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1日10時間描き続ける14歳画家の情熱から生まれた「つぶつぶアート」の世界

2025.10.31

とかく考えること、やるべきことが多い現代社会。いつだって最高のパフォーマンスを発揮するためにも、時には無心になったり頭をからっぽにしたりする時間が必要だ。

とはいえ、今すぐ癒しの旅に出るのは難しい。そんなビジネスパーソンに勧めたいのが、2025年9月に発売された『つぶつぶアートぬりえ』(Conoca著)だ。

小さなの〝つぶ〟をひとつひとつ丁寧にぬり重ねることで、21種類の愛らしい動物やめずらしい生き物が、いきいきと輝き出す、新感覚のアート体験。モチーフは非常に細かいが、ぬること自体はやさしい。色鉛筆さえあれば、いつでもどこでも心癒されるひとときが楽しめると、多くの人を魅了しているのだ。

手がけるのは、14歳ながら、国内外で活躍するアーティストだという。一体、どんな人物なのだろう?

『つぶつぶアート』とは

『つぶつぶアートぬりえ』を手がけたのは、2011年に東京で生まれた画家・Conoca(コノカ)さん。ベースとなっているのは、Conocaさんの独自技法「つぶつぶアート」だ。

社会体験になればと考えた母親のサポートで、自身の作品をはがきやTシャツにしてマルシェに出店したことも。

Conocaさんは7歳のころから本格的に絵を描きはじめ、9歳で「つぶつぶアート」を確立した。曼荼羅アートに着想を得た「つぶつぶアート」は、小さな〝つぶ〟を描き重ねることで、絵全体が少しずつ形になっていくというもの。インターネットや図鑑で見かけた動物の絵を参考に、黒いペンで縁取りしてから、主に色鉛筆で着色しているという。

10歳のころ描いていた「つぶつぶアート」。技法の名付け親は、Conocaさんの活動を応援してくれているママなのだとか。

「小さなころからアクアビーズやLEGOなどの、細い遊びが大好きでした。絵も同じで、細かな模様を描いていましたね。それを丸やもこもこなどのシンプルなかたちに落とし込んだものが『つぶつぶアート』です。最初はパステルや水彩も使っていたのですが、細かなところまで書き込みたくて、色鉛筆に辿り着きました」

絵に命を吹き込む目には、かなりこだわっている。目の光には、アクリル絵の具や白いペンを使うそうだ。

「モチーフは、大好きな動物です。関節や骨、筋肉の動きを大切に、いちばん力を入れているのは目の光。瞳の濃淡や光の位置を意識して描くことで、いきいきとした表情が生まれます。それに目に力あると、こちらを見つめ返してくるような感覚があって、絵を描くのが楽しいと感じるんです」(以下「」内、全てConocaさん)

14歳の画家・Conocaさんの素顔とは?

10歳のころのConocaさん。すでに貫禄が漂う。

10歳で開いた初めての個展では、ほとんどの作品があっという間に成約。その後も国内外で展示を重ね、テレビ番組やWebメディア、雑誌などでもたびたび取り上げられるなど、多方面から注目を集めている。なかでも絶滅危惧種の動物たちを題材にした作品には、社会的なメッセージも込められており、国内外で高い評価を受けるなど、14歳ながら「天才」と評される画家だ。

「描き続けるうちに、好きな動物の多くが絶滅危惧種だと知りました。だからこそ、絵の中ではキラキラと生きていてほしい。誰かの心が動いたら、その動物はそこに〝存在している〟ことになる気がするんです」

現在、1日10時間ほど絵を描いているというConocaさん。将来は海外でも活動したいという想いを応援する母親のサポートもあり、小学生のころからホームスクールというかたちを取り、精力的にアーティスト活動を続けている。

こう聞くと、近づき難い才女のように感じるが……その素顔を覗くと、私たちのとなりにいても不思議ではない、どこか親しみを感じる一面も。

14歳になり、活躍の場はますます広くなった。

「今は、ピアノを弾いたり、ファンタジー小説を読んだりするのが好きです。小説は、『エラゴン 意志を継ぐ者』という長編小説にハマっています。

絵を描くときは、だいたい音楽を聴いていますね。中でも好きなのは、UNDERTAIL(アンダーテイル)というゲームの、すごくキレイな音楽。リラックスした状態で描いています。

