
巷では、若い世代を中心に、小さくて可愛らしいトイカメラが大人気。
撮れる写真は古いフィルム写真のようだが、そのレトロ感がかえって「エモい」と、もてはやされているのだ。
メーカー各社もニーズに応えるべく、様々な製品をリリースしている。その1つが、先般発売された「Cookie(クッキー)」(サイトロンジャパン)。極小サイズながら、高性能なトイカメラとして注目を集めている。

今回は、この製品をレビューしてみたい。
超小型・超軽量ながら高級感ある外観
「Cookie」という名称は、「まるでクッキーのような軽さ」からきている。実際、ストラップを除いた自重は19gと超軽量。
大きさは、幅約47mm、高さ約30mm、厚さ約20mmと、まさに指先サイズ。ボディは、昭和期のカメラを想起させるクラシックなデザイン。
カラーは、シルバーを基調に「チョコ」と「ブラック」がある。実は、この色付きのパーツは、本革を使っており、トイカメラながらちょっとした高級感を醸し出している。

本体とは別に、いくつかの付属品も同梱されている。まず、ネックストラップ。長さは90cmあり本体の革と同色。キーチャームは、ハンドバッグのD環などに取り付けるのに使う。
くわえて、充電と撮影データの転送に使うUSBケーブルとType-Cアダプターもある(データを保存するMicro SDHCカードは別途購入する必要あり)。

距離を問わずくっきり撮れる
次に性能面を見てみよう。これほどミニサイズながら、背面に0.96インチのTFT液晶画面が備わっているのには驚く。もちろん飾り的なものではなく、撮影時のフレーミングや再生もしっかりできる。

撮影能力については、性能の指標となるイメージセンサーは1/4型CMOSで、画素数は92万画素。ただし、画像処理で補間が施されるので、記録画素数は207万画素(1920×1080)に増える。焦点距離は4.8mm、F値は2.4と固定で、結構明るいレンズが採用されている。
カタログスペックの話はこれぐらいにして、実際に撮ってみよう。撮影距離は約60cm~無限遠となっているので、接写以外はなんでも撮れる。近い静物だと、以下のように撮れた。

通常のカメラと比較すると一目瞭然で、全体的に青みがかっているのが特徴。どことなく、昔のアルバムに挟まった写真をイメージさせる。
屋外だと、どうだろうか? 外に出かけ、単純に空を撮ってみた。

こちらは忠実に写っており、手前の屋根や青空にたなびいている筋雲も、はっきりと確認できる。
次は、空よりもっと近くの樹木のある景観。

晴天の太陽光が葉に当たって散乱し、近景と遠景が混在した構図であるが、かなりしっかり撮れている。やや遠くの木の葉が幾分ぶれたように見えるが、ここは許容範囲だろう。
今度は、もう少し寄って建物を撮ってみた。

開店前のカフェで、扉と窓は全部閉まっており、ガラス面に背景が溶け込んでいる。この背景もよく撮れており、トイカメラとしては撮影性能が高いことがうかがえる。これも、ちょっと色あせた古い写真の印象がある。
ところで、このカメラにはフィルター機能もついている。本体側面にあるボタンを押すことで、全体の色調が、緑、赤紫、青、モノクロ、セピアと切り替わる。一例として、セピアのフィルターで撮ったのが、以下の写真。

さらに、内蔵のLEDストロボも備えており、暗い場所での撮影には重宝するだろう。
滑らかな動きを再現する動画撮影
本製品の大きな特徴が、動画も撮れることだ。サイズは静止画と同じく補間した1920×1080で、フレームレートは30FPSある。動画データはAVIファイルとして保存される。
試し撮りしたのが、以下の動画。
十分なフレームレートを確保しているだけあって、動物の動きは滑らかで不自然さがないのがわかる。全体的にいくぶん青みを帯び、また曇り空の下で撮ったような感じだが、実際は、よく晴れた午前中であった。
ちなみに、音声は拾わない無音動画や、動画のない録音のみをする設定もある。
おすすめ度の高い良品
今回のレビューは、トイカメラということで、当初はクオリティ面にあまり期待していなかった。しかし使ってみると、基本的な性能はばっちり押さえた設計となっていて、ちょっと驚いたというのが正直なところだ。
また、撮影距離・被写体にもよるが、PR文にある「どこか懐かしく味わい深いノスタルジックな写り」は、本製品の大きなアピールポイントとして実現されている。
街歩きや旅行の際に、首からぶら下げるファンシーアイテムとしても面白い。最近発売のトイカメラの中では、イチオシといえるだろう。
なお、現時点で「Cookie」は、アストロ&バードショップ「シュミット」、Amazonなどにて販売中。実勢価格は7900円前後となっている。
公式サイト(製品ページ):https://www.sightron.co.jp/product/cookie
取材・文/鈴木拓也
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