人気YouTuberヒカルさんが「オープンマリッジ」を宣言し、世間を賑わせています。本記事ではオープンマリッジの定義やルール、注意点などについて深掘りしていきます。
目次
2025年9月から、突如現れてSNSやネットニュースを駆け巡っている「オープンマリッジ」という言葉。直訳では「開かれた結婚」という意味で、簡単に説明すると配偶者以外との恋愛を認め合う夫婦関係を指します。
世間の注目を集めやすいセンセーショナルなワードであると同時に、夫婦間の合意・境界線・責任などが複雑に絡む繊細な話です。近年、さまざまなことが多様化していますが、そこまで認めちゃう?と思わずにはいられないテーマです。
本記事では、話題の発端となったYouTuberヒカルさんの宣言についてもご紹介しつつ、オープンマリッジの定義やルール例、注意点などを結婚生活15年のアラフォー主婦ライターの意見も交えて解説します。過度な理想化には要注意!知識の一つとしてお伝えすることに止めますね。
YouTuberヒカルさんの宣言で話題に!オープンマリッジとは?
これを読んでいるほとんどの方が、つい最近までオープンマリッジという言葉すら聞いたことがなかったのではないでしょうか?かく言う私も「オープンマリッジ、聞いたことあるような…えーっと…何?」と、ついChatGPTに聞いてみた一人です。笑
まずはオープンマリッジの定義や、その歴史、いま話題になっているYouTuberヒカルさんの宣言についてご紹介します。
■オープンマリッジの定義
オープンマリッジは、一般的に「配偶者以外との恋愛や性的関係を、夫婦の合意の下で許容する夫婦関係」を意味します。「夫婦の合意の下」というのは必須条件ですが、それ以外の点について、実は定義らしい定義はありません。普通の夫婦でも十組いれば十通りの形やルールがあるように、オープンマリッジも各家庭で合意と境界線の内容が異なるからです。
そう、妹夫婦は子どもが寝たら二人で晩酌を楽しむらしいけど、下戸な私たち夫婦はお菓子パーティをするように(中学生のお泊りか!笑)夫婦のスタイルはそれぞれ。ルールについては後ほど詳しく紹介しますが、オープンマリッジは夫婦で決めたルールの下で、恋愛・性的関係を含む相手の人間関係を認めることを指します。
■オープンマリッジの起源と歴史
オープンマリッジは、1970年代にアメリカの社会学者であるオニール夫妻によって提唱されました。背景には、1960年代後半にヒッピーなどが関わった性の革命が挙げられます。当時の社会の常識や固定観念の枠を超え、個人の自由を掲げる風潮が、オープンマリッジにもつながっています。
オープンマリッジは、夫婦が独占欲や嫉妬心に縛られず、社会的、性的に独立した個人を認め合う、という解釈のようですが、確かに究極の自由と許容ですよね。この概念は当時の社会と文化に大きな影響を与え、著書は日本でも出版されました。
■2025年9月のオープンマリッジ騒動
2025年9月、人気YouTuberのヒカルさんが「お互い浮気OKの関係=オープンマリッジで生きていく」と衝撃的な宣言をし、SNSを中心に非難が殺到する事態に。ヒカルさんが批判に対して強気なコメントをしたこともあり、YouTubeの登録者数も507万人から482万人へと大きく減少…。(2025年11月後半時点)ネットニュースで取り上げられたり、関連記事や騒動に言及した動画も続々投稿されたりと大きな反響を呼んでいます。
私個人としては他所の家庭のことなのでご自由にどうぞ、と思うのですが、YouTubeの登録者数の減り具合には驚きました。米の価格もそのくらい目に見えて下がってほしいと思う今日この頃です。
オープンマリッジの具体的なルール例
オープンマリッジは夫婦が合意の下で行うものですが、その“合意”に至るためにはルール作りが重要。相手の恋愛を認めるといっても、許容できる範囲は個人で違うもの。それを夫婦間ですり合わせるのが、オープンマリッジのスタートラインです。
■どんな関係まで許容するか
相手との関係をどこまで許容するのか?身体的な関係オンリーなのか、恋愛感情を伴う関係もOKなのか、もしくはキスやハグまで?その境界が曖昧だと、夫婦のすれ違いやトラブルを生む結果になりかねません。オープンマリッジは簡単にいえば浮気OKってことですが、お互い放任、無関心という関係ではなく、あくまでも優先すべきは配偶者。婚姻関係は円満に継続させることが前提です。お互いが納得できる境界線を決め、必要に応じて修正していきます。
■婚外恋愛の相手の条件について
婚外恋愛の相手についてのルールも、重要なポイント。いくら夫婦間に同意があったとしても、例えば相手が既婚者だとか、配偶者の友人だとか、子どもの担任の先生だとか…昼ドラですか?みたいな展開が繰り広げられそうな立場の人だと困りますよね。ドラマなら面白そうですけど!でも今じゃコンプラ的に難しいかな…。ドロドロの昼ドラが懐かしい。笑
まぁ昼ドラはさておき、夫婦の自由に第三者を巻き込んでご迷惑をかけるわけにもいきません。家庭や相手にトラブルやストレスを背負わせないために、相手の条件についても慎重に決める必要があります。
