室内空間、ラゲッジルームの広さにも大満足
室内空間、ラゲッジルームの広さは基本的にN ONEと変わらない。とはいえインパネデザイン、メーターデザイン、シフターなどはN-ONE e:専用だ。ちなみに、LとGでカタログ値の室内長が異なるのは(L2010mm、G2040mm)、計測ポイントの違いということで、実際の室内の広さ、室内長はまったく同じである。
N-ONE e:の室内空間について細かく説明すると、身長172cmの筆者のドライビングポジション基準で前席頭上に190mm、後席頭上に120mm、膝周りに200mmと、さすがに背高のN BOXには敵わないものの、多くのコンパクトカーを凌ぐスペースが後席フラットフロアとともに用意されている。下の画像は身長185cmの乗員が後席に着座したところで、膝周り、頭上にも余裕があった。
ただし、N-ONE e:は電気自動車ゆえ、床下に29.6kWhの薄型バッテリーパックを敷き詰めているため、後席のシート位置はN ONEと変わらないものの、フラットフロアはN ONEに対して30mm高まっているため(フロアからシート座面前端までの高さ=ヒール段差は340mmから310mmに低まっている)、N ONEと比べ、やや膝を立てる着座姿勢にはなる。
ちなみに、ラゲッジルームの広さもN ONEと変わらず。開口部地上高570mm、開口部段差なし、フロア幅880mm、フロア長520mm、後席格納フロア長1280mm(前席シートバックまで1430mm)という数値になる。床下収納もたっぷりだ。
つまり、N-ONE e:はN ONEをベースにした電気自動車なのだが、N-ONE e:とN ONEを並べてみると、とくにフロントビューは別物。具体的にはN-ONE e:にはフロントグリル部分にLグレードの場合は急速、普通充電ポートを装備し、そのぶん、ボンネット部分の厚みが増しているのがわかる。穴の開いたグリルを持たないのは、電気自動車の証でもある。付け加えれば、充電ポートを備えたフロントグリルの樹脂パネルの質感の高さもなかなかなのである。
そんな、軽自動車の電気自動車として余裕の一充電走行距離295km(WLTCモード)を実現したホンダN-ONE e:を走らせるとどうなのか。軽自動車の常識を覆す、驚愕に値する上級車並みの乗り心地、快適性、走りの質感の高さについてのレポートは、このあと公開予定の別稿に譲ることにしたい。
文・写真/青山尚暉