ハマっている小説は、ファンタジー小説。「かなり長編ですが、読む手が止まりません」。

描くサイズにもよりますが、A4サイズの作品を仕上げる場合、全部で1週間くらいかかります。だから今は1日に10時間くらい描いているのですが、絵は勉強の息抜きというより、息抜きが勉強かな(笑)」

「つぶつぶアート」の要の一つが、細部まで塗り込んだ美しい色彩だ。作画中は集中した状態がずっと続くため、完成したときの達成感はひとしおだと笑う。

〝ぬりえ〟は夢のひとつだった

12歳のとき。ワオキツネザルを描いた色鮮やかな作品で、美術家の登竜門「昭和会展」で特別賞を受賞。

〝つぶ〟をぬってゆく「つぶつぶアート」を、子どもも大人も楽しめる〝ぬりえ〟にすることは夢のひとつだった、とConocaさん。12歳のときに美術家の登竜門「昭和会展」で特別賞を受賞したタイミングで、近しい編集者へその夢をはっきり告げたそうだ。

その後、夢は実現。出版に合わせ、作品は全て描き下ろしたそう。21点が仕上がるまでに4か月を要した。ぬりえには、Conocaさんオリジナルのタイトルやコメントもついている。

「身近な生きものから珍しい動物まで、好きな動物を選びました。どこにいるのか、どんな気持ちなのか、どんな様子なのかを、自分なりにインスピレーションして描いています」

表紙にもなっている「子ジカ」。どんなふうに仕上げるかは、あなた次第、そしてその時の気分次第だ。

ページをめくると、小ジカにライオン、ウマに、オオヤマネコ、ワオキツネザル、レッサーパンダなど。さまざまな動物が、愛くるしい表情や勇ましい姿で収められている。

せっかくならキレイにぬりたい。コツを聞くと「まずは、目や鼻など顔中心からぬること」。全体のバランスがとりやすくなり、体や背景の色もぬりやすくなるという。また、つぶのいちばん内側の〝きわ〟からぬることにより、はみ出しも少なくなるそうだ。さらに、ひとつぶの中でグラデーションにするのもConocaさんのおすすめ。

筆者も『つぶつぶアートぬりえ』にトライしてみた。アドバイス通り、顔の中央から。Conocaさんの真似をして、鼻まわりは青系を選んでみた。

「グラデーションにするときは、薄い色からぬるといいですよ。色をなじませたいときは、重ねぬり。ひとつの色にそっと別の色を重ねると、深みや温かみが生まれます。色の組み合わせは自由ですが、なじませたいときは青には緑などといった同系色。挑戦したい場合は、青にピンクとか青に黄色など、別々の色を重ねてみてください」

約2時間で完成!表紙と同じ子ジカだが、選ぶ色やぬる人によって、印象はがらりと変わる。

色選びは、今どんな色を使いたいかという気持ちを大切にしてほしい、と続ける。

「好きな色同士を合わせることで新しい魅力が生まれます。〝自分の好き〟を信じて選んでみてください」

大好きな動物のためになることをしてゆきたい

たくさんの人に楽しんでもらえる絵、自分の心が動いたものを、もっともっと描きたいというConocaさん。現在は10号のキャンバスや画用紙に描いているが、さらに大きなキャンバスや、いつかは壁画にもトライしたいと語る。

さらに、「海外で活動する中で、犬や猫はもちろん、野生動物や絶滅危惧種の動物も保護したい」とも。それもこれも、好きな動物のためになることをしてゆきたいという、まっすぐな理由だ。

14歳らしいピュアでフレッシュな一面と、世界を見すえる一流画家という絶妙なバランスが同居するConocaさん。最後に、@DIME読者へメッセージをもらった。

「私の好きな動物を集めた『つぶつぶアートぬりえ』の中から、好きなものを好きな色でぬってみてください。完成したら1枚ずつバラせるので、額装して飾っていただくこともできます。みなさんがぬった作品を見たいので、完成したらSNSでシェアしていただけると嬉しいです」

目の前の動物と向き合う時間は、心頭を滅するにふさわしいひとときであった。

『つぶつぶアートぬりえ』
(著)Cocona

取材・文/ニイミユカ

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1983年、兵庫県生まれ、東京・浅草在住。朝ランが日課の編集者・ライター。女児の母。大阪の大学を卒業後に上京。編集プロダクション勤務を経て、フリーランスに。「衣食住子」と地に足のついた企画を編集・取材・執筆しています。Instagram @yuknote

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