■連絡やデートの頻度・時間など
電話やメールなどの連絡や、相手とのデートについて、頻度や時間を決めることも重要です。繰り返しますが、最優先すべきは配偶者であり自分の家庭。自宅では一切連絡を取らない、○時以降はNGで夫婦の時間を取る、デートは平日の仕事終わりだけ、など。夫婦関係や家庭の妨げにならないよう、一定の制限を設けることが求められます。
■夫婦間での情報共有について
配偶者と相手の関係について、夫婦で情報を共有するのか、ノータッチでいくのか?共有するとしたら、どんな話まで?配偶者の恋愛事情について悩みやノロケなど何でも聞きたい人、デートの日時や帰宅時間など家族の予定として把握したい人、知ると嫉妬しそうだから聞きたくない人。きっと個人で感覚が違いますよね。お互いの意見と今後の夫婦関係を考えて、明確に線引きすることが重要です。
オープンマリッジの注意点やデメリット
究極の自由な夫婦関係、オープンマリッジには注意点やデメリットもあります。そら、あるわ!と、皆さんの声が聞こえてきそう…。はい、私も書きながらそう思ってます。笑
「人気YouTuberも公言したんだし、令和の常識になるんじゃ?」なんて憧れを持った方は、これからご紹介するデメリットについても十分に理解してご検討ください。
■周囲の理解が得にくい
ヒカルさんの騒動からも分かるように、世間はオープンマリッジに対して肯定的ではありません。オープンマリッジは、夫婦間に合意があって納得していても周囲の理解は得にくい概念です。周りにわざわざ公言する必要のないことですが、何かのきっかけで婚外恋愛が他人に知られた際に「いいの、うちオープンマリッジだから」「なーんだ、そっかぁ。じゃ、大丈夫だね」とはならないでしょう…。
■ネガティブな感情の整理が難しい
合意していても、配偶者が婚外恋愛をしていることに対して嫉妬をしたり、不安な気持ちになったりするのは自然なこと。事前に決めたルール内であっても、続けていくうちに相手を許せなくなることもあるでしょう。逆に、夫婦間は大丈夫でも婚外恋愛がうまくいかないストレスを抱えてしまう危険性もあります。私は恋愛感情に振り回されるタイプなので、危険性しかないな、と思います。恋愛体質な方は要注意!
■夫婦間の溝を深める原因になり得る
普通の夫婦でも溝ができることは珍しくないのに、オープンマリッジという複雑な要素が加わった夫婦…溝が深まる可能性は十分にあります。ルールを守れずに喧嘩をしたり、婚外恋愛の相手に本気になってしまったり。中にはオープンマリッジをスパイスに、本来の夫婦関係も良好に続くパターンもありますが、婚外恋愛の相手がルールを超えてくるかもしれないし。場合によっては、婚姻関係の継続が難しくなることもあるでしょう。
■子どもへの影響が大きい
子どもがいる夫婦の場合、子どもへの影響が心配です。両親が婚外恋愛をしていることは、当然受け入れがたいでしょう。仮に子どもの理解があっても、周囲に知られると好奇や偏見の目が子どもに向くことも考えられます。子どもの年齢にもよりますが、行動は慎重に…というか、個人的には一番大事なお子さんより優先すべきことなのかを考えてほしいと思います。
日本でオープンマリッジは浸透する?

散々話題となったオープンマリッジ。果たして、日本では浸透するのでしょうか?最後に私の意見も含めてお伝えします。
■世間では否定的な意見が多数!これが日本の実情
ヒカルさんの騒動でも批判コメント、チャンネル登録者数減とダメージが大きかったように、世間的には否定的な意見が多数派です。夫婦が同意していようが形としては不貞に見えるわけで、眉をひそめる方が多いのは仕方ないこと。芸能人の不倫なども、バッシングが強くなりましたもんね!誰とは言いませんが、最近、好きだった俳優さんが不倫疑惑で表に出なくなって寂しいけど…。令和の日本は多様性の時代といえど何でも許容できるわけではないですから、当然の反応かなと思います。
■文化的に浸透しにくいし、しなくていい
今回の騒動で認知度は上がりましたし、欧米文化は時間差で日本に浸透する傾向がありますが、オープンマリッジに関してはそう簡単に馴染まないのではないかと思います。ただでさえスキンシップが控えめで、既婚者が異性と親しくすることに肯定的ではない日本。その文化や感覚を塗り替えるほど、世間に必要とされるものでもないし、むしろ混乱が生じかねません。
私自身、人間を40年ほど経験していれば男女が何人も関わるさまざまな夫婦トラブルを耳にしております…。それがオープンマリッジだと丸く収まったのかといえば、絶対にそんなことはないでしょう。他所様の結婚観は自由ではありますが、どうか誰も傷付かないご家庭が増えますようにと願うばかりです。
ヒカルさんの今後の動向に関しては、いちライターとして注目していきたいと思います。
文/SUGI-SUGU







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