニッシュにもレッドカラーのモールが採用され、走りへの期待を高める。装備面ではヴェゼルの最上級グレードとなるため、Honda CONNECTディスプレーとともにナビゲーション機能が標準装備される点もポイントだ。
さらにシートもRSグレードならではで、表皮に上質かつ耐久性に優れたプライムスムース×ラックススェードファブリックが用いられ、もちろんここにもレッドステッチが施されている。
ダイナミクス面では1.5L i-VTEC+2モーターハイブリッドのエンジン106ps、13.0kg-m、モーター131ps、25.8kg-mのスペックに変わりはないものの、RS専用のローダウンサスペンション、電動パワーステアリングのチューニングが行われ、さらなる安定性とリニアなステアリングフィールを実現しているという。すでに全高がe:HEV X、e:HEV Z、Gグレードの1590mmからいきなり45mmも低い1545mmに低まっていると説明したが、それはRS専用ローダウンサスペンションによるところだけではなく、ルーフから飛び出たシャークフィンアンテナをガラスプリントアンテナに改めた両方の仕様変更によるものだ。
こうしてヴェゼルには、都会派クロスオーバーモデルのe:HEV Z・PLaYパッケージとアウトドアテイストを強めたe:HEV X・HuNTパッケージというハイブリッドモデルとGのガソリンベースモデルに加え、モアプレミアム、モアスポーティなハイブリッドモデルのe:HEV RSの4グレードが揃うことになり、ヴェゼルの選択肢が一気に広がったことになる。個人的には、これまでのヴェゼルはホイールアーチとタイヤの間の隙間が気になっていたのだが、RSのピアノブラックのホイールアーチモールディングと18インチタイヤによって、e:HEV Z・PLaYパッケージ同様に、それが気になりにくくなったのも大いなる収穫だと感じている。
そんなe:HEV RSの試乗記は、11月に入ってから改めて報告したい。
文・写真/青山尚暉







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