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PayPayが海外で使えるようになる!?覚えておくと便利な使い方

2025.10.23

PayPayが海外でも利用できるようになった。ついにこの時が来た!

2010年代後半から今に至るまで、日本は「インバウンドの成長」にいささかこだわり過ぎていたのではないだろうか。もちろん、その最中にパンデミックという中断期はあるものの、日本の様々な産業や自治体が「インバウンド」という言葉に熱中し過ぎている点は否めない。

そろそろ「アウトバウンド」について考えるべきではないだろうか。

日本という国には陸上国境がない。それ故に、他の国の人よりもさらに能動的な気持ちにならないと国外旅行ができない。言い換えると、誰かが積極的にアウトバウンドを呼びかける必要があるということだ。そのような強いきっかけがあって、日本人は初めて海の向こうを目指す。

今回のPayPayの「海外支払いモード」提供開始は、我々に「国外への道」を指し示すものになり得るのではないか。

日本国内で本人確認を済ませた上で

PayPayは、それまでにも国外のキャッシュレス決済サービスと連携を交わしていた。

しかし、それらは連携先のキャッシュレス決済サービスを利用する人(外国人観光客)が、日本国内でPayPay対応店を利用するための仕組みに留まっていた。その逆、即ちPayPayユーザーが日本国外でそれを利用することはできなかったのだ。

それが9月から大きく変わった。韓国のAlipay+とZero Payが、条件付きではあるがPayPayでの決済に対応するようになった。

PayPayの機能を上限なく全て利用するには、日本国内で本人確認(eKYC)を済ませる必要がある。韓国でのPayPayの利用も、出国前にこれをやらないといけない仕組みだ。現地で本人確認を済ませることはできない。

さて、支払いだが店舗が掲げるQRコードを利用者が読み取る場合はAlipay+とZero Payのマークが貼られている店でPayPayを利用できる。店側が利用者のバーコードを読み取る場合はAlipay+のマークの店のみ。それ以外の使い勝手は日本国内でPayPayを利用する時と殆ど変わらないが、ウォン建ての決済金額を即座に日本円換算額に表示してくれる点はありがたい。

日本と変わらず「ポイ活」ができる!

PayPayにはPayPay残高だけでなく、PayPayクレジットやPayPayポイントで支払う機能も備わっている。それは韓国でも利用でき、さらに残高チャージも可能だ。なお、ATMからのチャージは海外では利用できない。

そして、海外での利用分もPayPayステップの対象となる。つまり、韓国で買い物をした際もPayPayポイントが貯まるということだ。国境を越えたポイ活もできる!

韓国から日本にいる知人に向けての個人送金ができる点も、記載しておくべきだろう。PayPayを使った送金は銀行のそれとは違い手数料が発生せず、故に絶大な使い勝手を発揮する。今や、ちょっとした金銭のやり取りをPayPayで済ませてしまうという人は少なくないはずだ。

こうしたことは、海外では一切できなかった。

海外旅行をしたことがあるPayPayユーザーなら知っているはずだが、渡航先でPayPayアプリを開くといつもとは全く異なる画面が表示される。PayPayカードの利用状況やPayPayほけんの契約情報の確認はできるが、それ以外のことはできない。そこから来るもどかしさは、筆者自身も幾度となく経験している。

「アウトバウンドブーム」のきっかけに?

海外旅行は、アジアの国々であれば決して高価な道楽というわけではない。

試しにTrip.comで11月出発の東京~バンコク間の往復航空券を検索してみたら、預入荷物込みで3万470円というものがあった。バーツ高が進行しているとはいえ、バンコク市内のホテルも1泊2,000円台でそれなりの部屋(無論、ドミトリーではない個室)を予約することができる。

それを誰かが―—大衆に影響力を持つ企業やサービスが―—大々的にアピールすれば、日本に久方ぶりの「アウトバウンドブーム」が起きてしまうのではないだろうか。

また、この出来事は「旅行者向け為替サービスの歴史」にも大きな意味合いを刻んでいる。

「日本人旅行者の安全」にも直結

筆者が生まれて初めて海外旅行をしたのは2008年だが、その頃にはまだトラベラーズチェックというものがあった。これは世界中の提携銀行で額面の現金と交換できる小切手で、紛失しても再発行することが可能だった。

海外で多額の現金を持ち歩くのは、あまりに大きなリスクが伴う。だからこそ、トラベラーズチェックに大きな需要があったのだ。

アメリカンエキスプレスやトーマス・クックのトラベラーズチェックは既に新規発行を終了しているが、それは「渡航先で盗難被害に遭う可能性がゼロになった」ということを意味するわけでは、もちろんない。

仮にPayPayアプリをインストールしているスマホが盗まれてしまったとしても、PayPay残高まで盗まれてしまうわけではない。画面ロック等の基本的なセキュリティーをスマホに施していれば、PayPay残高が抜き取られる可能性は限りなく低いはず。

つまり、「PayPayの世界進出」は「日本人旅行者の安全」にも直結する大きな出来事なのだ。

取材・文/澤田真一

【参照】
海外で利用する-PayPay
PayPayアプリの決済や送金などが海外で利用可能に-PayPay

UNIQLO Payはなぜサ終になった?じつは有能だったUNIQLO店舗キャッシュレス化の仕組み

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1984年生まれ。静岡市生まれ相模原市育ち。グラップリング歴20年超。世界のスタートアップ情報からガジェットレビュー、Apple製品、キャッシュレス決済、その他諸々のジャンルの記事を執筆。

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