
物価上昇を受けて昇給をする企業も増えているようだが、消費者の購入意欲などに変化はあるのだろうか。さまざまな調査やAI分析サービスなどを展開するマイボイスコムは、11回目となる「消費意識」に関するインターネット調査を実施した。購買意欲や消費に関する考え方などについての調査では、1年前より生活全体の支出額が増えたと回答した人が6割弱と、2024年の調査と比較して増加していたという。
2024年前と比較して支出額は6割弱が増加と回答
1年前より生活全体の支出額が増えた人は、「増えた」と「やや増えた」を合わせて6割弱という結果になった。これは2024年調査よりも増加している。区分では、男性30代で支出額が増えた人の比率が低く、「変わらない」が高かった。
■2024年前から収入額が増えたのは2割弱
1年前より生活全体の収入額については、「増えた」と「やや増えた」を合わせて2割弱の人が増えたと回答している。減った人(「減った」「やや減った」の合計)は2割強で、「変わらない」が6割強だった。世代では、若年層では増えた人の比率が高く、男性60代では減った人の比率がやや高くなっていたという。
1年前よりお金をかけていることのトップは食品・飲料
1年前よりお金をかけていることを複数回答で質問すると、「食品・飲料」が34.5%、「旅行、レジャー」が21.8%、「外食、グルメ」が16.8%という結果になった。「外食、グルメ」、「BD・DVD、CD、書籍、漫画、ゲーム」は若年層、「衣料品、アクセサリー」、「美容、化粧品」は女性若年層で高い傾向だった。1年前より収入が増えた人では、「食品・飲料」と「金融商品、投資」の比率が高かったという。
一方でお金をかけたいが我慢していることがある人は6割強だった。我慢していることを複数回答で質問すると、「旅行、レジャー」が30.3%、「外食、グルメ」が21.9%、「衣料品、アクセサリー」が16.7%という結果だった。女性の10代から40代では、「衣料品、アクセサリー」「美容、化粧品」がやや高く、「旅行、レジャー」は男性若年層や女性10代と20代で低い傾向になったという。
今後1年間の購買意欲は高くなる傾向
今後1年間の購買意欲の変化について質問すると、「高くなる」と「やや高くなる」を合わせた約9%が購入意欲が高くなると回答した。この割合は10代から30代で高く、特に10代と20代では3割弱と顕著で、低くなると思う人を上回っていた。ちなみに購入意欲が変わらないと回答した人は、63.9%だった。
消費に関する考え方と行動
消費に関する考え方・行動について複数回答で質問すると、「収入に見合った買い物をするべきだ」が41.4%、「必要な物かどうかをよく考えてから買う」が37.3%、「とにかく安く経済的であることを重視する」、「話題になっているものでも、自分の趣味にあわなければ買わない」が各3割弱という結果になった。
今後1年間の購買意欲が高くなると回答した人では「高齢者の年齢に入り残り時間を意識するようになり、これまでの節約してきた人生を振り返り「そろそろ使う楽しみ」を実感してもいいなと考えるようになったから」(女性68歳)や「どんなに食品や米が値上げしても、私は基本、食べ物を見たり買ったりするのが好きだから、その意欲だけは持ち続けたいと常に感じています」(女性40歳)といったコメントがあった。
購入意欲が低くなると回答した人は、「物価が上がるが給料が見合った上昇率ではないので、購買意欲は低下している。よく考えて、購入するようにしている」(女性47歳)や「物価上昇率があまりに高いため、今までと同じような生活をしていては投資に回せる資金がなくなってしまいそうだから」(男性37歳)などのコメントがあった。消費意欲が高い人はポジティブな回答が目立ち、消費意欲が低い人は先行きの不安を感じているようだ。世間の景気への期待感と将来に対する考え方が消費意欲の動きにつながっているといえるだろう。
「消費意識に関する調査」概要
調査対象:マイボイスコムのアンケートモニター
調査時期:2025年9月1日~2025年9月7日
回答者数:1万1474名
調査方法:インターネット調査(ネットリサーチ)
出典:「マイボイスコム調べ」
構成/KUMU