
マーケティング論の第一人者として日本でも有名な米国ノースウェスタン大学のフィリップ・コトラー教授は、「ブランドとは、個別の売り手または売り手集団の財やサービスを識別させ、競合する売り手の製品やサービスと区別するための名称、言葉、記号、シンボル、デザイン、あるいはこれらの組み合わせ」と定義している。
では、ブランド力が最も高い自治体はどこなのだろうか。大東建託は、18万人を超える回答を集めた大規模なブランド調査を行い、「いい部屋ネット 自治体ブランドランキング2025<首都圏版>」として集計したので、結果を紹介しよう。
自治体ブランドランキング2025<首都圏版>、1位は「神奈川県鎌倉市」
「自治体ブランドランキング」は、全国的に「イメージが良い・知名度が高い街(ブランド力)」を調査したランキングだ。
本調査では、全国約18万人から一人あたり10カ所の居住地以外の全国の各自治体に対するイメージDI(Diffusion Index:良いイメージがあるという回答比率から悪いイメージがあるという回答比率を引いたもので最大100%最低0%)と、認知率を掛け合わせることでランキングを作成。
そのため、イメージが良くても認知度が低い自治体のランキングは低くなる。「良いイメージ」があっても、多くの人に知られていてこそということから、「イメージDI」に「認知率」を掛けることで、として「ブランド偏差値」を算出した。
なお、表の右にある「訪れたことがある」は、「ブランド偏差値」の集計には入っていないが、最近話題となっている「交流人口」等の関連で参考になると考えて公開している。
全体的に、「住みここち」や「住みたい街」との相関は低く、それらのランキング結果とは異なる自治体が上位に入っていた。
ランキング上位(=「ブランド偏差値」の高い)の自治体は、歴史や伝統があり、温泉など観光地として有名な街が多い。観光地以外では、特産品などがイメージされる自治体が上位に入っている。
また昨年は、ブランド偏差値が50未満で順位が非公開となっていた大阪市だが、今年は241位へと大きく順位を上げた点が注目される。これは大阪・関西万博が経済効果だけではなくブランド向上にも大きく寄与したことを示している。
調査概要
調査方法:マクロミルの登録モニタに対してインターネット経由で調査票を配布・回収。
回答者:
全国47都道府県(対象自治体1,890)居住の20歳以上の男女、182,805名を対象に集計。
[男女比] 男性55.2%:女性44.8%
[未既婚] 未婚38.3%:既婚61.7% [子ども] なし42.7%:あり57.3%
[世代比] 20歳代8.9%、30歳代16.6%、40歳代22.9%、50歳代26.8%、60歳代18.1%、70歳代6.6%
調査期間:2025年2月21日(金)~3月10日(月):2025年調査(回答者数:182,805名)
関連情報
https://www.eheya.net/sumicoco/
構成/Ara