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ついにiPhoneが完全eSIMに!結局のところ「eSIM」と「物理SIM」どっちがいいのか?

2025.10.25

今年9月に発売のiPhone 17シリーズ。日本向け製品は、ついに「完全eSIM」になった。

スマホ本体のどこかに、SIMカードスロットというものがある。ここを開けてSIMカードを挿入すれば、そのカードの電話番号ですぐさま端末を利用することができる。しかし、eSIM専用機の場合はそのようなことはできない。そもそも「物理カード」自体が存在せず、それ故にSIMスロットなどというものもないからだ。

では、eSIM専用機にはどのようなメリットがあるのか? eSIMと物理SIM、果たしてどちらが便利なのか?

eSIMの「手間」

「日本市場向けのiPhone 17はeSIM専用機になる」ということは、iPhone 17発表前から噂として囁かれていた。

これはauの公式サイトにあった記載を根拠にした噂だった。9月1日から、My auとMy UQ mobileにおけるeSIM再発行及びeSIM転送を当面の間無料にするという発表を行ったのだ。これはiPhone 17の発売を念頭に置いた施策ではないか? ジャーナリストたちのその予想は、見事に的中した。

iPhoneの完全eSIM化を喜ぶ声もあれば、不安視する声もある。物理SIMは機種変更の際に「入れ替えるだけ」で前の番号を引き続き利用することができるが、eSIMは画面操作を行わないといけない。しかもそれは日常的な操作ではないため、多くの人は「これ、どうやるの?」と戸惑うはず。したがって、大抵の場合は通信会社のカウンターでスタッフにやってもらうという形になるだろう。

もっとも、どうせ通信会社の店舗に行く必要があり、物理SIMだったとしても諸々の開通手続きを経なければならないから、手間は変わらない……という見方もできる。

そしてこのあたりは、海外旅行の際に現地のSIMを購入する場合も同様だ。

物理SIMと針金

筆者は海外へ渡航する際、到着時に必ず現地の通信会社の対応窓口へ足を運ぶ。空港内の到着ロビーに必ず設けられているため、探すまでもなくすぐに見つかる。

最近では外国人旅行者向けのeSIMを発行する会社も増えている。スタッフにスマホを渡すと、実に慣れた手つきでeSIMの搭載まで行ってくれる。何と、スマホの表示言語が日本語になっている状態でも彼らは問題なく操作してしまうのだ。

また、eSIMの場合は針や針金を必要としない点にも言及すべきだろう。

物理SIMスロットを開けるには、小さい穴にピンを入れてやらなければならない。ピンでなくとも、とにかく「先端が細い何か」である。縫い針でも待ち針でも、爪楊枝でもいい。ただ、このようなものは手元にないのが普通で、通信会社のスタッフの立場から見ても「ピンを常時携帯していなければならない」という手間があるはずだ。

eSIMの場合は、もちろんそのような手間は発生しない。

スマホが故障してしまったら?

ここまで書くと、物理SIMにはまるでいいところがないように思える。

しかし、たとえばこのような事態は考えられないだろうか。スマホの突然の故障である。

今使っているiPhone 17が、ただの文鎮になってしまった。やむを得ず、9月まで使っていたiPhone SE3を引っ張り出してSIMカードを載せ替える……ということをしようと思っても、iPhone 17がeSIM専用機である以上はそうしたことはできない。この場合は、やはり通信会社の店舗に時間を割いて行かなければならない。

eSIMが物理SIMに勝る点はいくつもあるが、逆に物理SIMがeSIMに勝る点もあることは頭の片隅に留めておくべきだ。

ただし、そういうことがあったとしてもAppleを含むスマホ開発メーカーが「完全eSIM化」に舵を切っている事実は否定できない。

SIMスロットを省くとバッテリーが大きくなる?

スマホを開発する側の人にとって、「物理SIMがなくなる」ということはどういうことか?

筐体内部に余裕ができるという意味である。

スマホは人間の掌に乗るほど小さい。それ故に、僅かな内部空間が大きな拡張性を創出する。SIMスロットを省いた分だけ確保した余裕を、他の部品の大型化に生かす……という発想もできるのだ。

バッテリーなどは、まさに最右翼である。

スマホもPCと同じく「オンデバイスAI」が搭載されるようになった。それに対応するプロセッサーはもちろんハイエンドモデルと呼べるだけの性能を誇り、故に消費電力も大きい。実用に足る稼働時間を確保するためにも、バッテリーの大型化は避けられないはずだ。

その上で、今現在のスマホは「薄型化」の波が巻き起こっている。

iPhone Airの「カメラレンズが飛び出す薄さ」は大きな話題になっているが、実はそれに先駆けて6mm以下の厚さを実現したAndroid機種が存在する。Appleは、残念ながら「薄型競争」においては後発組と言わざるを得ない。これはスマホのさらなる技術革新を意味する現象であり、「スマホ」と呼ばれるものの中身が大きく変わる瞬間を我々は迎えているのだ。

以上のことから、「完全eSIM化」は時代の潮流と形容してもバチは当たらないだろう。

取材・文/澤田真一

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1984年生まれ。静岡市生まれ相模原市育ち。グラップリング歴20年超。世界のスタートアップ情報からガジェットレビュー、Apple製品、キャッシュレス決済、その他諸々のジャンルの記事を執筆。

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