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今冬、続々オープン!韓国No.1ファストフード「マムズタッチ」は日本に浸透するか?

2025.10.24

ファストフード店は、人類の食文化を大きく変えた。

どのように食文化を変えたかは詳しく後述するが、ファストフードという形態の飲食店が確立する前と確立した後とでは、街の景色までまるで違うものになってしまった。もしかしたら、ファストフードこそが「20世紀最大の発明」と言えるのかもしれない。一方、21世紀も4分の1が過ぎようとしている今、ファストフードの在り方が再構築されているのも確かのようだ。

去年4月に日本上陸を果たした韓国のマムズタッチが、全国拡大に向けての準備を始めている。このマムズタッチのサイバーガーが、今後の「食のトレンド」に成長するかもしれない。

仕事の合間に行ってみた

さて、ここは渋谷。

筆者は@DIMEとその他別のメディアを含む諸々の取材で、静岡市から高速バスに乗ってやって来た。

1日目は渋谷での製品発表会。これは素晴らしいイベントだった。@DIMEでの仕事ではないが、この製品は間違いなく筆者にとっての「2025年ベストガジェット5選」の中に入るだろう。

発表会が終わると、その足で新大久保のホテルに向かう。そこで1泊。翌日は東京駅周辺の会場で製品発表会、直後に二子玉川の商業施設で別の製品の発表会があった。筆者はその合間を縫って渋谷に戻り、マムズタッチ日本1号店に行ってみたという経緯である。

写真で見たサイバーガーが、どうにもインパクト十分の姿だった。それがずっと気になって仕方なく、ならば自分の舌でそれを味わってみよう……と考えたのだ。

この日は木曜日、時刻は午後8時30分。渋谷店の2階は学校をサボっていると思われる女子高生2人組がいるだけだ。そんな中、筆者は店内にある大きな端末を操作して「チーズサイバーガー」を注文する。

ハンバーグではなく、ゴツゴツとした衣をまとったモモ肉がバンズの間に挟まっている写真を見て、175cm94kgの筆者も「食べてみようかな」と思った次第だ。なお、価格はポテトとドリンクのセットで900円。

「野外で歩きながら食事」に市民権を与えたファストフード

マムズタッチは、「注文してから調理する」という方針のため、しばらく店内で待たなければならない。

他のファストフード店のように、作り置きのバーガーやポテトが注文直後からポンポンと出てくるような仕組みではないことは、ここで断っておく必要がある。

そもそもファストフードには、アメリカのロードサイドビジネスの中で「早く、安く」食事を提供できるように進化した経緯がある。客席の回転率を極力上げるため、それまで10分ないし20分かかっていた料理の提供が僅か数分、場合によっては1分以内に短縮された。

ファストフード店で提供されるハンバーガーは、ナイフとフォークを必要としない。食器は客の手である。それを「下品だ!」と白眼視する大人がいる一方、若者たちはそれを「新時代の文化」と解釈した。日本人も例外ではない。1971年7月20日のマクドナルド日本1号店のオープンは、その時代の様子を今に伝える現象として日本近現代史の1ページを飾っている。

『また、輸入規制によりまだ牛肉が食卓にならぶことが少なかった当時、ハンバーガーは勿論、100%の牛肉を使用し、それを手軽に食べることができるメニューは考えられませんでした。当時貴重だったマクドナルドのこだわりである100%ビーフを強く打ち出していったのです。こうして、海外の文化に憧れを抱いた若者を中心に、多くの人が100%ビーフのハンバーガーを食べようと店へと押し寄せました。休日には「銀座歩行者天国」でハンバーガーを片手に食べ歩く人が続出。この様子はマスコミに大々的に取り上げられ、異国の見知らぬ食べ物というよりむしろ“新しいファッション”として、ハンバーガーの上陸を日本中にセンセーショナルに広めたのです。』
(引用元:マクドナルドの窓からのぞいた日本-マクドナルド

行軍中の軍隊でない限り、「野外で歩きながら食事する」という行為は誰もしなかった。その行為に市民権を与えたのがファストフード店、と表現しても構わないだろう。

そうした歴史の流れからマムズタッチを観察した場合、ある点においては「来た道を逆に進んでいる」と考えるべきではないか。マムズタッチのサイバーガーは、外で歩きながら食べるよりも店内の座席で落ち着きながら食べるものなのだ。

この肉の分厚さが、そうしたことを雄弁に語っている。

「ベッドタウンにも進出」の意味合い

口を大きく開けてかぶりつかなければ食べられないほどのボリュームを持つサイバーガー。6月にPR TIMESで配信されたプレスリリースによると、年内までに年内10店舗オープン・30フランチャイズ加盟店契約を目指すという。

このプレスリリースの中で、マムズタッチ東京法人のソン・ジンウク氏が興味深いコメントを載せている。

『この1年間で、直営店を通じて日本のQSR市場におけるニーズや運営体制を検証することができました。日本ならではの食文化や生活スタイルに合わせた商品開発にも力を入れ、地道にブランドを育ててきたと感じています。2025年からは、都市部だけでなく、住宅地や学生街、ベッドタウンなど日常生活に密着したエリアにも出店を進めてまいります。日本に根差した外食ブランドとして、マムズタッチの価値をさらに届けていきたいと考えています』
(引用元:マムズタッチ、日本で年内10店舗オープン・30加盟店契約を目指す-PR TIMES

「住宅地や学生街、ベッドタウンなど日常生活に密着したエリアにも出店を進めてまいります」という部分を、敢えて真に受けてみよう。これは言い換えれば、一般の日本人が想像もしないような意外な場所にマムズタッチが進出してくる……ということではないか?

筆者自身、相模原市という「東京のベッドタウン」に18年住んでいたからおおよその想像はつくが、その地域に進出してきた店は数年後には地元住民にとって重要なランドマークになっていたりする。半径数km以内に住む人々にとっての「象徴的施設」だ。これが都心にある店舗なら、「通りすがりの店」程度にしか認識されないだろう。

そうした効果をマムズタッチが狙っているとしたら、この戦略は見事にハマる可能性がある。

我々の身近にマムズタッチの店舗が登場する日も、そう遠くはないだろう。

取材・文/澤田真一

【参照】
マムズタッチ
マムズタッチ、日本で年内10店舗オープン・30加盟店契約を目指す-PR TIMES
マクドナルドの窓からのぞいた日本-マクドナルド

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