
最近「体力がもたない」、「パフォーマンスが良くない」ーーその原因は、もしかしたら「脚」かもしれない。
今、脚の不快感を解消するために、トレンドに敏感な男性が取り入れているのが「着圧ソックス」だ。2023年に発売した「メディキュット For MEN」シリーズの売上は2024年が前年比約144%(※)で、2025年も順調に推移している。
女性の購入者が圧倒的に多い着圧ソックスを、なぜ男性が今、取り入れているのかーーその背景を、レキットベンキーザー・ジャパン メディキュットチーム ブランドマネージャーの鈴木涼平さんに伺った。
※インテージSRI+調べ 着圧ソックス市場 全メディキュット累計販売金額(2023年1月~2024年12月)(日本)
履いた人からわかる、スッキリ感。「翌日に残る……」脚の不快感をサポート

メディキュットは、英国の医療用ストッキングをルーツに持つ段階圧力ソックスブランド。
着圧ソックス市場を牽引する存在として25年以上に渡り女性向けの着圧ソックスを発売していたが、2023年に初めての男性向け製品として「メディキュット For MEN 着圧ナイトソックス ショート」を発売した。
医学に基づく段階圧力設定が施されており、これを履いて寝るだけで翌朝スッキリとした脚に導くアイテムだ。男性の健康意識の高まりや生活習慣の変化を背景に、コロナ禍に製品開発をはじめたと鈴木さんは振り返る。
鈴木さん「2020年頃、新たな消費者の獲得を目指し、男性向けの製品を開発するプロジェクトをスタートしました。
2023年以前の製品は女性用のみでしたが、『男性用はありませんか』とお客様に問い合わせをいただくなど、潜在的な男性の脚ケア需要を感じていたことが背景にあります」

「メディキュット For MEN 着圧ナイトソックス ショート」はそれまでの女性向け製品とは異なり、男性の脚の太さや筋肉量に合わせて足首からふくらはぎの段階着圧を設計。
ふくらはぎはもちろんのこと、消費者調査で判明した脚の裏の不快感までケアできるようこだわっている。だが、発売当初は「男性が着圧ソックスを履く」こと自体が認知されず、思うような結果は得られなかったという。
鈴木さん「男性向けスキンケアなど、人に見られる部分は多くの男性が取り入れていると思いますが、脚のケアは優先順位が低く、後回しにされがちです。そもそも自分の脚に不快感をがあることを、男性は自覚していないのです。脚が健康的な状態でいることが、より良い自分の生活に繋がるーーその認知を広げることに苦労しました」

そこで鈴木さんが実施したのは、男性が自身の脚悩みに気が付いていないことを伝えるための、遊び心あるキャンペーン。日本人男性の見過ごされがちな脚の悩みを取り締まる公式キャラクター「メディキュットGメン」を開発するなど、男性向けのメディキュットの存在を広めていった。
そうして「メディキュット For MEN 着圧ナイトソックス ショート」の認知は広がり、発売翌年となる2024年には「メディキュット For MEN」シリーズ全体の売上が好調に推移。
2024年には「メディキュット For MEN ながら着圧サポーター」や「メディキュット For MEN 着圧ビジネスソックス」も発売し、2025年7月まででシリーズ累計売上は17万個(※)を突破している。主な購入者は30~50代で、中央値は体力の変化を感じてきた40代だ。
鈴木さん「若い頃は何もケアしなくとも問題なかったのに、『翌日に残る……』と実感し始めた人に選んでいただいていますね。特に健康意識が高く、ヘルスケアに自己投資をされている人。サプリメントやプロテインなどと一緒に同時購入いただいているようです」
※インテージSRI+調べ 着圧ソックス市場 全メディキュット累計販売個数(2023年1月~2025年7月)(日本)

「メディキュット For MEN 着圧ナイトソックス ショート」は寝ている時の着用が推奨されているが、「メディキュット For MEN ながら着圧サポーター」や「メディキュット For MEN 着圧ビジネスソックス」は日中も脚をケアできるのが特徴。
デスクワーク中、出張の移動中、ゴルフ後など、さまざまなシーンで役立つアイテムで、「メディキュット For MEN 着圧ナイトソックス ショート」を気に入った人がリピート買いしている。
さらに売上を後押ししているのは、すでにメディキュットを愛用している「女性」の存在。脚ケアをすることが当たり前の女性が代理購入し、親しい人にプレゼントしているケースも多いようだ。
鈴木さん「パートナーや父親などへの贈り物として購入いただいているようです。すでに着圧ソックスを履くことを習慣化されている女性が媒介となり、広がっているのを感じています」
“最後のフロンティア”。成長を期待できる男性向け着圧ソックス市場
メディキュットは全国のドラッグストア・スーパー・ホームセンターとECサイトで販売しているが、「メディキュット For MEN」シリーズはECサイト購入者の割合が多いのも特徴。
店舗では女性用メディキュットと一緒の棚に陳列されていることが多いため男性が見つけにくく、かつ店員に「どこに売っていますか」と聞くのはハードルが高いようだ。
鈴木さん「女性は店頭とECサイトを比較した場合に店頭で購入していただく方がほとんどですが、男性はECサイトで購入している方が多くなっています。
男性の脚ケアがまだまだ一般化されていないので、ECサイトでポチッと購入した方が男性にとっては買いやすいのだと思います。使ってもらったら、という自信はあるのですが、いかに最初に手に取ってもらうかーーそれが、まだまだ課題ですね」
売上は順調に伸びているものの、もっと着圧ソックスが必要な男性はいる、と確信する鈴木さん。男性利用者に届きやすいYouTube広告なども活用し、認知を広げていきたいと意気込む。
鈴木さん「残念ながら、私の周囲の友人に聞いてもメディキュット For MENを『知らない』、と言われてしまうのが現状です。しかし、男性向け着圧ソックスは“最後のフロンティア”。スキンケアやリカバリーウェアに比べるとまだまだ成長が見込める市場で、そこを開拓することを我々の使命と感じています」
脚をケアすることで、日々のパフォーマンスを上げるサポートをしてくれる「メディキュット For MEN」シリーズ。最近トレンドのリカバリーウェアにも役割は似ているが、2,000円台~と手に届きやすい価格も売上を伸ばしている理由だろう。より健康的な毎日を送りたいビジネスパーソンにこそ、ぜひ使ってみてほしいアイテムだ。
・メディキュット For MEN
HP:https://www.mediqtto.jp/line-up/for-men/
取材・文/小浜みゆ
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