
日本には大都市や有名な観光地以外に、あまり知られていない魅力的なエリアが数多く存在する。そんなまだ見ぬ地域に、心惹かれる日本人旅行者はどれくらいいるのだろうか?
Airbnb Japanはこのほど 日本人旅行者の国内旅行志向と地方地域観光の高まりを示す最新調査「Rural Tourism(地方地域観光)調査レポート」を発表した。
本調査では、過去1年間に行われたレジャー旅行のうち96%が国内を目的地としていたことがわかった。また、85%の旅行者が知られざる地域への旅行に関心を示すなど、都市部以外の地方地域への観光が新たなトレンドとなっていることが明らかになった。詳細は以下の通り。
国内旅行の成長と、地方地域への関心
Airbnbのデータによると、日本の地方地域への旅行は目覚ましい成長を遂げている。2023年と比較して2024年、地方地域の宿泊施設の予約数は約25%増加した。この傾向は、日本のAirbnb利用者における明確な嗜好の変化を反映しており、流通総額(GBV)に占める非都市部の割合は、2019年の4%から6%へと上昇している。
この動きを牽引しているのは国内旅行者だ。2024年の地方地域での予約の3分の1が日本人によるもので、2025年第1四半期には国内宿泊日数が前年比24%以上増加した。また、Airbnbの地方地域リスティング(宿泊施設)も同期間で26.2%増加しており、地方地域観光が明確な成長軌道にあることがわかる。
地域に深く根ざしたリアルな体験を求めて
旅行者の関心は大都市や有名観光地に留まらず、よりディープな体験へと広がっている。調査では85%の日本人旅行者が「知られざる地域」への旅行に関心を持っており、特にZ世代を中心とした若い世代では51%が「国内旅行を好む」と回答した。
国内の目的地を選ぶ動機について尋ねると、コストと利便性、日本をより深く探索したい、地域社会の支援などが理由にあがった。さらにその地域を訪れた際、郷土料理の調理体験(54%)、歴史的建造物の見学(43.8%)、伝統文化の体験(38.9%)などを希望している。これは、旅行者が単なる観光地巡りではなく、その土地の文化や歴史に直に触れることを求めていることを表している。
地方地域観光にもたらす社会的・経済的効果
地方地域旅行の増加は、地域経済に具体的な利益をもたらしている。地方地域におけるホストの平均収入は増加し続けており、その地域で生活する家族や中小企業に新たな収入源を生み出している。
また国内観光は、文化遺産を守り、職人や伝統産業を支え、人口減少や継続的な経済活動を課題とする地域に新たな活気をもたらしている。Airbnb Japanは、これまで地域自治体とのさまざまな連携協定を通じて、観光プラットフォームは地方地域の再生を加速させ、観光を地域活性化の原動力として強化するのに貢献している。
日本の国内における地方地域旅行の活性化は一時的なトレンドではなく、旅行者が新たな場所を探し、訪れ、人と人とが繋がり、地域に貢献する方法における永続的な変化を反映している。若い旅行者が先頭に立ち、国内外における文化体験や地域社会とのつながりに対する需要が高まり、グループ旅行が増加することで、地方地域における経済貢献への動きは今後数年間でさらに深化していくと考えている。
出典元:Airbnb
構成/こじへい