
エクスペディア・グループはこのたび、エクスペディアとホテルズドットコムを含むエクスペディア・グループ内のデータに加え、日本を含む世界18地域における24,000名の旅行者を対象としたグローバル調査結果に基づき、2026年の旅行トレンドを5つまとめた「Unpack ’26」を発表したので、詳細をお伝えしよう。
話題になる前に知っておきたい、世界中の旅行者が関心を寄せる2026年版「今年の注目旅行先」
エクスペディアのサイト、およびアプリにおける数百万件の利用データをもとに厳選した2026年版「今年の注目旅行先」。まだ話題になっていないものの、世界中の旅行者の関心が高まっており、検索数も増加*1している旅行先を10か所紹介しよう。
これらの旅行先のうち「ビッグ スカイ」、「沖縄」、「サヴォワ」、「ユークルエレット」、「コッツウォルズ」、「ホバート」の6か所は、エクスペディアの新しい「スマート・トラベル・ヘルスチェック」に認定されている。
この旅行業界初となる制度は、旅行者にとって魅力的な体験を提供しつつ、観光が地域に過度な負担をかけないよう配慮している旅行先を評価する仕組みだ。
世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)の考え方をもとに作られており、オーバーツーリズムの軽減にも役立っている。
その地域ならではのスポーツを楽しむ「スポーツ観戦の旅」
2026年は多くの国際的なスポーツイベントが開催される一方で、その地域ならではのローカルスポーツを観戦する旅行が注目を集めている。
世界の旅行者の57%が「旅行中にその地域ならではのスポーツを観戦したい」と回答しており、地域固有のスポーツ文化や体験への関心が高まっていることがわかる。
特にZ世代とミレニアル世代ではその傾向が強く、68%が日本の相撲やタイのムエタイなど、その地域のスポーツを間近で観戦したいと回答した。
また、旅行時にその地域ならではのローカルスポーツを観戦したい理由について、日本人の旅行者は、「その地域の伝統や文化を学びたい(55%)」が最も多く、次いで「観戦時の雰囲気やエネルギーを感じたい(51%)」「自分が住んでいる地域では見られないスポーツを観戦したい(51%)」という回答が続いた。
日本人はスポーツそのものだけでなく、その地域のコミュニティや文化に触れ、地元の人々の日常を体験する旅を求めている様子がうかがえる。
歴史的建造物をリノベーションしたホテルで「リノベ宿ステイ」
世界では歴史的な建物を活かしつつ、最新の設備を整えてリノベーションしたホテルを選ぶ旅行者が増えており、かつて学校や駅、銀行として使われていた建物を改装した個性豊かなホテルが注目を集めている。
「リノベ宿ステイ」の魅力は、快適さはもちろん、建物の歴史や文化を感じながら滞在できることにある。
ひとつの旅行先で複数のホテルに宿泊する「ホテルホッピング」
世界の旅行者の半数以上(54%)が「ひとつの旅行先で複数のホテルに宿泊したい」と回答しており、「ホテルホッピング」が新たな旅行トレンドとして注目を集めている。
その理由として最も多かった回答は「さまざまなエリアを観光するため(50%)」、その他には「よりお得な値段で宿泊するため(35%)」などが挙げられた。複数のホテルに宿泊することで、旅の充実度を高めたいと旅行者は考えていることが伺える。
一方、日本人の回答に限定すると、半数以上(56%)の人が「旅に変化とワクワク感を加えるため」と回答し、この割合は世界で最も高い結果に。ひとつの旅行でも常に新鮮な体験や刺激を求めていることがわかる。
また、どのような旅行で複数のホテルに宿泊することを検討するかという質問に対して、世界の旅行者では「都会での滞在(53%)」や「リゾート島での滞在(48%)」が上位に挙がった。
一方、日本人は半数以上(59%)の人が「グルメ旅行」と回答しており、世界で最も高い割合となっている。日本人は食への関心が高く、ひとつの旅でさまざまな地域のグルメを堪能したいと考えていることが判明。
「ホテルホッピング」は特にZ世代やミレニアル世代に人気で、4人に1人(25%)が仕事のついでに観光もする「ブレジャー」の旅行は、複数のホテルでの滞在を楽しむ絶好のチャンスだと考えているようだ。
3年連続で注目のトレンドに!テレビ番組や映画の影響で旅行先を選ぶ「ロケ地巡り旅2026」
2022年以降、毎年トレンドとして注目を集め続けている「ロケ地巡り旅」は引き続き人気の旅行スタイルとなっている。
世界の旅行者の半数以上(53%)が「過去1年間でロケ地巡り旅への関心が高まった」と回答。さらに、世界のZ世代・ミレニアル世代の81%が「映画やテレビ番組で見たロケ地をもとに旅行を計画している」と回答した。
日本人においても、「実際にロケ地巡り旅を予約したことがある」と回答した割合は半数近く(49%)に上り、世界で2番目に多い割合となっている。
また、旅行先を決めるのに影響を受けたものについて、世界の旅行者では「SNS(49%)」が最も多く、次いで「動画配信サービスの番組や映画(40%)」が続くのに対し、日本では「テレビ番組(46%)」が最多で、次いで「本(26%)」という結果に。特に「本」と回答した割合は日本が世界で最も高い割合となった。
2026年はイギリスのヨークシャーのなだらかな丘陵地帯やクロアチアの壮大な海岸線など、世界中の魅力的な旅行先が人気を集めると予測されている。映画やドラマで心をときめかせた風景に、実際に足を運んでみてはいかがだろう。
調査方法
グローバル戦略調査会社OnePoll がエクスペディア・グループの代理で、Market Research Society(市場調査協会)の行動規範に基づき、2025年6月27日~8月3日の期間で世界18地域(アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、ブラジル、イギリス、フランス、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、アラブ首長国連邦、トルコ、シンガポール、韓国、香港、日本)において、今後3年以内に国内または海外旅行を計画している成人24,000名を対象にオンラインで実施したもの。なお、Z世代は18~24歳の回答者を指し、Z世代とミレニアル世代を合わせたグループは18~44歳の回答者を含む。
*1 エクスペディアにおいて、2024/1/1~12/31と2025/1/1~12/31に検索された旅行件数の比較
関連情報
https://www.expedia.co.jp/unpack26
構成/Ara