音声録音だけでなく画像やテキスト入力、ハイライト記録も!〝考える〟AIボイスレコーダー「Plaud Note Pro」がスゴかった!
2025.10.17
■連載/阿部純子のトレンド探検隊
世界累計100万ユーザーを突破したPlaudシリーズの最新フラッグシップモデル「Plaud Note Pro(プラウド ノート プロ)」(シルバー/ブラック 各30,800円)が10月14日より日本市場で発売された。
本製品は今年9月にドイツ・ベルリンで開催されたIFA 2025で「Best in Accessibility Focused Product」最優秀賞を受賞。ワンタッチで重要箇所を記録する「ハイライト記録機能を新搭載したほか、4基の超小型の高性能マイクとAIの頭脳で人間の耳以上に音を聞き分ける「AI指向性収音技術」によって、ノイズを抑制しながら収音範囲は最大5mに上る。
音声、画像、テキスト、ハイライト入力対応のオールインワン型AIボイスレコーダー
Plaudシリーズの開発は、PLAUD Inc. CEO兼PLAUD株式会社 代表取締役であるネイサン シュー氏の投資家としての実体験がきっかけだった。
「私たちは人と会話をするとき、目、耳、口を使って見て聞いて話し、脳を使って理解し、分析をして記憶します。しかし、正しく記憶できるかどうか不安でもあるためメモを取りますが、メモからスマートフォンやPCに入力するときには、すでに80%~90%の重要な内容や文脈が失われています。
さらに、投資家として数多くの貴重な対話を経験する中で、その場でメモが取れない場面の多くに直面しました。魅力的なアイデアは日常の何気ない会話に含まれており、これらを記録し活用する需要があると考えたのです。
この実体験から生まれたのが2023年の夏に発売した初代『Plaud Note』で、日本では昨年の10月に発売したウェアラブル型『Plaud NotePin』を経て、今回『Plaud Note Pro』をリリースしました。現代のビジネスパーソンが抱える、議事録作成、音声メモの手作業による時間的負担を削減し、会議参加者が会話に100%集中できる環境を実現します」(シュー氏)
170以上の国と地域で展開するPlaudシリーズは、米国に次いで第2位が日本の市場となっており、意思決定者であるビジネス幹部や、医師、弁護士、コンサルタントといった専門知識を有するナレッジワーカーをユーザーターゲットとしている。
搭載されているPlaud Intelligence機能は、録音での音声入力・文字起こしに加え、スライドやホワイトボードをスマホで撮影して画像入力もでき、その場で思いついたアイデアを文字でテキスト入力、重要な瞬間をワンタッチで記録する「ハイライト記録」といったマルチモーダル入力に対応。AIがこれら4つを統合的に理解し、「どの資料について・誰が・何を発言し・ 何が重要だったか」という文脈まで正確に把握。より自分の意図に沿った実用的な議事録を生成する。
「Plaud Note Pro」から追加された「ハイライト記録」は、音声録音中に短くタップすることで、過去30秒まで遡ってその情報をハイライトとして記録することができる機能。
会議や打ち合わせの最中に見つかる重要な情報をキャプチャーして録音中に「ここが重要」という瞬間に目印をつける仕組みだ。後から一発で該当箇所へジャンプすることができ、ハイライトとして記録することで、AIが文脈を理解し、優先的に要約、整理をする。
「多次元要約」は、同じ録音データから参加者の役割に応じて異なる形式の要約を生成する機能。例えば、経営層には決定事項のみ、実務担当には詳細な議論内容、営業には顧客要望に特化した要約を提供する。
「我々は『テンプレートガイド』というテンプレートコミュニティを用意しており、実際に使っているユーザー様がカスタマイズしたテンプレートを投稿していただく機能があります。
現段階では、医療(SOAP形式)、コンサル、授業など3000種類以上の業界別テンプレートにアクセスすることができます。これを使うことによってプロフェッショナルな仕事をされている方々が、最適なものをピックアップして利用いただけます」(PLAUD株式会社 セールスディレクター 鈴木直幸氏)
ノートの記録から、検索して情報を引き出せる「Ask Plaud」は、質問にも根拠に基づき、最適な結論や次へのステップを回答する機能。Ask Plaudに追加した機能として、回答情報を要約と同じく新規のノートとして保存することができ、提案したものを情報として残すことができるようになった。
「ユースケースの一例としては、デバイスを会議室の中央に置き、まず会議を録音、さらに録音中に画像を取り込む、そして今思いついたことやひらめきをテキストで入力して、それらを全て組み合わせることによって性能の高い要約を実行できます。要約が生成された後にAsk Plaudに聞けば、さらに深掘った情報を入手できるようになります」(鈴木氏)
収音性能も進化し、4基の超小型の高性能マイク「MEMSマイク」を搭載。周囲の雑音を低減するAI指向性収音技術により、最大5m先の音声もクリアに捉えることができる。
また、「Plaud Note Pro」には振動接触センサー(VCS)を内蔵しており、本機をMagSafe対応ケースに入れて、スマートフォンの背面に装着することで、通話時の音声振動を直接キャッチして、録音することが可能。
さらなる進化ポイントとして、対面会話と電話通話を自動判別し、自分で操作することなくシームレスに録音モードを切り替える次世代録音システムを搭載した。
マグネット型の充電ケーブルが同梱されており、バッテリーの連続録音時間は50時間。デバイス本体は、家電量販店や公式サイトなどのECサイトで販売。
サブスクリプションは、文字起こし時間300分/月、無料の「Starterプラン」、同1200分/月、年額16,800円の「Proプラン」、同無制限、年額40,000円の「Unlimitedプラン」の3タイプ。
【AJの読み】「Plaud Note Pro」で録音すれば記事もサクサクと書けてしまう?
取材記者にとってボイスレコーダーは必須アイテムで、さまざまな製品を使用してきたが、文字起こしをしてくれるボイスレコーダーが登場してから、テープ起こしの手間が大幅に削減されて時間的負担が改善、利便性を実感している。
「Plaud Note Pro」は縦85.6mm、横54.1mm、厚さ2.99mmとクレジットカードと同じサイズの超薄型で重さも30gと超軽量。持ち運びには申し分のないサイズ。
試しに、CSパリーグファイナルステージ前日の日本ハム・新庄剛志監督のインタビューを録音してみた。文字起こしの部分では、考えが「場合」、線が「1000」、内野安打が「何ヤンダ」、キーマンが「キーパ」といくつか誤りがあったが、9割近くが正しく文字を起こしていた。
さらに要約の機能は以下の通りに。この分量のインタビューからここまで理路整然と要約されて出てくるのは驚きだ。新庄監督もここまで意図して発言していないと思うが(笑)。
ここまで短い会話でもきっちりとした要約ができる「Plaud Note Pro」を使えば、一人あたりの作業節約時間は年間260時間、節約時間の収入価値は年間62万円になるとのこと。
確かに、取材音声の文字起こしをしながらプロットや仮タイトルまで提示してくれるので、発表会やインタビューの記事もサクサク進み作業節約時間は大幅に上がりそう。
文字起こしだけでなく画像やテキスト入力、ハイライト記録で、相手の発言や画像、アイデアとすべての情報をまとめくれるAIボイスレコーダー「Plaud Note Pro」。メモをしなくても会議や打ち合わせに集中でき、会話の中で生まれたアイデアやひらめき、大事な言葉を漏れなく反映させてくれる、オールインワン型の最先端ボイスレコーダーといえる。
取材・文/阿部純子