
とんでもない完成度を備え、軽自動車規格の電気自動車としてこれまでの常識を覆す1台が登場した。それがホンダの「N-ONE e:」だ。これまでも軽自動車の電気自動車は存在したが、もう、レベルが違うのである。
日産サクラの180kmに対して、「N-ONE e:」はいきなり295km!!
その車名から分かるように、ホンダの新型電気自動車は軽自動車のN ONE、つまり、N BOXが爆売れ中のホンダNシリーズの中でもプレミアム、スポーツ性能に特化したモデルがベースだ。
40~50代女性(+20代女性)をメインターゲットとし、セカンドカー需要を目論むN-ONE e:最大のハイライトは一充電走行可能距離。同じく軽自動車の電気自動車として先に発売されている日産サクラの180kmに対して、N VAN e:と同じモーター形式MCF7、64ps、16.5kg-mの電動パワーニットを持つこちらはいきなり295km!!(いずれもWLTCモード) 軽自動車の1日の平均走行距離が30km~とされているとすれば、エアコンなどを使った実一充電走行距離が250km程度だとしても、1週間に1度の充電で済むことになる。電気自動車はヒーター/エアコン暖房を使う冬季に航続距離が短くなるのが常識だが、シートヒーターの装備やバッテリー加温/冷却システムによって冬季の充電時間、航続距離の向上が配慮されているというから、多少は心強い。ホンダによるメインターゲット以外のユーザーにも、自宅に充電設備があり、価格が許せれば、最先端のセカンドカーとして選ぶ価値ありだと思えてしまう。
グレードは上級のLが319万8800円で普通、急速充電に対応。ベースグレードのGは269.94万円で普通充電に対応し、急速充電ポートはメーカーオプションとなる。それぞれの価格は日産サクラに対して約10万円高になるものの、一充電走行距離がサクラの180kmから、N-ONE e:は両グレードともに295kmになるのだから、むしろ電気自動車として割安に感じられるほどである。
ちなみに、LとGグレードの装備の違いは、すでに説明したLに急速充電ポートが標準装備されるほか、Lには9インチHonda CONNECTディスプレー、本革巻ステアリングホイール、電動格納式リモコンドアミラーのオートリトラ機能、LEDルームランプ、14インチアルミホイールなどが追加されることになる。が、ダイレクトプロジェクション式フルLEDヘッドライト、ホンダ最新の先進運転支援機能であるHonda SENSINGの装備については両グレードに差はない。
なお、満充電までの時間は6kWの普通充電で約4.5時間、CHAdeMO 50kWに対応する急速充電では約30分とされている。さらに給電最大出力1500Wの機能(AC外部給電器 Honda Power Supply Connector/ディーラーオプション)によって非常時の蓄電池として電気を取り出すこと=外部給電も可能だ。