「Sora2」は何がスゴいのか？物理法則を理解する動画生成AIの衝撃

Sora2は、2025年9月30日にOpenAIからリリースされた次世代AIモデルです。物理法則を理解し、実際に撮影された動画のように自然な映像・音声を生成します。

本記事では、OpenAIの新しい動画・音声生成AI「Sora2」をご紹介。特徴、料金プラン、使い方や使いこなすコツをまとめました。

AI技術を活用してクリエイティブな動画を制作したい方、AI技術に興味のある方はぜひ参考にしてください。

OpenAI Sora2の概要

はじめにSora2の基本的な情報をチェックしておきましょう。どのようなAIなのか、どのような料金プランがあるのかといった概要をご紹介します。

■高度な物理法則を理解する動画・音声生成モデル

Sora2は、ChatGPTで有名なOpenAIが開発した次世代AIモデルです。物理法則への理解を深め、より現実に近い動きの再現を可能にします。

従来のAIモデルでは、テキストのプロンプト（指示）を忠実に再現しようとして人物や物体を歪めたり、物理法則に逆らったりする不自然な映像を生成することが多々ありました。

今回のSora2では、複雑なプロンプトにも対応しつつ、まるで現実に起こったことのように自然な動画の生成ができるようになったのです。

■Sora2の料金プラン

Sora2は2025年11月後半現在、無料で利用できます。さらに、ChatGPT Proを利用するユーザーは、より高品質なベータモデル「Sora 2 Pro」へのアクセスも可能です。

ただし、今後需要が供給を上回るなどの事情があれば、有料となる可能性もあるでしょう。

■開発者向け「Sora2 API」の提供を開始

「Sora 2 API」は、Sora2の商用利用やシステムへの統合といった用途に活用できる開発者向けのインターフェースです。

具体的な機能としては、ウォーターマークの非表示や、Webhookとの連携、アップロードした動画の細かな修正などが行えます。

Sora2 APIの利用料金は出力する解像度によって異なりますが、1秒あたり＄0.10からの従量課金制で利用が可能です。

OpenAI Sora2の特徴

ここからは、Sora2のより具体的な特徴に注目していきます。Sora2で何ができるのか理解を深め、効果的な活用シーンを想像してみましょう。

■物理法則に基づいた自然な動きの生成

Sora2の大きな特徴です。先述の通り、物理法則を理解した動画生成により、撮影せずとも実写のような映像制作が可能になりました。

ボールの転がり方や、水面の揺れ方、衣類のシワなど、目を凝らしても見分けるのが難しいほどの自然な動きを生成できます。

■より専門的な指示への対応

Sora2では、例えば「4K」「50mmレンズ」「中高度のドラゴンと並走し追跡するカメラ」「遠くで氷河が崩れ落ちる轟音」など、専門的な指示にも対応が可能です。

OpenAIの公式サイトでは、約1,500文字にもおよぶ詳細なプロンプトと、それらによって生成された約10秒間の動画が公開されています。プロンプトに忠実でありながら、自然な動画生成が可能であることがわかります。

参考：https://openai.com/ja-JP/index/sora-2/

■映像に合わせた自然なセリフ・効果音の生成

Sora2は生成した映像に合わせた効果音や、人物のセリフも生成できます。もちろん効果音やセリフはプロンプトで指示が可能です。

OpenAIの公式YouTubeチャンネルで公開された映像を見てみると、まるで実在する人物が話しているかのように再現されており、本物のビハインド映像のように見えますね。

■実在の人物を登場させる「Cameos（カメオ）」機能

Sora2に搭載されている「Cameos（カメオ）」機能では、アップロードした短い映像と音声からアバターを生成し、動画内のさまざまな場面に登場させられます。人物だけでなく、動物やオブジェクトといったさまざまな対象の再現が可能です。

■新しいSNSアプリ「Sora」のリリース

OpenAIは、Sora2を身近に体験できるSNSアプリ「Sora」をリリースしました。

Sora2を使用した作品の生成や投稿のほか、他のユーザーが生成した作品から新たな作品を生み出すリミックス機能や、前述の「Cameo」機能などが利用できます。

OpenAI Sora2の使い方

AIが身近なツールになりつつある昨今、Sora2に触れてみたいという方も多いでしょう。ここではSora2の使い方をご紹介します。

■Sora2 アプリをダウンロード

OpenAIが提供するSora2アプリは以下のAppStoreページからダウンロードができます。

https://apps.apple.com/us/app/sora-by-openai/id6744034028

■アプリ版 Sora2の基本的な使い方

アプリ版Sora2の使い方はとても簡単です。

1.AppStoreからSora2アプリをダウンロード

2.ChatGPTアカウントでログインし生年月日を入力

3.招待コードを入力しユーザー名とプロフィール画像を設定

4.画面下部の「＋」をタップ

5.「新しい動画を説明…」の入力欄にプロンプトを入力し送信

動画が生成されるまでの間は、他の作業を行っていても問題ありません。また、画面右上の「…」をタップすると生成した動画のダウンロードも可能です。

■Web版 Sora2の基本的な使い方

PCやAndroid端末をご利用の方はWeb版のSora2を利用します。

1.SoraのサイトにアクセスしChatGPTアカウントでログイン

2.画面下部の「Join NEW Sora」をクリック

3.「Enter invite code」を入力

4.画面下部の入力欄にプロンプトを入力

5.入力欄の右側にある設定ボタンから「縦型」「横型」の動画のタイプを選択

6.生成ボタンをクリック

しばらくすると動画が生成されます。こちらも画面右上「…」から生成した動画のダウンロードが可能です。

OpenAI Sora2を使いこなすコツ

高精度な生成AIとはいえ、イメージ通りの動画を生成するにはいくつかのポイントがあります。ここではSora2を使いこなすコツをご紹介します。

■プロンプト作成の基本的な考え方

Sora2は、一度の指示でイメージ通りの作品を生成できないこともあります。ドラマや映画の撮影のようなイメージで、少しずつ細かな指示を加えながら調整をしていく流れを基本として考えましょう。

また、事細かに頭の中のイメージを再現するのももちろん良いのですが、あえて曖昧な指示を与えることで、AIのアイデアを引き出すことも有意義な活用方法と言えます。

■視覚的な情報や動きを具体的に記述する

Sora2へ与える指示は、自身が思っている以上にかみ砕いて伝えるイメージで記述することが重要です。

例：

×　ベッドから眠そうに起き上がる少年

〇　ベッドで眠る少年が眠そうに片目を開け、枕もとの棚にあるスマホの時間を確認したあとに気だるげに起き上がる。カーテンの隙間から見える窓の外はまだ少し薄暗い。

あくまでも一例ですが、このように1つのシーンにおいても事細かに情報を与えると、よりイメージに近い映像に仕上がるでしょう。

■技術的な制約を理解する

Sora2のプロンプトでは、動画の解像度と動画の長さを指定することはできません。文章ではなく、パラメータと呼ばれる値で別途設定する必要があります。

※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。

文／まじめさん