高性能で高価格なプレミアムスマートフォンだが、グローバル市場では2026年上期に市場シェアで過去最高を記録するほど好調だ。グローバル市場調査会社のカウンターポイントリサーチは、2026年上期グローバルプレミアムスマートフォン市場における販売が前年⽐5%増加して、グローバルスマートフォン市場で販売全体に占めるプレミアムスマートフォンの割合が過去最⾼の29%へ上昇したという調査結果を公開した。この発表は、チャネル情報、POSデータ、ディストリビューターアンケート調査、公開データなどボトムアップデータソースとトップダウンリサーチの組み合わせによるカウンターポイント社独⾃の調査⽅法で実施した最新調査『Handset Model Sales Tracker』によるものだ。
グローバルプレミアムスマートフォン市場におけるブランド別販売シェア・2022年上期~2026年上期
『Handset Model Sales Tracker』によると、卸売平均販売価格600ドル以上のグローバルプレミアムスマートフォンの市場は、2026年上期も底堅く推移しており、販売は前年同期⽐で5%増加していた。グローバルスマートフォン市場の販売全体に占めるプレミアムスマートフォンの割合も2025年上期の25%、2022年上期の20%から過去最⾼の29%へ上昇した。シェア拡⼤の主な要因は、メモリー価格の上昇がローエンドおよびミドルレンジセグメントに影響したことだという。プレミアムスマートフォンメーカーは、利益率の⾼さを⽣かしてコスト上昇を吸収して、販売促進策を縮⼩することで厳しい市場環境でも需要を維持できたという。
プレミアムセグメントへの移⾏に関して、カウンターポイントリサーチのシニアアナリストであるHarshit Rastogi氏は、次のようにコメントしている。「メモリーやその他部品のコスト上昇は、スマートフォンの価格構造を変化させ、メーカーがプレミアム化を加速させる機会を⽣み出しています。ミドルレンジの『Android』スマートフォンの価格が上昇する中、プレミアムスマートフォン、特に旧世代モデルや値引きされたフラッグシップモデルとの価格差は縮⼩しています。この傾向により、消費者にとってフラッグシップスマートフォンが買い替え時のより魅⼒的な選択肢となっています。こうした移⾏を後押しするため、各メーカーは分割払い、下取り、買い取りプログラムを拡充し、購⼊しやすい環境を整えています。Samsung もフラッグシップ端末をより購⼊しやすくするため、「Galaxy Foreverプログラム」を複数の市場へ拡⼤しています」
AppleとSamsungがけん引し、中国勢が追随
2026年上期のプレミアムセグメント主要ブランドの動向では、Appleは標準モデルが好調だった『iPhone 17』シリーズにけん引されて、2026年上期に前年同期⽐9%も成⻑した。ただプレミアムセグメントでのAppleのシェアは、2022年上期の74%から2026年上期には65%へ低下している。その要因は、世界最⼤のプレミアムスマートフォン市場である中国で競争が激化したことが考えられる。Huawei、Xiaomi、OPPO、vivoなどの中国メーカーがフラッグシップ製品を強化しており、国内のプレミアムブランドを選ぶ消費者も増えているという。OPPOは、プレミアム化に注⼒して同セグメントでもっとも⾼い前年同期⽐69%の成⻑を記録したが、主な成⻑ドライバーとなったのは『Find X9』シリーズで、2026年4⽉に追加された新モデルも成⻑に貢献した。vivoは、『X300』シリーズが上期に前世代モデルを上回る販売実績を上げて、期間中に前年同期⽐20%も成⻑している。
Samsungに関しては、『Galaxy S26』シリーズの発売時期が遅かったにも関わらず、期間中に前年同期⽐3%ほど成⻑しており、同セグメントで19%のシェアを獲得した。業界初となるPrivacy Displayの導⼊が差別化要因になって、『Galaxy S26』シリーズの販売台数ではUltraモデルが半数以上を占める結果になった。
今後の⾒通しとしてカウンターポイントリサーチのシニアアナリストのKarn Chauhan氏は、次のようにコメントしている。「スマートフォン業界では、重点が出荷量拡⼤から販売価値と利益の最⼤化へと移る中、プレミアム化が重要な戦略となることでしょう。各メーカーは、厳しい市場環境下で利益率を維持するため、より⾼価格帯のセグメントを重視しています。⼀⽅、買い替えサイクルの⻑期化を背景に、消費者はより⻑期間使⽤できるプレミアム端末へ投資する傾向を強めています。AppleとSamsungは、先進国市場における強固な地位、統合されたエコシステム、ブランド価値に⽀えられ、今後もプレミアムセグメントで⾸位を維持すると予測されます。中国では、HuaweiとXiaomiがプレミアム製品のラインアップを拡充し、エコシステムを強化することで、より⾼価格帯のセグメントにおいてシェアを拡⼤する可能性が⾼いとみられます」
メモリー高騰などを受けて高額化は続きそうなスマートフォンだが、利益の最大化を考えると高価格帯へ進むのはしょうがないようだ。円安の日本としては、プレミアムスマートフォンの価格をどこまで許容するか考えたほうがいいだろう。
構成/KUMU




DIME MAGAZINE















