
いつ何時わが身に降りかかるかわからない地震などの自然災害。万が一の備えとして防災グッズを用意している人は多いだろうが、カセットこんろやボンベも災害時に役立つことで知られている。
一般社団法人 日本ガス石油機器工業会はこのほど、全国25歳以上のカセットこんろユーザー360名を対象とした使用実態調査を行い、その結果を発表した。
3人に1人以上が「カセットこんろを日常で使っていない」と回答
カセットこんろを持っている目的・用途では、「防災備蓄として持っているだけで日常では全く使わない(20.8%)」、「目的・用途はなく単にあるというだけで日常ではまったく使わない(13.9%)」との回答が合わせて34.7%となっている。
Q. カセットこんろを持っている目的・用途を一つ選んでください。
カセットボンベの所持数に関しては、「1~3本」が最も高く60.3%、「0本(持っていない)」は3.1%(昨年は5.8%)となり、昨年の同調査と比べて持っていない人は約半減するなど改善が見られた一方で、政府推奨(※)の「1人1週間当たり約6本」を備えている人は少数だった。
Q. 燃料のカセットボンベは何本程度お持ちですか?
※出典:政府広報オンライン「いつもの食品で、もしもの備えに!食品備蓄のコツとは?」
カセットボンベの保管場所では、押入や、物置・ガレージなどの屋外スペースなど、存在を忘れやすい場所に保管している人が4割以上にのぼり、災害時などいざという時に『どこにしまってあるか分からない』恐れのある人が一定数いた。
Q. カセットボンベは家の中のどこに保管してますか?
53.1%が「カセットこんろ・ボンベの製造年の確認を年に一回もしていない」
カセットこんろ・ボンベの製造年の確認については、「カセットこんろもカセットボンベも確認していない(53.1%)」人が半数以上いた。
Q. カセットこんろ・ボンベの製造年を、年に一回程度は確認していますか?
交換の必要性については、「カセットこんろもボンベも、古くなったら交換が必要だと認識している」が48.6%(昨年41.4%)と改善がみられたものの、依然として半数に満たない状況である。また、「カセットこんろもボンベも認識していない」人も23.1%にのぼり、依然として約4人に1人が交換の必要性を認識していない。
Q. カセットこんろとボンベは、古くなったら交換の必要があることを認識していますか?
使用する目的とシーンについては、「鍋料理や焼き肉など食卓での調理」が最も多く65.0%を占め、およそ3人に2人が食卓での調理を目的として利用している。一方で「災害・停電など非常時に備えて定期的に動作確認している」も16.7%にのぼり、利用目的としては2番目に多かった。
Q. あなたが、カセットこんろを普段使用する目的やシーンとして、あてはまるものをいくつでもお答えください。
3人に1人以上が災害時におけるカセットこんろ・カセットボンベの活用に不安
災害時において、カセットこんろ・カセットボンベを適切に役立てられる自信を質問したところ、36.4%が「少し不安」「役立て方がほとんど想像つかない」と回答し、3人に1人以上が災害時の活用に自信を持てていない実態が明らかになった。この結果から、災害時に備えて普段からカセットこんろを使用し、被災時を想定した食事作りを練習しておくことをよびかけるのは重要であると再認識された。
Q. 大規模自然災害で自宅が被災、或いは電気・ガス・水道が長期間供給されない事態になった際、カセットこんろ・カセットボンベを生存と生活の維持のため適切に役立てられる自信はありますか?
所有するカセットこんろの製造年については、「分からない」が43.9%と最も多く、4割以上が把握できていない。さらに、2015年以前の買い替え目安10年を超える古い製品を使用している人も23.3%にのぼり、3人に2人以上がカセットこんろを適切に管理できていなかった。
Q. お持ちのカセットこんろの製造年(または購入した年)を選んでください。
<調査概要>
・調査内容:「カセットこんろと防災鍋」の実態調査2025
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2025年9月2日~3日
・調査対象:25歳以上の全国のカセットこんろ所有者360名
※全国地域8エリア、
年代(25-34歳、35-44歳、45-54歳、55-64歳、65歳以上)均等割付
構成/こじへい